広ひろい世間せけんも 追おわれて渡わたる
渡わたり鳥どりには 狭せまい空そら
浮ういた浮ういたの 浮世うきよの春はるを
浮ういちゃ通とおれぬ 義侠おとこの旅たびは
笠かさで分わけてく 花吹雪はなふぶき
惚ほれてくれるは うれしいけれど
惚ほれて返かえせば 罪つみつくり
初心うぶなあの瞳めを 背中せなかで逃にげて
詫わびの印しるしに 一節いっせつ投なげる
唄うたは追分おいわけ 三五郎さんごろう
峠とうげ越こえれば 故郷こきょうは近ちかい
近ちかい故郷こきょうを 遠廻とおまわり
こんな姿すがたで 親御おやごに逢あえば
泣なかすばかりと 笑わらって羽織はおる
縞しまの合羽かっぱに 花はな時雨しぐれ
広hiroいi世間sekenもmo 追oわれてwarete渡wataるru
渡wataりri鳥doriにはniha 狭semaいi空sora
浮uいたita浮uいたのitano 浮世ukiyoのno春haruをwo
浮uいちゃicha通tooれぬrenu 義侠otokoのno旅tabiはha
笠kasaでde分waけてくketeku 花吹雪hanafubuki
惚hoれてくれるはretekureruha うれしいけれどureshiikeredo
惚hoれてrete返kaeせばseba 罪tsumiつくりtsukuri
初心ubuなあのnaano瞳meをwo 背中senakaでde逃niげてgete
詫waびのbino印shirushiにni 一節issetsu投naげるgeru
唄utaはha追分oiwake 三五郎sangorou
峠touge越koえればereba 故郷kokyouはha近chikaいi
近chikaいi故郷kokyouをwo 遠廻toomawaりri
こんなkonna姿sugataでde 親御oyagoにni逢aえばeba
泣naかすばかりとkasubakarito 笑waraってtte羽織haoるru
縞shimaのno合羽kappaにni 花hana時雨shigure