親おやはあっても 顔かおさえ知しらず
表通おもてどおりを はずれ笠かさ
どこに
どこにいるのか おっかさん おっかさん
瞼まぶたあわせて 今日きょうも呼よぶ
「おかみさんそれじゃあ番場ばんば宿やどの忠太郎ちゅうたろうと云いう
者ものに憶おぼえはねえとおっしゃるんでござんすか」
永ながい歳月としつき 別わかれて住すめば
遠とおくなるのか 気持きもちまで
俺おれは
俺おれは馬鹿ばかだよ おっかさん おっかさん
なまじ逢あわなきゃ 泣なくまいに
「考かんがえてみりゃあ俺おれも馬鹿ばかよ
骨ほねをおって夢ゆめを消けしてしまった…」
西にしへ飛とぼうが 東ひがしへ行いこうが
とめてくれるな 花はなすすき
これで
これでいいのさ おっかさん おっかさん
瞼まぶたとじれば また逢あえる
親oyaはあってもhaattemo 顔kaoさえsae知shiらずrazu
表通omotedooりをriwo はずれhazure笠kasa
どこにdokoni
どこにいるのかdokoniirunoka おっかさんokkasan おっかさんokkasan
瞼mabutaあわせてawasete 今日kyouもmo呼yoぶbu
「おかみさんそれじゃあokamisansorejaa番場banba宿yadoのno忠太郎chuutarouとto云iうu
者monoにni憶oboえはねえとおっしゃるんでござんすかehaneetoossyarundegozansuka」
永nagaいi歳月toshitsuki 別wakaれてrete住suめばmeba
遠tooくなるのかkunarunoka 気持kimochiまでmade
俺oreはha
俺oreはha馬鹿bakaだよdayo おっかさんokkasan おっかさんokkasan
なまじnamaji逢aわなきゃwanakya 泣naくまいにkumaini
「考kangaえてみりゃあetemiryaa俺oreもmo馬鹿bakaよyo
骨honeをおってwootte夢yumeをwo消keしてしまったshiteshimatta…」
西nishiへhe飛toぼうがbouga 東higashiへhe行iこうがkouga
とめてくれるなtometekureruna 花hanaすすきsusuki
これでkorede
これでいいのさkoredeiinosa おっかさんokkasan おっかさんokkasan
瞼mabutaとじればtojireba またmata逢aえるeru