アー
ちょいと出でました 三角さんかく野郎やろうが
四角四面しかくしめんの櫓やぐらの上うえで
音頭おんど取とるとは 恐おそれながら
しばし御免ごめんを こうむりまして
何なにか一言ひとこと 読よみあげまする
稽古けいこ不足ぶそくで 覚おぼえ束おぼつかないが
平ひらにその儀ぎは お許ゆるしなされ
許ゆるしなされば 文句もんくにかかるで
オーイサネ
アー
上州じょうしゅう名代なだいの 大親分おおおやぶんは
度胸どきょうすぐれた 国定くにさだ忠治ちゅうじ
百姓ひゃくしょう泣なかせの 悪代官あくだいかんを
取とっておさえて 一泡ひとあわふかせ
今宵こよいかぎりと 赤城あかぎを下くだる
ここに哀あわれは 板割いたわり浅あさよ
叔父おじの形見かたみの 勘太かんたを背負せおい
坊ぼうやよい子こだ ネンネンコロリと
オーイサネ
アー
聞きいておくれよ のろけじゃないが
逢あうた初はじめのひと目めで惚ほれて
思おもい込こんだる 私わたしの心こころ
昼ひるはまぼろし 夜よるは夜よるで夢ゆめに
見みると云いうても 覚さめれば他人たにん
一生いっしょう他人たにんにならないように
早はやいところで都合つごうをつけて
そわせたまえや 出雲いずもの神かみ様さま
オーイサネ
アaー
ちょいとchoito出deましたmashita 三角sankaku野郎yarouがga
四角四面shikakushimenのno櫓yaguraのno上ueでde
音頭ondo取toるとはrutoha 恐osoれながらrenagara
しばしshibashi御免gomenをwo こうむりましてkoumurimashite
何naniかka一言hitokoto 読yoみあげまするmiagemasuru
稽古keiko不足busokuでde 覚oboe束obotsukaないがnaiga
平hiraにそのnisono儀giはha おo許yuruしなされshinasare
許yuruしなさればshinasareba 文句monkuにかかるでnikakarude
オoーイサネisane
アaー
上州jousyuu名代nadaiのno 大親分oooyabunはha
度胸dokyouすぐれたsugureta 国定kunisada忠治chuuji
百姓hyakusyou泣naかせのkaseno 悪代官akudaikanをwo
取toっておさえてtteosaete 一泡hitoawaふかせfukase
今宵koyoiかぎりとkagirito 赤城akagiをwo下kudaるru
ここにkokoni哀awaれはreha 板割itawari浅asaよyo
叔父ojiのno形見katamiのno 勘太kantaをwo背負seoいi
坊bouやよいyayoi子koだda ネンネンコロリnennenkororiとto
オoーイサネisane
アaー
聞kiいておくれよiteokureyo のろけじゃないがnorokejanaiga
逢aうたuta初hajiめのひとmenohito目meでde惚hoれてrete
思omoいi込koんだるndaru 私watashiのno心kokoro
昼hiruはまぼろしhamaboroshi 夜yoruはha夜yoruでde夢yumeにni
見miるとruto云iうてもutemo 覚saめればmereba他人tanin
一生issyou他人taninにならないようにninaranaiyouni
早hayaいところでitokorode都合tsugouをつけてwotsukete
そわせたまえやsowasetamaeya 出雲izumoのno神kami様sama
オoーイサネisane