助手席じょしゅせきの窓まどから一目ひとめ覗のぞいた
観覧車かんらんしゃがきれいだった
今年ことし最後さいごの花火はなびのようだった
「乗のりたい」という君きみに頷うなずく僕ぼくに
工事こうじの看板かんばんの彼かれが
深ふかく頭あたまを下さげていた
優やさしいだけが優やさしさじゃないとどこかで分わかるのに
それでも優やさしさばかり追おっている
少すこし寒さむくなってきたね
また長ながい冬ふゆがくるね
「きれいだったこの夜よる景けいも
朝あさが来くれば違ちがう顔かおだ
今いまの僕ぼくらと似にているように見みえない?
観覧車かんらんしゃは昇のぼって あとは落おちてくだけだ」
とは言いわずに抱だき寄よせてキスをした
カラオケで上辺うわべだけを見みせ合あった
こういう場ばは苦手にがてで誤魔化ごまかしていた
知しらない曲きょくにタンバリンが鳴なっていた
必要ひつようないものにすら必要ひつようとされたかった僕ぼくは
必要ひつようのない相槌あいづちを打うっていた
一人ひとりの部屋へやでは針はりを突つき刺さして
たまに傷口きずぐちを開ひらいてた
優やさしい悶絶もんぜつ 特別とくべつだったから
痛いたくないと分わからなかった
この傷きずが見みえないように
もっと近ちかづいてきてよ
この傷きずが見みえるのなら
そこだけを舐なめてみてよ
「本当ほんとうはもう気付きづいてるよ
あなたは傷きずも痛いたみも知しらない
悲劇ひげきを気取きどって教おしえて欲ほしいのよ
このゴンドラから観覧車かんらんしゃは見みえないじゃない」
窓まどに映うつる真逆まぎゃくの君きみが話はなす
僕ぼくらの花火はなびが散ちって
ふと振ふり返かえるともう
観覧車かんらんしゃは真まっ黒くろの鉄てつだった
助手席josyusekiのno窓madoからkara一目hitome覗nozoいたita
観覧車kanransyaがきれいだったgakireidatta
今年kotoshi最後saigoのno花火hanabiのようだったnoyoudatta
「乗noりたいritai」というtoiu君kimiにni頷unazuくku僕bokuにni
工事koujiのno看板kanbanのno彼kareがga
深fukaくku頭atamaをwo下saげていたgeteita
優yasaしいだけがshiidakega優yasaしさじゃないとどこかでshisajanaitodokokade分waかるのにkarunoni
それでもsoredemo優yasaしさばかりshisabakari追oっているtteiru
少sukoしshi寒samuくなってきたねkunattekitane
またmata長nagaいi冬fuyuがくるねgakurune
「きれいだったこのkireidattakono夜yoru景keiもmo
朝asaがga来kuればreba違chigaうu顔kaoだda
今imaのno僕bokuらとrato似niているようにteiruyouni見miえないenai?
観覧車kanransyaはha昇noboってtte あとはatoha落oちてくだけだchitekudakeda」
とはtoha言iわずにwazuni抱daきki寄yoせてseteキスkisuをしたwoshita
カラオケkaraokeでde上辺uwabeだけをdakewo見miせse合aったtta
こういうkouiu場baはha苦手nigateでde誤魔化gomakaしていたshiteita
知shiらないranai曲kyokuにniタンバリンtanbarinがga鳴naっていたtteita
必要hitsuyouないものにすらnaimononisura必要hitsuyouとされたかったtosaretakatta僕bokuはha
必要hitsuyouのないnonai相槌aiduchiをwo打uっていたtteita
一人hitoriのno部屋heyaではdeha針hariをwo突tsuきki刺saしてshite
たまにtamani傷口kizuguchiをwo開hiraいてたiteta
優yasaしいshii悶絶monzetsu 特別tokubetsuだったからdattakara
痛itaくないとkunaito分waからなかったkaranakatta
このkono傷kizuがga見miえないようにenaiyouni
もっとmotto近chikaづいてきてよduitekiteyo
このkono傷kizuがga見miえるのならerunonara
そこだけをsokodakewo舐naめてみてよmetemiteyo
「本当hontouはもうhamou気付kiduいてるよiteruyo
あなたはanataha傷kizuもmo痛itaみもmimo知shiらないranai
悲劇higekiをwo気取kidoってtte教oshiえてete欲hoしいのよshiinoyo
このkonoゴンドラgondoraからkara観覧車kanransyaはha見miえないじゃないenaijanai」
窓madoにni映utsuるru真逆magyakuのno君kimiがga話hanaすsu
僕bokuらのrano花火hanabiがga散chiってtte
ふとfuto振fuりri返kaeるともうrutomou
観覧車kanransyaはha真maっxtu黒kuroのno鉄tetsuだったdatta