「古ふるい奴やつだとお思おもいでしょうが、
古ふるい奴やつこそ新あたらしいものを
欲ほしがるもんでございます。
どこに新あたらしいものがございましょう。
生うまれた土地とちは荒あれ放題ほうだい、
今いまの世よの中なか、
右みぎも左ひだりも真まっ暗闇くらやみじゃござんせんか」
何なにから何なにまで 真まっ暗闇くらやみよ
すじの通とおらぬ ことばかり
右みぎを向むいても 左ひだりを見みても
ばかと阿呆あほの からみあい
どこに男おとこの 夢ゆめがある
「好すいた惚ほれたと、けだものごっこが
罷まかり通とおる世よの中なかでございます。
好すいた惚ほれたは、
もともと「こころ」が決きめるもの…
こんなことを申もうし上あげる私わたしも、
やっぱり古ふるい人間にんげんでござんしょうかね」
ひとつの心こころに 重かさなる心こころ
それが恋こいなら それもよし
所詮しょせんこの世よは 男おとこと女おんな
意地いじに裂さかれる 恋こいもあり
夢ゆめに消けされる 意地いじもある
「なんだかんだと
お説教せっきょうじみたことを申もうして
参まいりましたが、そういう私わたしも
日陰ひかげ育そだちのひねくれ者もの、
お天道様てんとさまに背中せなかを向むけて歩あるく
…馬鹿ばかな人間にんげんでございます」
真まっ平ぴらご免めんと 大手おおでを振ふって
歩あるきたいけど 歩あるけない
嫌いやだ嫌いやです お天道様てんとさまよ
日陰ひかげ育そだちの 泣なきどころ
明あかるすぎます 俺おれらには
「古furuいi奴yatsuだとおdatoo思omoいでしょうがidesyouga、
古furuいi奴yatsuこそkoso新ataraしいものをshiimonowo
欲hoしがるもんでございますshigarumondegozaimasu。
どこにdokoni新ataraしいものがございましょうshiimonogagozaimasyou。
生uまれたmareta土地tochiはha荒aれre放題houdai、
今imaのno世yoのno中naka、
右migiもmo左hidariもmo真maっxtu暗闇kurayamiじゃござんせんかjagozansenka」
何naniからkara何naniまでmade 真maっxtu暗闇kurayamiよyo
すじのsujino通tooらぬranu ことばかりkotobakari
右migiをwo向muいてもitemo 左hidariをwo見miてもtemo
ばかとbakato阿呆ahoのno からみあいkaramiai
どこにdokoni男otokoのno 夢yumeがあるgaaru
「好suいたita惚hoれたとretato、けだものごっこがkedamonogokkoga
罷makaりri通tooるru世yoのno中nakaでございますdegozaimasu。
好suいたita惚hoれたはretaha、
もともとmotomoto「こころkokoro」がga決kiめるものmerumono…
こんなことをkonnakotowo申mouしshi上aげるgeru私watashiもmo、
やっぱりyappari古furuいi人間ningenでござんしょうかねdegozansyoukane」
ひとつのhitotsuno心kokoroにni 重kasaなるnaru心kokoro
それがsorega恋koiならnara それもよしsoremoyoshi
所詮syosenこのkono世yoはha 男otokoとto女onna
意地ijiにni裂saかれるkareru 恋koiもありmoari
夢yumeにni消keされるsareru 意地ijiもあるmoaru
「なんだかんだとnandakandato
おo説教sekkyouじみたことをjimitakotowo申mouしてshite
参maiりましたがrimashitaga、そういうsouiu私watashiもmo
日陰hikage育sodaちのひねくれchinohinekure者mono、
おo天道様tentosamaにni背中senakaをwo向muけてkete歩aruくku
…馬鹿bakaなna人間ningenでございますdegozaimasu」
真maっxtu平piraごgo免menとto 大手oodeをwo振fuってtte
歩aruきたいけどkitaikedo 歩aruけないkenai
嫌iyaだda嫌iyaですdesu おo天道様tentosamaよyo
日陰hikage育sodaちのchino 泣naきどころkidokoro
明akaるすぎますrusugimasu 俺oreらにはraniha