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ドリカムの『何度でも』が起こした「歌を思い出す」現象

今やドリカムの代表曲の一つともいえる『何度でも』。紅白でも歌われたこの曲に、励まされた人も多いでしょう。苦しくても「何度でも」立ち上がる、という曲。この曲は、2005年の発売当初よりも、後年になってから人気が広がった曲です。

ドリカムの代表曲『何度でも』

今やドリカムの代表曲の一つともいえる『何度でも』。紅白でも歌われたこの曲に、励まされた人も多いでしょう。

苦しくても「何度でも」立ち上がる、という曲。この曲は、2005年の発売当初よりも、後年になってから人気が広がった曲です。

実は、怒りを抱えている人が多い?

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誰かや何かに怒っても 出口はないなら
≪何度でも 歌詞より抜粋≫
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「怒っても出口はないなら」という歌詞。「怒っても」というワードを入れています。後半にも登場する「やり場のない怒り」というフレーズ。

この歌がリリースから時が経つにつれ支持されるようになったのは、現代人がそれほどやり場のない怒りを抱えているからなんでしょう。

吉田美和のリズム感が歌詞に力を与える


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何度でも何度でも何度でも 立ち上がり呼ぶよ きみの名前 声が涸れるまで
悔しくて苦しくて がんばってもどうしようもない時も きみを思い出すよ
10000回だめで へとへとになっても
10001回目は 何か 変わるかもしれない
≪何度でも 歌詞より抜粋≫
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「何度でも」と、このフレーズを文字通り何度でも繰り返す印象的なサビ。この繰り返しが曲の説得力になっています。

また、ここは意外とリズムが難しい箇所。この裏拍を刻むリズムが聴き手を前へ前へという意識に向かわせます。吉田美和のリズム感が歌詞に力を与えているんですね。

「きみ」はひらがな表記。この「きみ」は家族や友達や恋人やかつての自分や未来の誰かのことかもしれない。ひらがな表記なので、聴く人がイメージを広げやすくなっています。

そして、こちらも印象に残る「10000回だめで へとへとになっても 10001回目は何か変わるかもしれない」というフレーズ。「一万回」と表記してもいいところですが、あえて0の数の多さが分かる「10000回」を選んでいます。

一万回の挑戦というのは果てしない数。しかし、この過剰さこそがこの曲の魅力です。

また、「いちまんかい」という音が良い。たとえば「一千回」「一億回」でも歌詞の音の数は合います。

しかし「いっせーんかーい」「いちおーくかい」と発音するより「いちまーんかーい」のほうが語呂がいい。「ま」と「か」で口を「a」にする音のリズムを作っているからですね。

曲の要のフレーズが登場!

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自分と戦ってみるよ
10000回だめで 望みなくなっても
10001回目は 来る
≪何度でも 歌詞より抜粋≫
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「自分と戦ってみるよ」というフレーズが終盤になって登場。日本語は大切なことを最後のほうに言います。

何度でも何度でもと繰り返した先にあるこの「自分と戦ってみる」フレーズ。これがこの曲の要である「何度でも自分と戦ってみる」というメッセージ。

そして「10001回目は 来る」という言いきり。「変わるかもしれない」という憶測を、ラストで確信に変えています。一か所でも「来る」というフレーズがあるから、聴く側が「10001回目」を信じることができるんですね。

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悔しくて苦しくて がんばってもどうしようもない時も きみの歌を思い出すよ
≪何度でも 歌詞より抜粋≫
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「きみの名前」「きみを思い出すよ」という「きみ」に関する歌詞が出てくるこの曲。

後半になって、「きみの歌を思い出すよ」というフレーズが登場します。この曲が、「苦しい時に思い出して自分や他人を励ます歌」になったのは、歌詞の中で「歌を思い出す」というフレーズがあったから。

『何度でも』は2005年にシングルとして発売されました。ウイークリーチャート3位。

この曲は、当初から売上が良かったわけではありません。ドリカムのメンバーである中村正人は、当初はこの歌詞がウケないのではと思っていたことを、インタビューで語っています。

しかしこの曲は、ファンに愛されます。2007年のファンによるリクエスト投票で1位を獲得。そして2011年の東日本大震災をきっかけに再び注目されます。

被災者へのエールの曲として全国のラジオ局でこの曲が流れました。歌詞どおり「歌を思い出す」現象が起きたのです。吉田美和が歌詞に込めた想いが、何年も経って伝わったんですね。


TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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