「幾いくつもの国々くにぐにを見みて回まわる旅たびを続つづける、
どこか影かげのある憂うれいを背負せおった青年せいねん。
黒衣こくえの青年せいねんは、不死ふしなる魔女まじょの一人ひとり、
アイリーンの影響下えいきょうかにある街まちを睥睨へいげいしていた」
疲弊ひへいする 寒々さむざむしい雑踏ざっとう
酷ひどく重苦おもくるしい街まちは 夜よるに蝕むしばまれ
歪いびつに滲にじんだ 粛清しゅくせいに風かぜはさざめき
幻想げんそうに終止符しゅうしふを刻きざんだ無辺むへんの爛ただれた闇やみ
風説ふうせつの真偽しんぎなど荒廃こうはいした
この風景ふうけいをみたなら 疑うたがうこともできはしない
キミの名なをその欠片かけらを 白夜びゃくやの果はてにまで連つれていこう
どこにもそんな場所ばしょはないのだとわかっていても
罅割ひびわれたその欠片かけらに 虚勢きょせいではない無傷むきずの姿すがたを
いつか示しめし探さがそう 未来みらいの物語ものがたり――――
忘わすれえぬ あの日ひ起おきた過あやまち
大切たいせつな絆きずな 存在そんざいを失うしなった過去かこ
その影かげは重おもく 今いまは絆きずなというモノに
途方とほうもない憧あこがれ 抱だきながら踏ふみ出だせずにいた
他人たにんとの距離きょりを置おき 関かかわらない
それは逃にげでしかないと 自責じせきの念ねんを内うちに秘ひめて
『キミならばどう言いうだろう?』 そんなことばかりを考かんがえては
成長せいちょうしない自分じぶんに 嘆息たんそくし拳こぶしを握にぎる
隔へだたれた星ほしの欠片かけら 孤高ここうの旅路たびじに終おわりは見みえず
空虚くうきょに巡めぐり彷徨さまよう、そんな物語ものがたり――――
「この国くにから得えるものは何なにもないと、旅たびを急いそごうとする青年せいねん。
そんなとき、魔女まじょが黒くろ狼おおかみという種族しゅぞくの動物どうぶつ達たちを捕とらえ、
無理矢理むりやりに使役しえきしているという話はなしを耳みみにしてしまう」
熱量ねつりょうが奥底おくそこから 膨ふくれ上あがるようなその感覚かんかく
どこにもそんな感情かんじょうはないのだと思おもってたのに
罅割ひびわれたこの心こころを 虚勢きょせいでしかない傷きずついた瞳ひとみを
今いまは隠かくして踏ふみ出だそう 闇やみを屠ほふり
かつての親友しんゆうの遺品いひん 黒くろ狼おおかみの牙きばでの首飾くびかざり(collier)
俯うつむき握にぎり締しめて 切きり拓ひらくは未来みらいの物語ものがたり――――
「孤高ここうの旅たびを続つづけるその黒衣こくえの放浪者ほうろうしゃの名なは、ルクセイン。
その眼光がんこうはまるで獣けものの牙きばのように鋭するどく。
過去かこを恨うらみながら、遠とおく先さきを見据みすえて……」
「もう道みちを違ちがえることはしない。俺おれは――――」
「幾ikuつものtsumono国々kuniguniをwo見miてte回mawaるru旅tabiをwo続tsuduけるkeru、
どこかdokoka影kageのあるnoaru憂ureいをiwo背負seoったtta青年seinen。
黒衣kokueのno青年seinenはha、不死fushiなるnaru魔女majoのno一人hitori、
アイリairiーンnのno影響下eikyoukaにあるniaru街machiをwo睥睨heigeiしていたshiteita」
疲弊hiheiするsuru 寒々samuzamuしいshii雑踏zattou
酷hidoくku重苦omokuruしいshii街machiはha 夜yoruにni蝕mushibaまれmare
歪ibitsuにni滲nijiんだnda 粛清syukuseiにni風kazeはさざめきhasazameki
幻想gensouにni終止符syuushifuをwo刻kizaんだnda無辺muhenのno爛tadaれたreta闇yami
風説fuusetsuのno真偽shingiなどnado荒廃kouhaiしたshita
このkono風景fuukeiをみたならwomitanara 疑utagaうこともできはしないukotomodekihashinai
キミkimiのno名naをそのwosono欠片kakeraをwo 白夜byakuyaのno果haてにまでtenimade連tsuれていこうreteikou
どこにもそんなdokonimosonna場所basyoはないのだとわかっていてもhanainodatowakatteitemo
罅割hibiwaれたそのretasono欠片kakeraにni 虚勢kyoseiではないdehanai無傷mukizuのno姿sugataをwo
いつかitsuka示shimeしshi探sagaそうsou 未来miraiのno物語monogatari――――
忘wasuれえぬreenu あのano日hi起oきたkita過ayamaちchi
大切taisetsuなna絆kizuna 存在sonzaiをwo失ushinaったtta過去kako
そのsono影kageはha重omoくku 今imaはha絆kizunaというtoiuモノmonoにni
途方tohouもないmonai憧akogaれre 抱daきながらkinagara踏fuみmi出daせずにいたsezuniita
他人taninとのtono距離kyoriをwo置oきki 関kakaわらないwaranai
それはsoreha逃niげでしかないとgedeshikanaito 自責jisekiのno念nenをwo内uchiにni秘hiめてmete
『キミkimiならばどうnarabadou言iうだろうudarou?』 そんなことばかりをsonnakotobakariwo考kangaえてはeteha
成長seichouしないshinai自分jibunにni 嘆息tansokuしshi拳kobushiをwo握nigiるru
隔hedaたれたtareta星hoshiのno欠片kakera 孤高kokouのno旅路tabijiにni終oわりはwariha見miえずezu
空虚kuukyoにni巡meguりri彷徨samayoうu、そんなsonna物語monogatari――――
「このkono国kuniからkara得eるものはrumonoha何naniもないとmonaito、旅tabiをwo急isoごうとするgoutosuru青年seinen。
そんなときsonnatoki、魔女majoがga黒kuro狼ookamiというtoiu種族syuzokuのno動物doubutsu達tachiをwo捕toらえrae、
無理矢理muriyariにni使役shiekiしているというshiteirutoiu話hanashiをwo耳mimiにしてしまうnishiteshimau」
熱量netsuryouがga奥底okusokoからkara 膨fukuれre上aがるようなそのgaruyounasono感覚kankaku
どこにもそんなdokonimosonna感情kanjouはないのだとhanainodato思omoってたのにttetanoni
罅割hibiwaれたこのretakono心kokoroをwo 虚勢kyoseiでしかないdeshikanai傷kizuついたtsuita瞳hitomiをwo
今imaはha隠kakuしてshite踏fuみmi出daそうsou 闇yamiをwo屠hofuりri
かつてのkatsuteno親友shinyuuのno遺品ihin 黒kuro狼ookamiのno牙kibaでのdeno首飾kubikazaりri(collier)
俯utsumuきki握nigiりri締shiめてmete 切kiりri拓hiraくはkuha未来miraiのno物語monogatari――――
「孤高kokouのno旅tabiをwo続tsuduけるそのkerusono黒衣kokueのno放浪者hourousyaのno名naはha、ルクセインrukusein。
そのsono眼光gankouはまるでhamarude獣kemonoのno牙kibaのようにnoyouni鋭surudoくku。
過去kakoをwo恨uraみながらminagara、遠tooくku先sakiをwo見据misuえてete……」
「もうmou道michiをwo違chigaえることはしないerukotohashinai。俺oreはha――――」