野菊よ 歌詞 村下孝蔵 ふりがな付

何故なぜ 彼女かのじょは 瞳ひとみを見みない
頭あたま垂たれた 日陰ひかげの花はなよ
誰だれにも知しられず 雑草ざっそうの中なか
道みちばたに咲さく 野菊のぎくよ

何故なぜ 彼女かのじょは 答こたえてくれぬ
囁ささやきさえ 風かぜに流ながされ
大空おおぞら見みあげて 小ちいさな生命いのち
確たしかめている 野菊のぎくよ

数かぞえきれない 煩わずらわしさにまみれ
単純たんじゅんな日ひを 送おくって
眠ねむれないで 夜よるをこらえた時ときには
朝露あさつゆのような 涙なみだする

何故なぜ 彼女かのじょは 歌うたを忘わすれた
足あしが乱みだれ 動うごけもしない
遠とおくの陽炎かげろう 追おいかけ続つづけて
淡あわく色いろづく 野菊のぎくよ

たった一度いちど 愛あいに折おられ傷きずつき
花はなの重おもみに うつむく
微笑ほほえんで 可愛かわいい女おんなになって
顔かおをあげなよ 僕ぼくがいる

雨あめに打うたれ 深ふかい雪ゆきに埋うもれて
寒さむい帳ちょうにおおわれ
淋さびしくて 淋さびしくて たまらぬ時ときも
見みつめ続つづける 僕ぼくがいる