「薄ら氷心中」の歌詞 昭和元禄落語心中 ED
- 林原めぐみ
- 2016.2.3 リリース
- 作詞
- 椎名林檎
- 作曲
- 椎名林檎
- 文字サイズ
- ふりがな
- ダークモード
「直視ちょくしに耐たいへない。」とでも云いふのでせう。だうせ。ぢやあ
一体いったい誰だれよ。こんな女おんなにしたのは誰だれ。
ねえ、待まつてゐたんだよ追おつて来きてくれるのをずつと。
やつと会あへたつてのに抱だいてもくれないのか。一寸ちょっと。あゝああ
人生じんせいご破算はさん。お前まえさんあんたの所為せいだつて。
分わかんないの。仕合しあわせつて何なに。何どれが其それだつてのよ。
面倒臭めんどうくさいわ。脳味噌のうみそも腸わたもばら撒まいて見みせやうか。骨ほねの髄ずい
まで染そめ抜ぬかれた女おんなをご覧らんなさい。
好すきよ大好だいすき、皆みんなあんたに上あげる。いゝえ。嫌きらひ大だい嫌きらひ
よ、矢やつ張ぱり返かえして今いま直すぐ。なんて。まう遅おそいわ南無三なむさん。
お前まえさんで出来できてんだ、全部ぜんぶ。
分わかつてんの。仕合しあわせも、不幸ふこうも、刻一刻こくいっこく消きえ失うせる。
冷ひやこいやうで温あったかいこの手てが、味あじわひ尽つくしたわ。これ
以上いじょうは何なんにも無ないと思おもふの。憎にくく可愛かわいい人ひとよ。痛いたいやうで
気持きもち良よいお別わかれよ。過すぎ去さつたあの日々ひび。留とどめてゐるまゝまま
の生命いのちごと終おはらせて仕舞しまひたい。
薄うすらいで行いくわ。私わたしは独ひとり法師ぼっち。