明治一代女 歌詞
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浮うかれ柳やなぎの はずかしや
人目ひとめしのんで 小舟こぶねを出だせば
すねた夜風よかぜが 邪魔じゃまをする
怨うらみますまい この世よの事ことは
仕掛しかけ花火はなびに 似にた命いのち
もえて散ちる間あいだに 舞台ぶたいが変かわる
まして女おんなは なおさらに
意地いじも人情にんじょうも 浮世うきよにゃ勝かてぬ
みんなはかない 水みずの泡あわ沫あわ
泣ないちゃならぬと 言いいつつ泣ないて
月つきにくずれる 影法師かげぼうし
馬骨
2022/04/17 05:01
花街の愛のカタチであるが、粋な歌である・・浮かれ柳が小船を出せば拗ねた夜風が邪魔をする・・恨みますまいこの世のことは仕掛け花火に似た命、燃えて散る間に舞台は変わる、まして女はなおさらに・・男の行くところではあるが内実は女の世界でありその生きざまである・・泣いちゃならぬと言いつつ泣いて月に崩れる影法師・・女が思わず膝を折るのである・・男は手を貸してやることさえ出来ない粋筋の話である・・