湯気ゆげに隠かくれて かかり湯ゆが
足あしにこぼれて 帯おびになる
あなた忘わすれる 術すべもなく
秋あきがしずかに 背中せなかを行いき過すぎる
せめて一いち夜ひとよを 私わたしに欲ほしい
夢ゆめは越前えちぜん 恋こい紬つむぎ
言葉ことばしゃべれぬ 雀すずめさえ
声こえをしぼって 啼なきじゃくる
肌はだの火照ほてりが ある内うちに
あなた今いますぐ 私わたしを抱だきにきて
ひとり暦こよみを ひもときながら
夢ゆめは越前えちぜん 雨あめまじり
墨絵すみえぼかしで 夜よるが更ふけて
あたり一面いちめん 闇やみばかり
合あわせ鏡かがみで くちべにを
引ひけば尚更なおさら あなたに逢あいたくて
せめてお酒さけを つがせて欲ほしい
夢ゆめは越前えちぜん 膝ひざまくら
湯気yugeにni隠kakuれてrete かかりkakari湯yuがga
足ashiにこぼれてnikoborete 帯obiになるninaru
あなたanata忘wasuれるreru 術subeもなくmonaku
秋akiがしずかにgashizukani 背中senakaをwo行iきki過suぎるgiru
せめてsemete一ichi夜hitoyoをwo 私watashiにni欲hoしいshii
夢yumeはha越前echizen 恋koi紬tsumugi
言葉kotobaしゃべれぬsyaberenu 雀suzumeさえsae
声koeをしぼってwoshibotte 啼naきじゃくるkijakuru
肌hadaのno火照hoteりがriga あるaru内uchiにni
あなたanata今imaすぐsugu 私watashiをwo抱daきにきてkinikite
ひとりhitori暦koyomiをwo ひもときながらhimotokinagara
夢yumeはha越前echizen 雨ameまじりmajiri
墨絵sumieぼかしでbokashide 夜yoruがga更fuけてkete
あたりatari一面ichimen 闇yamiばかりbakari
合aわせwase鏡kagamiでde くちべにをkuchibeniwo
引hiけばkeba尚更naosara あなたにanatani逢aいたくてitakute
せめておsemeteo酒sakeをwo つがせてtsugasete欲hoしいshii
夢yumeはha越前echizen 膝hizaまくらmakura