一宿一飯いっしゅくいっぱん 渡世とせいの義理ぎりで
斬きった相手あいてに 頼たのまれやした
鴻巣こうのす宿じゅくから 熊谷くまがやへ
送おくる道中どうちゅう 母子ははこの旅たびは
涙なみだ隠かくしの 三度笠さんどがさ
あれが沓掛くつかけ 時次郎ときじろう
好すいちゃあいけねえ 好すかれちゃならぬ
しょせんこの世よじゃ 結むすばれやせん
嫌きらいなふりする しかめつら
義理ぎりと人情にんじょう 天秤てんびんはかりゃ
義理ぎりが重おもたい 渡世人とせいにん
あれが沓掛くつかけ 時次郎ときじろう
助すけっ人と稼業かぎょうは 長脇差ながどす頼だより
斬きって稼かせいだ 命いのちの綱つなを
韋駄天いだてん走ばしりも 間まに合あわず
なぜにおいらを 待まっててくれぬ
おきぬ亡骸なきがら ひしと抱だく
あれが沓掛くつかけ 時次郎ときじろう
一宿一飯issyukuippan 渡世toseiのno義理giriでde
斬kiったtta相手aiteにni 頼tanoまれやしたmareyashita
鴻巣kounosu宿jukuからkara 熊谷kumagayaへhe
送okuるru道中douchuu 母子hahakoのno旅tabiはha
涙namida隠kakuしのshino 三度笠sandogasa
あれがarega沓掛kutsukake 時次郎tokijirou
好suいちゃあいけねえichaaikenee 好suかれちゃならぬkarechanaranu
しょせんこのsyosenkono世yoじゃja 結musuばれやせんbareyasen
嫌kiraいなふりするinafurisuru しかめつらshikametsura
義理giriとto人情ninjou 天秤tenbinはかりゃhakarya
義理giriがga重omoたいtai 渡世人toseinin
あれがarega沓掛kutsukake 時次郎tokijirou
助sukeっxtu人to稼業kagyouはha 長脇差nagadosu頼dayoりri
斬kiってtte稼kaseいだida 命inochiのno綱tsunaをwo
韋駄天idaten走bashiりもrimo 間maにni合aわずwazu
なぜにおいらをnazenioirawo 待maっててくれぬttetekurenu
おきぬokinu亡骸nakigara ひしとhishito抱daくku
あれがarega沓掛kutsukake 時次郎tokijirou