かぜさそふ はなよりもなほ われはまた
ならぬ堪忍かんにん 耐たえてこそ
武門ぶもんの意地いじも 立瀬たつせ川がわ
今いまはこれまで この一太刀ひとたちを
吉良きら殿どのお受うけ 候そうらえや
吾われ桜木さくらぎの 花はなと散ちる
殿中でんちゅうにての刃傷沙汰にんじょうざたは 罪つみ萬ばん死しに値あたいすること
この内匠頭たくみのかみ 重々じゅうじゅう承知しょうちいたしております
さりながら積つもる遺恨いこんの数々かずかず…
浅野あさの家け五万三千ごまんさんぜん石ごく 所領しょりょうも捨すて家臣かしんを捨すてての
覚悟かくごの所業しょぎょうでござる
梶川かじかわ殿どの…武士ぶしの情なさけじゃ この手てを離はなしくだされ
今いまひと太刀たち…今いまひと太刀たち
上野介こうずけのすけを討うたせてくだされ…梶川かじかわ殿どの
忠ちゅうに生いきるは 武士ぶしの道みち
命いのちを盾たての 槍やりぶすま
敵てきを欺あざむく 言挙ことあげならば
瑤泉院ようぜいいんさま 許ゆるされよ
雪ゆきふりしきる 南部なんぶ坂さか
われら幡はん州しゅう赤穂あこうの浪士ろうし 大石内蔵助おおいしくらのすけ以下いか
四十七やんじゅうなな名めいの者ものどもでござる
この言挙ことあげは私怨しえんに非ひず
天下てんかの御ご政道せいどうの是非ぜひを正ただすためなり
おのおの方かた かまえてその旨むねを心こころにしかと刻きざまれい
忠ちゅう左衛門ざえもんどの…吉良きら殿どのの所在しょざいは未いまだつかめぬか
源五げんご…東ひがしの空そらも白しろんでくるわ くまなく探さがせ
われらの命運めいうんはあと半はん刻ときぞ…
天てんよ地ちよ神かみよ仏ほとけよ
慈悲じひあらばわれらが本懐ほんかいを遂とげさせたまえ
"吉良きら殿どの…見みつかり申もうした…"
あれは山鹿やまがの 陣太鼓じんだいこ
一打ひとうち 二に打うち 三さん流ながれ
一期一会いちごいちえは この世よのならい
粒々辛苦りゅうりゅうしんく 血ちの涙なみだ
暁あかつき染そめる 松坂町まつさかちょう
かぜさそふkazesasofu はなよりもなほhanayorimonaho われはまたwarehamata
ならぬnaranu堪忍kannin 耐taえてこそetekoso
武門bumonのno意地ijiもmo 立瀬tatsuse川gawa
今imaはこれまでhakoremade このkono一太刀hitotachiをwo
吉良kira殿donoおo受uけke 候souraえやeya
吾waれre桜木sakuragiのno 花hanaとto散chiるru
殿中denchuuにてのniteno刃傷沙汰ninjouzataはha 罪tsumi萬ban死shiにni値ataiすることsurukoto
このkono内匠頭takuminokami 重々juujuu承知syouchiいたしておりますitashiteorimasu
さりながらsarinagara積tsuもるmoru遺恨ikonのno数々kazukazu…
浅野asano家ke五万三千gomansanzen石goku 所領syoryouもmo捨suてte家臣kashinをwo捨suててのteteno
覚悟kakugoのno所業syogyouでござるdegozaru
梶川kajikawa殿dono…武士bushiのno情nasaけじゃkeja このkono手teをwo離hanaしくだされshikudasare
今imaひとhito太刀tachi…今imaひとhito太刀tachi
上野介kouzukenosukeをwo討uたせてくだされtasetekudasare…梶川kajikawa殿dono
忠chuuにni生iきるはkiruha 武士bushiのno道michi
命inochiをwo盾tateのno 槍yariぶすまbusuma
敵tekiをwo欺azamuくku 言挙kotoaげならばgenaraba
瑤泉院youzeiinさまsama 許yuruされよsareyo
雪yukiふりしきるfurishikiru 南部nanbu坂saka
われらwarera幡han州syuu赤穂akouのno浪士roushi 大石内蔵助ooishikuranosuke以下ika
四十七yanjuunana名meiのno者monoどもでござるdomodegozaru
このkono言挙kotoaげはgeha私怨shienにni非hiずzu
天下tenkaのno御go政道seidouのno是非zehiをwo正tadaすためなりsutamenari
おのおのonoono方kata かまえてそのkamaetesono旨muneをwo心kokoroにしかとnishikato刻kizaまれいmarei
忠chuu左衛門zaemonどのdono…吉良kira殿donoのno所在syozaiはha未imaだつかめぬかdatsukamenuka
源五gengo…東higashiのno空soraもmo白shiroんでくるわndekuruwa くまなくkumanaku探sagaせse
われらのwarerano命運meiunはあとhaato半han刻tokiぞzo…
天tenよyo地chiよyo神kamiよyo仏hotokeよyo
慈悲jihiあらばわれらがarabawareraga本懐honkaiをwo遂toげさせたまえgesasetamae
"吉良kira殿dono…見miつかりtsukari申mouしたshita…"
あれはareha山鹿yamagaのno 陣太鼓jindaiko
一打hitouちchi 二ni打uちchi 三san流nagaれre
一期一会ichigoichieはha このkono世yoのならいnonarai
粒々辛苦ryuuryuushinku 血chiのno涙namida
暁akatsuki染soめるmeru 松坂町matsusakachou