三月物語 歌詞 牧野由依 ふりがな付

三月さんがつ 最後さいごの日ひの水曜日すいようび
いつも歩あるいたこの場所ばしょをひとりで たどってみる

メタセコイアの細ほそい木漏こもれ日びが
こんなにきれいだとは知しらずに いつも はしゃいでたの

春はるにはたまごを焦こがして
夏なつにはお皿さらをそろえたっけ
おとぎばなしのような眩まぶしい日々ひび

秋あきには涙なみだをこぼして
冬ふゆには初はじめて怒おこられたんだよ
思おもい出でになる ほんの少すこし前まえ
若葉わかばの風かぜが今いまは吹ふいている

なぜだろう あなたの声こえ 聞ききたいな
別べつに 恋人こいびと同士どうしでもないのに おかしいよね

せつないくらい澄すんだ青空あおぞらが
こんなにつらいなんて知しらずに わたし 笑わらってたの

春はるには背中せなかを見みつめて
夏なつには名前なまえをおぼえたっけ
これからはもう多分たぶん逢あえないよね

秋あきにはことばをかわして
冬ふゆには星座せいざを教おしえてもらった
忘わすれたくない なんて思おもう前まえ
桜さくらの花はなが今いまは咲さいている

これからはじまる話はなしを
いつかは手紙てがみで伝つたえたいな
遠とおくで暮くらすあなた 驚おどろくかな

四月しがつになってもわたしは
歩あるいて走はしって転ころんだりして
忘わすれてしまう事ことばかりかもね
でもこの気持きもち きっと無なくさない