「雪月花」は2ndアルバム「BOY & GIRLS」収録
ヤングスキニーは、2020年に結成されたバンドです。インディーズ活動を経て、2023年2月8日に、シングル「らしく」でメジャーデビューしました。
2026年2月17日には、バンド初の日本武道館ワンマンライブ「いつか僕は誰もが羨むバンドになってやる日本武道館」を開催し、チケットを完売させました。
人気実力共に高い評価を受けている、2026年期待のバンドです。
耳なじみの良いキャッチーなメロディーに乗せ、日常の一コマやリアルな本音を描いた繊細な歌詞が、若い世代を中心にバズっています。
ボーカル「かやゆー」の感情のこもったストレートかつ甘い歌声と、どんな曲調にも対応できる確かなバンドサウンドが魅力です。
ヤングスキニーの楽曲の中で人気なのが『雪月花』で、2024年リリースの2ndアルバム『BOY&GIRLS』に収録されています。
また、同年リリースの2ndEP『不器用な私だから』にも収録。
『雪月花』は「匂い」をテーマに、元恋人への断ち切れない想いを描いた楽曲です。
歌詞の意味を紐解いていきます。
「雪月花」は「匂い」をテーマに描く忘れられない恋

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あなたと同じ匂いが指からした
ただ真似てあなたを分かりたかっただけだった
あなたと同じ匂いが指からした
嫌だ、この匂い私好きじゃなかったのに
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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恋の始まり、好きな人のことは何でもわかりたいと思うもの。
相手から漂う香りは柔軟剤、香水、シャンプー、タバコ・・・とさまざまなものが想像できます。
あなたを感じたくて知りたくて、真似して同じものを使ってみる。
自分の指から同じ匂いがする、私本当はこの匂い好きじゃなかったのに。
「のに」とつくのは、予期することと反対のことが起こること。
好きじゃなかったのに、あなたから香るから好きになった、あるいは、あなたを感じたくてつけている。
自分の意に反してまで、その香りを自分につけることは、それほど相手を好きだった、感じたかったという気持ちでしょう。
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あなたと離れた後に匂いがしなくなるのは
三番線のホームから出た各駅停車の電車の中
あなたの頬を伝っていくその涙は
私まで騙し通せると思っていたの?
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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あなたと会った後の帰り道。
ゆっくりと余韻を残しながら、時間が流れていき、あなたの匂いが私から消えていく。
それはいつもの日常だったのでしょう。
でも、今日は違う。
決定的な何かが2人に起こったことが想像できます。
「騙し通せると思っていたの?」という言葉から、相手の裏切りがあったと思えます。
そして相手は涙を流している。
それは、反省?謝罪?と、相手に対する不信感を抱いている状況です。
あなたの「匂い」は「キャメルのタバコ」

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あなたの匂いを私全部覚えているよ
未だに部屋に残っているのは
あなたが欠かさず持っていたキャメルの空箱
あなたの匂いと私きっと離れられないのに
忘れようなんて思っちゃって本当私馬鹿だな
ただあなたを側に置いていたかった
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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「キャメルの空き箱」という歌詞から、あなたの匂い=タバコということがわかります。
相手はいつもキャメルのタバコを吸っていた。
そして、あなたの匂いを感じたくて、私は部屋にずっとキャメルの空き箱を置いていた。
恋が終わったとしても、あなたの匂いを忘れられない、離れられない。
せつない恋心が描かれています。
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不器用な私だから目先のことすら見えなくてさ
思い出すのもやめられないのも全部私のせい
不器用な私だからあなたの愛に気づけなかっただけかな?
いや愛なんてあったんだろうか?
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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終わった恋に対する後悔や、自責の念が描かれ自問自答しています。
何が良くて何が悪かったのだろう。
未だに忘れられない相手への感情で心がいっぱいです。
あなたは本当に私のことを愛してくれていたのか?
自分がそれに気づけなかったのだろうか。
そもそも2人の間に愛はあったのか、など疑問を感じています。
もしかすると、私の独りよがりの愛だったのかと思わせ、それでも相手を忘れられないことにせつなさがつのります。
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あなたを思うと
私全部どうでも良くなってしまうの
部屋の煙たさも 溢れ出そうな灰の山も
指先の匂いも嫌いじゃなかった
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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主人公にとっては、あなたの匂い=キャメルのタバコです。
冒頭の歌詞で、主人公は「私この匂い好きじゃなかった」と言っています。
きっとキャメルという銘柄が嫌い、ではなくタバコが嫌いだったのでしょう。
そもそもタバコが嫌いな人は、銘柄までわからないものですから。
タバコで煙る部屋、灰皿に溢れた吸い殻。
そんなことどうでもいいくらいあなたが好き。
私の髪に、頬に触れる指から感じるあなたの匂い。
あなたから私へ移った残り香。
あれだけ嫌いだった匂いも、あなたのものなら全部が好き。
自分が自分でいられないくらい、すべてが相手に染まってしまっていた、依存していたと言えるでしょう。
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あなたの匂いなんて私ずっと離れられないのに
忘れようなんて思っちゃって本当私馬鹿だな
ただあなたを側で感じて痛かった
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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きっと私は、ずっとあなたの匂いから離れられない。
それなのに忘れようとするなんて馬鹿みたい。
忘れたくても忘れられないという、葛藤とあきらめが描かれています。
「あなたを側で感じていたかった」私は、キャメルの空き箱を部屋に置いて、あなたを感じたつもりになって「痛かった」と、ダブルミーニングで表現しています。
こんな私って本当に「痛いよね」と相手への断ち切れぬ思いと、相手に染まりきった自分をちょっぴり自虐します。
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あなたと同じ匂いが指からした
嫌だ、この匂い私好きじゃなかったのに
≪雪月花 歌詞より抜粋≫
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嫌いだった匂いも、あなたから感じるものだから好きだったの、好きになったの。
今はその匂いがとても恋しい。
主人公はきっと別れた今も、キャメルの空き箱を部屋に置き、相手の存在を確かめているのでしょう。
キャメルの空き箱が主人公の部屋から消えた時、相手を忘れて前に進んでいけるのかもしれません。
匂いは記憶と密接につながっています。
いつかまた、ふとどこかでキャメルの匂いを感じたら、せつない恋の記憶が蘇る日が来るのでしょう。
タイトル「雪月花」の意味

ヤングスキニーの『雪月花』は、歌詞の中に雪月花という言葉は一切登場せず、一見繋がりがないように思えます。
むしろ匂いをテーマにしているので、それにちなんだタイトルでないのが不思議、と感じさせます。
しかし『雪月花』というタイトルには深い意味があると感じます。
雪月花の意味は、冬の雪、秋の月、春の花という四季を通じて自然の美しさを表現した言葉です。
それらの景色によって感じる風流や儚さ、趣きなどを表しています。
『雪月花』の歌詞では、2人の過ごした時間の長さには触れられていません。
ですが、タイトルを『雪月花』とすることで、四季を共に過ごしたことがわかるのではないでしょうか。
そして、この恋の濃密さと儚さを感じることができるのです。
季節は移ろいゆくもの。
そんな風に、永遠ではない恋を表すものとして『雪月花』というタイトルがつけられたのかもしれません。
また、匂いも同様です。
いつか消えていくものだけど、今は必死にあなたの匂いを感じようとしている。
終わった恋を、儚く美しいものとして振り返り『雪月花』と表していると考えられます。
とても風情のある素敵なタイトルです。
「雪月花」が描く美しく儚い恋の記憶
ヤングスキニーの『雪月花』は、匂いをテーマに忘れられない恋の記憶を描いた楽曲です。部屋に指先に体に残ったあなたの匂いで、恋人と過ごした時間を想いだす、主人公のせつない感情が描かれています。
『雪月花』という四季を表すタイトルで、2人が過ごした時間を表現。
好きではなかった匂いを相手から感じることで好きになっていく。
恋によって自分の価値観が変わり、相手に染まっていく様子も描かれています。
恋の美しさ、儚さを描いたヤングスキニーの代表曲『雪月花』を、ぜひ聴いてみてください。