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東京喰種OP TK from 凛として時雨『unravel』カネキの悲痛な叫びを歌詞と音で完全再現

『unravel』は、TK from凛として時雨の楽曲であり、人気アニメ『東京喰種』の主題歌であるのだが…実は、この曲の作詞作曲したのは主人公「カネキ」じゃないかと感じている。その理由を紹介していく。


大人気アニメ『東京喰種』

今や大人気作品となっているアニメ『東京喰種』

この作品は人間しか食べられない喰種という生き物と、その存在を嫌う人間の自身や仲間を守るための闘いや、それぞれの葛藤や怒りや悲しみなどを描いた作品である。

主人公のカネキは、「あんていく」という喫茶店で出会った神代利世(リゼ)という女性に出会い一目惚れする。デートに行くことに成功したが、その帰り道に実は喰種であったリゼに教われてしまう。

殺されかけたその時、頭上から鉄柱が2人に落下する。カネキは搬送された病院でリゼの臓器を移植されたことにより、喰種の体になってしまう。

しかし、心は人間のまま...人間なんて食べたくない!喰種と人間の間で苦しむカネキの生活が始まる。そんな物語だ。

そして、この『東京喰種』のオープニングテーマとして書き下ろしたのが、凛として時雨の『unravel』である。正確にはギターヴォーカルのTKが「TK from凛として時雨」として2014年に発売したものだ。

主人公と歌詞がシンクロ

ゆっくりとした歌声から入ったと思えば、直後に音が加速と減速を繰り返しながら進んでいく。激しさと儚さ、そして覚悟や葛藤などがストレートに伝わってくる歌詞は、作品の世界観を全面に感じられる仕上がりをみせているのだ。
さらに、この曲の歌詞が主人公のカネキと思えるほどの驚異のシンクロをみせている。その経緯をゆっくりと解説していこう。

自分は、一体何者?


喰種の世界へと足を踏み入れてしまい困惑しているカネキのことを表していている「教えて 教えてよ」「壊れた 壊れたよ」と2回続くことで、自分は一体何者なのかという訴えと、壊れてしまった日常への苦しみを示している。

「僕の中に誰かいるの?」は、カネキの精神の中でリゼが具現化して、語りかけるシーンが多々ある。人間を食べるように洗脳の如く話しかけるリゼに対して、人の心が壊れて狂い出すカネキが印象的だ。彼の中にはリゼが存在している!

カネキの心情をあらわす描写


「壊れた僕なんてさ」と、また壊れたという言葉が出てくる。少し理解しながらも受け入れきれないのが、人間から喰種になってしまったカネキの心情だ。

人間達と同じように生きて頑張っている喰種もいることを知ったため、何が正しくて何が間違っているのか分からくなっているのだ。

「壊せる壊せない」「狂える狂えない」と繰り返すのは、人間を食べる...食べれない、人の心を捨てて狂ってしまうのか...できない!とカネキの中の葛藤をそのまま感じさせる。

作中でもトーカに人間を食べるように促された時に「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」と苦しみながら拒否するシーンがある。
しかし精神でリゼに話術によって人間としての心がなくなり、親友であるヒデを喰らおうとするシーンもある。歌詞とストーリーの両方でカネキの悲痛さが尋常でないほど伝わってくる。

様々な関係がリンクする


「歪んだ世界」というのは喰種と人間が争ったり、喰種であることを隠して人間と友人関係であったり、喰種同士の争いなど様々な部分がこの歌詞に繋がる。

人間は喰種が世界を歪めていると思っているが、喰種も生きているだけでCCGから狙われるという恐怖がある。

喰種と人間の間のカネキはどちらの心にもなれるが、半端という見方もできる。どちらでもない自分は世界から見えなくなっていく、そう感じていることが伝わる。

覚醒


ストーリーに照らし合わせるなら「動けない」と何度も叫んでいるのは、ヤモリに拷問され続けて壮絶な苦しみを味わい、精神ではリゼの言葉攻めによって内側から壊されていく、自分が弱いせいで誰も守れずに死なせてしまう苦しみと悲しみが交差している。

そしてカネキは誰かの命を奪っても大切な人を守ること、間違っているのはこの世界だという答えにたどり着く。

ついに自分が喰種であることを受け入れて覚醒し、敵に対して狂気的で残酷な一面を見せるようになった。

「unravelling the world」は世界を解くという意味で、カネキなりに1つの答えを見つけたことを示す。

この英語歌詞はシャウトするように歌っているので、拷問の苦しさから覚醒へのインパクトが伝わる。

凄まじいシンクロ


<中略>

「変わってしまった」は、完全に喰種を受け入れたカネキのことで、「2つが絡まる」はカネキと彼に喰われたリゼのことだ。

忘れないでと何度も言っているのは、自分の存在と自分が自分であるということを忘れないでほしいという思いだと読みとれる。

「変わってしまったことにparalyze」は変わってしまったことを麻痺させてほしいという願いで、変えられないことだらけのparadiseの矛盾間が変わってしまったカネキの複雑な心を物語っている。

何度も同じ言葉が繰り返すところは強く訴えるように歌い、カネキの「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」などのセリフに寄せている。Aメロの儚げなメロディーと歌声から、サビで一気に激しくなることで日常から悲惨な現状へ、普通の人間から喰種に変わってしまったカネキの心情が伝わる。

作詞作曲がカネキと思えるほどのシンクロは、まさに傑作と言えるだろう!



unravel 歌詞 全文



TEXT:SHIN

凛として時雨のフロントマンでボーカル&ギターであり、全作曲、作詞、エンジニアを担当し鋭く独創的な視点で自らの音楽を表現している。 2012年にリリースした「abnormalize」は、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」OPとしても話題を呼んだ。 ソロプロジェクトである「TK from 凛として時雨」···

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