よみ：さんねんざか
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母ははよ
この坂さかを 僕ぼくのちいさな手てをとって
登のぼったという 母ははよ
時ときは流ながれ 僕ぼくはひとり
「あの幼おさない日ひのように
あなたのことをよく知しらないまま
いつか 時ときだけが過すぎて
僕ぼくはひとりになっていました
やきものの町まちはひっそりと
行いき交かう人ひとも しずかな京きょうことば
この僕ぼくに寄よせた あなたの愛あいに
いったい何なんで
僕ぼくはこたえたでしょうか…」
母ははよ
忘わすれていたものが
しんしん この胸むねにひろがって
しずかに 坂さかを登のぼります
あたたかい あなたの愛あい
「この 云いいようもなくあたたかい
ものを胸むねに
僕ぼくはいまひとり坂さかを登のぼります
あなたにちいさな手てをひかれて登のぼった
あの遠とおい日ひのように…
あなたのぬくもり…僕ぼくのさびしさ…
時ときが消けしてゆくものと
時ときが積つみ重かさねてゆくものと…」
母ははよ
三さんねん坂ざかの 暮くれゆくちいさな石段いしだんは
今日きょうも 僕ぼくを迎むかえます
ありがとう あなたの愛あい
この坂さかを 僕ぼくのちいさな手てをとって
登のぼったという 母ははよ
時ときは流ながれ 僕ぼくはひとり
「あの幼おさない日ひのように
あなたのことをよく知しらないまま
いつか 時ときだけが過すぎて
僕ぼくはひとりになっていました
やきものの町まちはひっそりと
行いき交かう人ひとも しずかな京きょうことば
この僕ぼくに寄よせた あなたの愛あいに
いったい何なんで
僕ぼくはこたえたでしょうか…」
母ははよ
忘わすれていたものが
しんしん この胸むねにひろがって
しずかに 坂さかを登のぼります
あたたかい あなたの愛あい
「この 云いいようもなくあたたかい
ものを胸むねに
僕ぼくはいまひとり坂さかを登のぼります
あなたにちいさな手てをひかれて登のぼった
あの遠とおい日ひのように…
あなたのぬくもり…僕ぼくのさびしさ…
時ときが消けしてゆくものと
時ときが積つみ重かさねてゆくものと…」
母ははよ
三さんねん坂ざかの 暮くれゆくちいさな石段いしだんは
今日きょうも 僕ぼくを迎むかえます
ありがとう あなたの愛あい
