ひとつ越こえても またひとつ
よされ世よ去されと 吹ふきつける
生うまれ九ここのつ 凍こごえる指ゆびに
無情峠むじょうとうげの 雪ゆき礫つぶて
じょんから じょんから
三味しゃみを抱かかえて 撥ばちを打うつ
見みえぬ目めだとて 容赦ようしゃなく
母ははが教おしえた 針はりと糸いと
何なんで無ない目めに 涙なみだが落おちる
出来できぬと言いえば 飯めしを抜ぬく
じょんから じょんから
喉のどのつぶれた 声こえで泣なく
今度こんど生うまれて 来くるときは
たとえ虫むしでも 目めが欲ほしい
ついて行いきます 親方おやかた様さまに
瞽女ごぜの道行みちゆき 修行しゅぎょう旅たび
じょんから じょんから
腰こしにゃ命いのちの にぎり飯めし
ひとつhitotsu越koえてもetemo またひとつmatahitotsu
よされyosare世yo去saれとreto 吹fuきつけるkitsukeru
生uまれmare九kokonoつtsu 凍kogoえるeru指yubiにni
無情峠mujoutougeのno 雪yuki礫tsubute
じょんからjonkara じょんからjonkara
三味syamiをwo抱kakaえてete 撥bachiをwo打uつtsu
見miえぬenu目meだとてdatote 容赦yousyaなくnaku
母hahaがga教oshiえたeta 針hariとto糸ito
何nanでde無naいi目meにni 涙namidaがga落oちるchiru
出来dekiぬとnuto言iえばeba 飯meshiをwo抜nuくku
じょんからjonkara じょんからjonkara
喉nodoのつぶれたnotsubureta 声koeでde泣naくku
今度kondo生uまれてmarete 来kuるときはrutokiha
たとえtatoe虫mushiでもdemo 目meがga欲hoしいshii
ついてtsuite行iきますkimasu 親方oyakata様samaにni
瞽女gozeのno道行michiyuきki 修行syugyou旅tabi
じょんからjonkara じょんからjonkara
腰koshiにゃnya命inochiのno にぎりnigiri飯meshi