春雷のあとで… 歌詞 谷村新司 ふりがな付

時ときは五月さつき 花はな咲さく街角まちかど
浮うかれて流ながれる 車くるまの河かわ
夏なつを告つげる 気きまぐれ五月雨さみだれ
急いそぎ足あし人ひとは 雨あめを避さけながら
稲妻いなずま駈かけ抜ぬける 夕暮ゆうぐれの空そら
耳みみをふさいだ 貴方あなたの肩越かたごしに
濡ぬれた指先ゆびさき 手てに霞草かすみそう
時ときは五月さつき 夏なつはすぐそこに…

時ときは九月くがつ 色いろづく街角まちかど
冬ふゆの訪おとずれ 知しらせる風かぜ達たち
いつだって貴方あなたは 何なにも話はなしてくれないまま
私わたしを置おき去ざりに 歩あるき始はじめてゆく
何なにかを求もとめゆく 終おわりへの旅たびは
それに気きづいていた 本当ほんとうよ私わたしは
悲かなしいくらいにやさしいはずの貴方あなた
時ときは九月くがつ いつしか落葉おちば時どき

時ときは五月さつき 夢ゆめ去さりし街角まちかど
変かわらぬ景色けしきに行いきかう人波ひとなみ
悲かなしい目めをした 人間にんげんばかりが
ぬくもり求もとめてすれちがう中なか
疲つかれすぎた足あし 傷きずついた心こころ
どこへもやりばのないむなしさよ
せめたりしないわ 貴方あなたのことは
求もとめたりしないわ 小ちいさななぐさめなんて