春は、厳しい冬が過ぎてウキウキした気持ちになると同時に、環境が変わるなど何かと心がゆらぐことが多い季節。
そんな春をテーマにした歌には、多くの懐かしい名曲があります。
春ソングを聞くといろいろな思い出がよみがえって、“あの頃”のように胸がキュンとしてしまいますよね。
この記事でわかること
懐かしい昭和の春歌6選
昭和歌謡やアイドルたちのヒット曲、シンガーソングライターによる名曲など、多くの有名曲がある昭和の春ソング。
昭和世代はもちろん、平成世代にとっても馴染みが深い曲も多いのではないでしょうか。
はじめに、懐かしい昭和の春うたを紹介します。
赤いスイートピー / 松田聖子
1982年にリリースされた松田聖子の「赤いスイートピー」は、彼女の代表曲の1つとして人気が高い、懐かしい春の歌です。
作曲は呉田軽穂こと松任谷由実で、この曲以降ユーミンは松田聖子に数々のヒット曲を提供しています。
恋する女の子の不安に揺れる気持ちと、うららかな春の光景がマッチして、初恋を経験した頃のみずみずしい気持ちになれる名曲。
2020年にリリースのアルバム「SEIKO MATSUDA 2020」には、この曲の英語バージョンが収録されているので、オリジナルと聴き比べてみてはいかがでしょうか。
春一番 / キャンディーズ
昭和の人気アイドルトリオ、キャンディーズの「春一番」は、3人の華やかな歌声とアップテンポな曲調で、春のワクワクしたムードで気分が上がる曲。
「もうすぐ春ですね ちょっと気取ってみませんか」など、キャッチーな歌詞が印象的な懐かしい春ソングです。
「春一番」は1975年リリースのアルバム「年下の男の子」の収録曲でしたが、翌年シングルカットされた後は、NHK紅白歌合戦でも歌われるほどの大ヒットソングになりました。
なごり雪 / イルカ
シンガーソングライター、イルカの柔らかい歌声が心にしみる「なごり雪」。
昭和の人気フォークグループ「かぐや姫」の楽曲のカバーとして、1975年にリリースされました。
春に遠い土地へと旅立つ恋人を、季節外れの雪の中で見送っている男性の寂しさが心にしみる、懐かしい春の歌です。
「なごり雪」は「名残惜しさ」と春の雪をかけた、作詞の伊勢正三の造語ですが、日本気象協会選定の「季節のことば36選」で、3月の言葉に選ばれるほど一般化しました。
いい日旅立ち / 山口百恵
昭和の伝説的アイドル、山口百恵の「いい日旅立ち」は、国鉄(現:JR)のキャンペーンソングとして制作されました。
「日本のどこかに私を待ってる人がいる」というメッセージ性の高いフレーズや、旅情をかきたてるドラマチックなメロディーが懐かしい春の歌です。
タイトルに「旅立ち」が入っているので、祝いの席で歌われる機会も多かったようですが、実は失恋ソングのため、作詞した谷村新司が困惑したというエピソードも残っています。
贈る言葉 / 海援隊
フォークグループ海援隊の「贈る言葉」は、武田鉄矢主演のテレビドラマ「3年B組金八先生」第1シリーズの主題歌に起用された春の歌です。
第2シリーズ以降も度々劇中歌として使われていたので、昭和世代には懐かしい思い出がつまった曲かもしれません。
ドラマのイメージがあるので卒業ソングの印象が強いのですが、実際は武田鉄矢自身が好きな女性にふられた体験を元にして作った失恋ソングだとか。
武田鉄矢自身によるセルフカバーなど、多くのアーティストにカバーされた春ソングです。
春なのに / 柏原芳恵
1983年にリリースされた柏原芳恵の「春なのに」は、心が華やぐ季節のはずなのに卒業で大好きな人と別れてしまう寂しさを歌った、せつない春の歌。
柏原芳恵の代表曲の1つで、卒業ソングとしても定番になっている懐かしい春ソングです。
楽曲を提供したのは中島みゆきで、彼女自身によるセルフカバーや徳永英明のカバーなど、多くのアーティストにカバーされました。
柏原芳恵のファンである天皇陛下も、この曲が大好きだそうです。
懐かしい90年代の春歌6選
舞い散る桜や卒業式、旅立ちなど、人々の心に鮮やかな記憶を残す春の風景。
1990年代は、そんな春の光景やイメージを描いたドラマの主題歌やCMソングが制作され、たくさんの人気春ソングが誕生しました。
次は90年代にヒットした、懐かしい春の歌を紹介しましょう。
空も飛べるはず / スピッツ
透明感のあるボーカルと懐かしい雰囲気のメロディで、数々のヒット曲がある人気バンド、スピッツ。
「空も飛べるはず」は、テレビドラマ「白線流し」の主題歌に起用された曲で、ドラマのイメージの影響で、卒業ソングの定番曲としても親しまれている春ソングです。
耳に残るイントロから始まるミディアムテンポの曲調や「きっと今は自由に空も飛べるはず」など期待を感じさせる歌詞が、春の心情にぴったりな曲です。
未来へ / Kiroro
沖縄出身の女性ユニットKiroroの「未来へ」は、未来への不安を抱える子供を励ますお母さんの優しさや、母への感謝の気持ちをテーマにした、感動的な春ソングです。
Kiroroの代表曲の1つで、インディーズ時代に既にシングルが発売されていたのですが、メジャーデビュー後に内容を変えて再びリリースされました。
勇気を与えてくれるような歌詞は、旅立つ卒業生や見送る在校生へのメッセージとして卒業ソングとして歌われることも多い歌です。
遠く遠く / 槇原敬之
槇原敬之の「遠く遠く」は、故郷から離れて頑張っている人から、懐かしい友へ向けたメッセージの形で新生活での心情を語る歌。
春に故郷を後にした日の思い出や、会いたくても会えない時の寂しさは、故郷を離れた人にとって共感を覚える曲でしょう。
収録アルバムは1992年リリースの「君は僕の宝物」で、シングルカットはされませんでしたが、槇原敬之が2度にわたってセルフカバーしました。
CMソングに起用されたりライブで歌われたりすることも多く、槇原敬之の曲の中でも特に知名度の高い曲です。
春よ、来い / 松任谷由実
1994年にリリースされた松任谷由実の「春よ、来い」は、同タイトルのNHK連続テレビドラマの主題歌に起用された春ソングです。
春の訪れを待ちわびる気持ちが、懐かしい和の心を感じさせる言葉を使って表現され、サビへとドラマチックに展開する曲調とともに人気を集め、大ヒットを記録しました。
CMソングやイベントのテーマ曲などで使われることもよくあり、学校の教科書に掲載されるほど日本の春の定番曲となった曲です。
恋せよ乙女〜Love story of ZIPANG〜 / ALI PROJECT
官能ゴシック、大和ロックなど、ユニークなジャンルの音楽を発表し、アニメやCMなどへの楽曲の提供でも有名な音楽ユニットALI PROJECT(アリプロ)。
「恋せよ乙女〜Love story of ZIPANG〜 」は、1992年にアリプロのデビュー曲としてリリースされた、日本の春の夜を感じさせるような曲です。
エキゾチックなメロディと「愛のジパング」「恋せよ乙女 咲きましょ桜」など和テイストの歌詞がマッチして、ミステリアスな春の世界観を堪能できるでしょう。
チェリー / スピッツ
1996年にリリースされたスピッツの「チェリー」は、歌詞に桜(チェリー)は出てこないのですが、春らしい曲調と歌詞がさわやかな季節にぴったりの懐かしい春ソングです。
キャンペーンソングやCMソングに度々起用されたことから、知名度が高くカラオケでもいろいろな世代の人に人気の曲。
福山雅治をはじめとした多くのアーティストにカバーされており、カバーしたアーティストを集めたイベント『COLORS OF CHERRY』が開催されたこともあります。
懐かしい2000年代の春歌6選
2000年代には、携帯や配信でさらに気軽に音楽を楽しめるようになり、音楽が多様性をもつ時代を迎えた中で、さまざまなジャンルから春うたのヒット曲が生まれました。
「春と言えばこの曲」と思えるような、春の定番曲もこの時代の曲が多いかもしれません。
最後は2000年代の懐かしい春の歌を紹介しましょう。
さくら / ケツメイシ
「桜の季節になると聴きたくなる」という人が多い、ケツメイシの「さくら」。
せつない恋の歌ですが、ラップのパートがクールでカラオケで挑戦してみたくなる歌です。
鈴木えみが出演したドラマ仕立ての美しいPVも話題になって、今も多くの人から愛されている春ソング。
「花びら舞い散る 記憶舞い戻る」の歌詞のように、環境や心情が変わっても、毎年美しく舞い散る桜を見るたびに、懐かしい思い出が昨日のように思えることってありますよね。
春の歌 / スピッツ
2005年にリリースされたスピッツの「春の歌」は、疾走感のあるメロディとインパクトのある歌詞が、ポジティブなエネルギーを与えてくれる春ソング。
リリース年の数年後にもCMソングに起用され、2017年に藤原さくらがカバーしたバージョンが映画「3月のライオン」後編の主題歌に起用されるなど、ロングヒットの人気曲です。
新生活への不安がある人や、冬の間にブルーな気持ちだった人にも「これから明るい春がやって来るよ」と背中を押してくれるような、優しい曲です。
CHE.R.RY / YUI
YUIの「CHE.R.RY 」は、好きな人との携帯メールのやり取り1つ1つにドキドキしている、可愛らしい女の子の気持ちを歌った春ソング。
携帯電話会社のCMソングにも起用されていました。
タイトルが「CHE.R.RY」なのは「CHERRY」よりも甘酸っぱい雰囲気があるから、そして「.R.」の形が甘酸っぱいさくらんぼぽく見えるからだとか。
この歌を聴くと、春に出会った人と始まった恋にキュンとしていた頃を思い出して、懐かしくなる人も多いでしょう。
さくら(独唱) / 森山直太朗
桜がタイトルに入っている曲はたくさんありますが、多くの世代の人の頭に浮かぶのは、森山直太朗の「さくら(独唱)」かもしれません。
アカペラから始まってピアノ演奏だけで伸びやかに歌い上げるMVのアレンジは、森山直太朗のライブだけでなく、合唱コンクールなどでもよく歌われています。
友との別れと再会の約束をテーマとしたこの曲は、卒業ソングとしても定番曲で、桜の季節になると耳にすることが多い定番の春ソングと言えるでしょう。
2019年にはテレビドラマ「同期のサクラ」の主題歌として、新しいアレンジ「さくら(二〇一九)」がリリースされました。
桜坂 / 福山雅治
2000年にリリースされた福山雅治の「桜坂」は、福山本人がデビュー前に東京都大田区の桜坂の近くに住んでいた当時の心境を思い出して作った歌。
男性がカラオケで好んで歌う曲としても人気の高い、懐かしい春ソングです。
歌詞に春は出てこないのですが、歌詞の「揺れる木漏れ日薫る桜坂 悲しみに似た薄紅色」のイメージや、温かみのある曲調から春を感じる人も多いでしょう。
3月9日 / レミオロメン
卒業ソングの定番となったレミオロメンの「3月9日」は、テレビドラマ『1リットルの涙』の挿入歌として起用され、合唱曲アレンジも登場した春の歌です。
ユニークなタイトルは、メンバーと仲の良い友達の結婚式が行われた日にちなんでつけられ、この曲も友達の結婚式のために作られた曲だそうです。
卒業式も結婚式同様、人生の節目に当たる大切な日なので、これからも新生活が始まる人たちへのメッセージとして、長く大切に歌い続けられていく春歌でしょう。
春の歌には懐かしい名曲がいっぱい!昭和から平成までの懐かしい曲を聴いてカラオケで歌ってみよう
卒業や進学、就職などの環境の変化、新生活への期待と不安の中、美しいピンクの桜が舞う風景など、春をテーマにした名曲はたくさんあります。
各世代でヒットした春の歌は、卒業ソングの定番となっている曲や、春になると聴きたくなる曲など、それぞれの強い思い入れを感じる歌が多いですね。
桜を愛でながら懐かしい春ソングを聴いたり、タイムリーにカラオケで歌ってみたりして、春の気分を満喫してみませんか。
この記事のまとめ!
- 出会いや別れ、新しい季節が訪れる春にはドラマチックな歌がいっぱい
- 昭和、平成を通して、桜ソングや卒業ソングの定番曲も多い
- 懐かしい春の歌をカラオケで歌って春の気分に浸ってみよう