子連こづれのおひとに 声こえかけられて
道みちを聞きかれりゃ 俺おれの里さと
帰かえるつもりは さらさらないが
ついてきなせえ 途中とちゅうまで
言いって見上みあげる 藤枝ふじえだもみじ
子供こどもがなついて 離はなれやしない
鬼おにだ鬼おにだと すごんでも
笑わらうばかりで こわがりゃしない
叱しかる母親ははおや さえぎって
死しんだ倅せがれに 坊ぼうやは似にてる
山桃やまもも赤あからみ 滝たき音おと瀬音せおと
五ご年ねんぶりだぜ 俺おれの里さと
なぜか涙なみだが ほろほろ落おちる
袖そでで隠かくして お達者たっしゃで
踵きびす返かえせば 藤枝ふじえだしぐれ
子連koduれのおひとにrenoohitoni 声koeかけられてkakerarete
道michiをwo聞kiかれりゃkarerya 俺oreのno里sato
帰kaeるつもりはrutsumoriha さらさらないがsarasaranaiga
ついてきなせえtsuitekinasee 途中tochuuまでmade
言iってtte見上miaげるgeru 藤枝fujiedaもみじmomiji
子供kodomoがなついてganatsuite 離hanaれやしないreyashinai
鬼oniだda鬼oniだとdato すごんでもsugondemo
笑waraうばかりでubakaride こわがりゃしないkowagaryashinai
叱shikaるru母親hahaoya さえぎってsaegitte
死shiんだnda倅segareにni 坊bouやはyaha似niてるteru
山桃yamamomo赤akaらみrami 滝taki音oto瀬音seoto
五go年nenぶりだぜburidaze 俺oreのno里sato
なぜかnazeka涙namidaがga ほろほろhorohoro落oちるchiru
袖sodeでde隠kakuしてshite おo達者tassyaでde
踵kibisu返kaeせばseba 藤枝fujiedaしぐれshigure