私わたしの生うまれたその町まちに
とても大おおきな操車場そうしゃじょうと空そらがありました
朝あさから晩ばんまで機関きかん車しゃが
煙けむりを吐はいて貨車かしゃを繋つなぎます
幾重いくえにも重かさなる線路せんろの波なみと
煙突えんとつの向むこうの夕陽ゆうひと
母かあさんの裾すそを握にぎりしめ
歩あるいた市場いちばのざわめき
ああ、長ながい長ながい貨車かしゃのよう
人ひとも荷物にもつも時ときも運はこんで
もう、いないいないばあの町まち
みんな何処どこへ消きえたの
北きたへ南みなみへ 貨車かしゃは向むかう
積つまれてゆく荷物にもつはみな人ひとの許もとへゆく
「トキ、トキ、トラ、タキ」友達ともだちと
声こえを出だして読よんだ帰かえり路みち
冬ふゆの夜更よふけに聞きく汽笛きてきの音おとは
いつもより遠とおくへ響ひびいた
今いまもまだ 真冬まふゆの夜よるには
心こころが 耳みみを澄すましてる
ああ、永ながい永ながい夢ゆめのよう
線路せんろを辿たどり戻もどれるのなら
もう、いないいないばあの日々ひび
汽笛きてきだけが聞きこえる
ああ、長ながい長ながい貨車かしゃのよう
きっと私わたしも運はこばれたのね
もう、いないいないばあの町まち
みんな何処どこへ消きえたの
私watashiのno生uまれたそのmaretasono町machiにni
とてもtotemo大ooきなkina操車場sousyajouとto空soraがありましたgaarimashita
朝asaからkara晩banまでmade機関kikan車syaがga
煙kemuriをwo吐haいてite貨車kasyaをwo繋tsunaぎますgimasu
幾重ikueにもnimo重kasaなるnaru線路senroのno波namiとto
煙突entotsuのno向muこうのkouno夕陽yuuhiとto
母kaaさんのsanno裾susoをwo握nigiりしめrishime
歩aruいたita市場ichibaのざわめきnozawameki
ああaa、長nagaいi長nagaいi貨車kasyaのようnoyou
人hitoもmo荷物nimotsuもmo時tokiもmo運hakoんでnde
もうmou、いないいないばあのinaiinaibaano町machi
みんなminna何処dokoへhe消kiえたのetano
北kitaへhe南minamiへhe 貨車kasyaはha向muかうkau
積tsuまれてゆくmareteyuku荷物nimotsuはみなhamina人hitoのno許motoへゆくheyuku
「トキtoki、トキtoki、トラtora、タキtaki」友達tomodachiとto
声koeをwo出daしてshite読yoんだnda帰kaeりri路michi
冬fuyuのno夜更yofuけにkeni聞kiくku汽笛kitekiのno音otoはha
いつもよりitsumoyori遠tooくへkuhe響hibiいたita
今imaもまだmomada 真冬mafuyuのno夜yoruにはniha
心kokoroがga 耳mimiをwo澄suましてるmashiteru
ああaa、永nagaいi永nagaいi夢yumeのようnoyou
線路senroをwo辿tadoりri戻modoれるのならrerunonara
もうmou、いないいないばあのinaiinaibaano日々hibi
汽笛kitekiだけがdakega聞kiこえるkoeru
ああaa、長nagaいi長nagaいi貨車kasyaのようnoyou
きっとkitto私watashiもmo運hakoばれたのねbaretanone
もうmou、いないいないばあのinaiinaibaano町machi
みんなminna何処dokoへhe消kiえたのetano