隠桜 歌詞 ASAGI ふりがな付

此処ここや何処いどこ 我われは誰たそ 寒さむしや
雨あめもよに佇たたずみ歩ありく 為せむ方かた無なし

何なにも思おもひ出いでず ただ咲さき出いでたる花はな 懐なつかし

然されど心こころに背そむき 血ちはこの身みに染しみ着つく 太刀たちを抜ぬきて打うちければ
折々おりおりに消きえ入いる 我わが空蝉うつせみの性せいはよもや返かえるまい

落おち失しっする勢いきおいをも逃のがすべき様さま無なし 誰たれも止とどみかねつも

隠桜おぬざくら花はな笑えみの至いたりて狂きょうせるか 笑わらはば笑わらへ いで
恋衣こいごろも魂たま合ごうふべきことの限かぎりある世よならねば 我われ 望のぞみて鬼おにとなるらむ

雨あめも涙なみだも血ちも降ふり濡そぼつ 如何いかでも生いきたし

逢あはむ日ひを今日きょうと知しらず 待まち嘆なげかるるに君きみ 花はなに思おもひ言寄ことよせて
消きえ失うせども妙たへなる妖ようとなりてまた此方こなたへ現あらわる

恋こひ恋こひて出いで逢あふ 花はなは移うつろへど 心こころのみ常世とこよなり

隠桜おぬざくら 花はな笑えみの至いたりて狂きょうせるか 笑わらはば笑わらへ いで
恋衣こいごろも 魂たま合ごうふべきことの限かぎりある世よならねば 我われ 望のぞみて鬼おにとなるらむ

今いまは如何いかで我われらは人ひとに非あらず 巡めぐらひなむ 死しをも恐おそれず 何時いつと無なし