アコースティックギターらしいサウンドが、気兼ねなく楽しめると話題のサイレントギター。
購入を考えているけれど、そもそもどんな楽器なのか、自分に合っているのかが分からないという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
サイレントギターとは?エレキギターとの違いは?
サイレントギターとは、弦を支えるパーツや電子部品を搭載した本体と、ギターの形を模したフレームで構成されたギターのことです。
弦の音を響かせるスペース(ボディ)がない構造ながらも、アコースティックギターのようなサウンドが気軽に楽しめるため、多くのプレイヤーから支持されています。
ストラトキャスターやレスポールといった一般的なエレキギターとの違いは、ピックアップ(マイク)のタイプと音の方向性。
エレキギターは「マグネチックピックアップ」というピックアップを搭載しており、サウンドもギターアンプを通すことを前提に考えられたものです。
対するサイレントギターが搭載しているのは「ピエゾピックアップ」。
こちらはアンプと接続できるアコギ「エレアコ」に搭載されるものと同じタイプで、よりアコギ感の強いサウンドが楽しめますよ。
どちらもエレキギターに分類されますが、ピックアップの種類や音の方向性が違うことを覚えておきましょう。
メリット
他のギターと異なる構造や、特徴を持っているサイレントギター。
この楽器には、普通のアコースティックギターにはないメリットがたくさんあります。
ここからは、サイレントギターならではのメリットを2つ紹介します。
音量が小さい
サイレントギターのメリットは、なんといっても音量(生音)が小さいこと。
もちろん若干の音は出ますが、普通のアコギの2割程度と小音量なので、近隣の住民や家族の迷惑になりにくいですよ。
音があまり響かないので、演奏を聴かれるのは恥ずかしいという人でも気軽に使えるでしょう。
ヘッドホンを使えばアコギのような音を楽しめるほか、ギターアンプに繋げば大きな音が出せるのもポイントです。
ただし、ピックを使ってガシガシ弾くとそれなりの音量が出るので、このような演奏をする際は窓や扉を閉める、時間帯に気をつけるなどの工夫をすることをおすすめします。
サイズがコンパクト
サイズがコンパクトなこともサイレントギターの魅力の1つです。
サイレントギターは、一般的なアコギよりもスリムかつ薄型な設計になっています。
さらに重量も軽いため、長時間の演奏や練習も快適です。
本体とフレームを分離させれば、コンパクトに収納できるのも魅力の1つ。
長時間弾いても疲れにくいギターが欲しい、運搬や収納が楽なギターが欲しい人は、このサイレントギターの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
デメリット
メリットの多いサイレントギターですが、実はデメリットもいくつかあります。
デメリットを理解しないまま購入してしまうと、思うように演奏を楽しめずトラブルが発生する可能性もあるので、事前に把握しておきましょう。
ここからは、サイレントギターのデメリットを紹介するので、購入を迷っている、後悔しないか不安な人はぜひ参考にしてみてくださいね。
普通のギターと比べて音色や音の出方が違う
サイレントギターのデメリットは、音色や音の出方が普通のアコギと違うことです。
これはサイレントギターがエレキギターやエレアコのように、ピックアップを使って音を出力する構造のため。
技術の発展によりサウンドの再現度は上がっていますが、やはり電気的なパーツ・ピックアップを使っているぶん、生楽器感の薄い音色になっています。
ノイズや音の出方に関しても、どちらかというとエレキギターやエレアコに近いため、本格的なアコギの音色、演奏感を求めている場合は不満を感じてしまうでしょう。
アコースティックギターと形が異なる
ボディのサイズ感や厚さが普通のアコースティックギターと異なることも、サイレントギターのデメリットの1つです。
極端に違うわけではありませんが、アコギよりもスリムな設計になっているぶん、弾き心地も若干変わってきます。
最適なフォームや鳴らし方も変わってくるので、普通のアコギの演奏に慣れている人は違和感を覚えるかもしれません。
練習のやり方によっては、アコギに持ち替えた際に、弾きにくさを感じてしまうことも。
慣れで解消できる問題ではありますが、やはり持ち替えの際に戸惑うことが多いのはデメリットといえるでしょう。
サイレントギターと普通のギターとの比較
サイレントギターと普通のアコースティックギターの主な違いは以下の4つです。
- 音量
- 重量
- 携帯性
- サウンド
サイレントギターはメリットでも紹介した通り、音量がアコギの2割程度です。
大きな音を出すためにはアンプが必要ですが、そのぶん生音が小さいので騒音トラブルを防止したいシーンではとくに活躍するでしょう。
重量や携帯性は、軽量かつコンパクトに収納できるサイレントギターのほうが優勢です。
サウンド面については好みにもよりますが、生楽器感を楽しみたいならアコギのほうが適しているでしょう。
演奏性に影響する「ネックの厚さ」や「指板の幅」は、どちらも近い数値なので違いはほとんどありません。
使う弦は、スチール弦タイプのサイレントギターであれば、普通のアコギと同じです。
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サイレントギターはYAMAHA(ヤマハ)・ARIA(アリア)がおすすめ
サイレントギターは、YAMAHA(ヤマハ)とARIA(アリア)のものがおすすめです。
どちらも日本のメーカー・ブランドで、コスパと品質に優れた製品を製造しているので、初心者でも安心して購入できますよ。
サウンドと演奏性を重視するなら、品質や音質の高さに定評のあるYAMAHAの製品。
価格の安さを重視したいなら、高コスパなARIAの製品を選ぶと良いでしょう。
もちろん海外メーカーの安いモデル、個性派モデルを選んでもOKですが、失敗のリスクを抑えたいならYAMAHAやARIAのモデルからチェックすることをおすすめします。
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初心者向け|サイレントギターの選び方
おすすめのメーカー・ブランドは分かったけれど、どのモデルを選べば良いか今ひとつイメージできない人も多いのではないでしょうか?
サイレントギターの購入が初めてだったり、ギター初心者だったりすると、何を基準に選べば良いか分からないものですよね。
そこで次は、サイレントギターの選び方を紹介します。
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持ち運ぶなら耐久性で決める
持ち運びでの利用を考えている、スタジオ練習やライブに使う予定なら、耐久性が高いものがおすすめです。
耐久性が高いと比較的壊れにくいので、演奏や運搬時のストレスも少ないでしょう。
耐久性の高さに関しては「商品説明に『耐久性が高い構造を採用している』との記載があるか」「価格が安すぎないか」を確認して判断するのがおすすめ。
あわせて、通販サイトの口コミや情報サイトのレビューをチェックすれば、高耐久なモデルが見つけられるでしょう。
利便性を求めるならフレームが着脱可能かで決める
サイレントギターを選ぶときには、フレームが着脱可能かもチェックしましょう。
フレームが着脱できるものなら、分解するだけでコンパクトに収納できます。
専用ケースもかさばりにくいサイズ感なので、荷物が多くなりがちな旅行や出張にも気軽に持っていけるでしょう。
細かな部分の掃除がスムーズに行えるのもポイント。
自宅での使用がメインの場合はそこまで気にする必要はありませんが、携帯性に優れた商品が欲しいなら、着脱可能なモデルを選んでみてくださいね。
電源の種類で選ぶ
サイレントギターを選ぶときにぜひチェックしておきたい項目が、電源の種類です。
機能や音質と比べるとあまり目立たない要素ですが、使い心地やコストに影響するため、できるだけチェックしておきましょう。
ここからは、サイレントギターの電源の種類を、それぞれのメリットや特徴と共に紹介します。
価格が気になるなら「単3乾電池・9V電池」モデル
価格を気になるなら「単3乾電池・9V電池」で駆動するサイレントギターを選びましょう。
電池を交換する手間は必要となりますが、本体の価格が安い傾向があるので、初期費用も抑えやすいですよ。
とくに海外メーカーの電池のみで駆動するモデルの中には、格安のモデルもあるので費用を抑えたい人は要チェックです。
価格は若干上がりますが、電池とACアダプターの両方で駆動するタイプもあるので、利便性を重視するならこちらもチェックしてみてくださいね。
電池の交換が面倒くさいなら「バッテリー」モデル
電池の交換の手間をなくしたいなら「バッテリー」モデルがおすすめ。
バッテリーモデルとは、充電可能なバッテリーを搭載したタイプで、代表的なモデルにEnyaのスマートオーディオギター「NEXG」があります。
Type-C充電ケーブルや専用充電器を使って手軽に充電できるので、電池交換が面倒な人でも快適に使えるはず。
価格はやや高めですが、気軽に使えて機能性にも優れたものが欲しいなら、バッテリータイプを選んでみてはいかがでしょうか?
自分の好きなデザインを選ぶ
デザインもサイレントギターを選ぶときの重要なポイントです。
演奏性や音質には影響しない要素ではありますが、やはり自分好みのデザインの楽器のほうがより楽しく演奏できます。
また、楽器に触れる時間も自然と増えるので、上達にもつながるでしょう。
シンプルなデザインものから、先進的なルックスものまで様々なモデルがあるので、ぜひ色々とチェックして好みの1本を見つけてみてくださいね。
サイレントギターの初心者セットやおすすめモデル4選!
選び方は分かったけれど、どのモデルがおすすめなのか、人気なのか分からない人も多いでしょう。
そこで最後に、サイレントギターのおすすめ商品を紹介します。
初心者でも気軽に購入できるセット商品を中心に紹介しているので、ぜひ購入の参考にしてみてくださいね。
YAMAHA / サイレントギター初心者入門 すぐに練習できる納得の18点セット SLG200S/NT
サイレントギターと演奏に必要なアクセサリ、メンテナンス用品、教則本・DVD、専用アダプターがセットになった、初心者におすすめの商品です。
必要なものが一通り揃っているので、届いたその日から演奏を楽しめます。
サイレントギターはYAMAHAの人気モデル「SLG200S」のナチュラルカラー。
こちらは独自技術「SRTパワードピックアップシステム」を搭載したモデルで、リアルなアコギサウンドを実現しています。
高品質なアコギサウンドが楽しめるので、音質にこだわりたい人でも快適に演奏できますよ。
ACアダプターと電池の両方で駆動できたり、チューナーやエフェクトも搭載していたりと、機能面が充実しているのもポイントです。
高品質なサイレントギターと、必要なものがセットになった商品の購入を考えている人は、ぜひこちらの商品をチェックしてみてくださいね。
YAMAHA サイレントギター初心者入門 すぐに練習できる納得の18点セット SLG200S/TBS(タバコブラウンサンバ...
YAMAHA / SLG200S TBL サイレントギター初心者14点セット
人気モデルYAMAHA・SLG200Sにメンテナンス用品やACアダプター、ストラップ、専用ケース、スタンド、ピックなどが付属した初心者セットです。
先程の18点セットと似ていますが、こちらは指板潤滑剤と接点復活剤、教則DVD、教則本が付いていません。
また、ニッパーの代わりに、弦交換に使うストリングワインダー、ヘッドホンの代わりにイヤホンと若干内容が異なり、スタンドのタイプも少し違っています。
選ぶときには、どちらが自分に合っているか、しっかりと検討すると良いでしょう。
とりあえず全部揃えたいなら18点セット、自分好みの教材で学びたい、使用頻度の低いメンテナンス用品は不要という人には、こちらの14点セットがおすすめです。
YAMAHA / SLG200S ACアダプター&カポつき7点セット
サイレントギターに専用ACアダプターと専用ソフトケース、イヤホン、保証書、カポ、電池が付属したセット商品です。
ギター本体には、優れた耐久性と機能性、音質を兼ね備えたYAMAHA・SLG200Sが採用されています。
高品質なサイレントギターと必要最小限の小物がセットになった商品なので、ストラップやスタンド、ピックなどは好きなものを使いたいという人にピッタリ。
また、価格も小物が充実したセット商品よりお手頃なので、出費を抑えたい人にもおすすめです。
ARIA / AS-101S
ARIAの「AS-101S」はお手頃な価格ながらも、安定した品質を実現した高コスパモデルです。
高音弦側のフレームと低音弦側のフレームの両方が外せるのが特徴。
とてもコンパクトに収納できるのでスタジオ練習用のギターとしてはもちろん、トラベルギターとしても活躍します。
また、エフェクトを3種類搭載しているほか、高音域と低音域の調節もできるので幅広いサウンドメイクが楽しめますよ。
現在は中古での流通のみとなっていますが、高コスパなサイレントギターが欲しい人はぜひチェックしてみてくださいね。
サイレントギターは音量が小さくて家でも練習しやすい!初心者セットから始めてみよう
サイレントギターは、家でもアコギの練習をしたい、気軽にアコギサウンドを楽しみたい人にピッタリのギターです。
生音がとても小さいだけでなく、ヘッドホンやアンプを使えば本格サウンドも楽しめるので快適に練習できますよ。
音を共鳴させるボディを持たないため、スタジオ練習やライブなどの大音量で演奏するシーンでもハウリングが起こりにくいのも魅力の1つ。
気になる人はぜひ手に入れて、その魅力を体験してみてくださいね。
これからギターを始めるのであれば、必要なものが揃った初心者セットがおすすめですよ。
この記事のまとめ!
- サイレントギターとは本体とフレームで構成された、ボディのないギターのこと
- サイレントギターのメリットは音量の小ささと、取り回しの良さ
- 普通のアコギとサウンドや弾き心地が若干違うのが、サイレントギターのデメリット
- サイレントギターは耐久性や構造、電池の種類に注目して選ぼう
- はじめてギターを購入する人には初心者セットがおすすめ