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付き合うならバンドマンはやめとけ?「ミオヤマザキ/バンドマン」の本当のメッセージとは?

ストレートで衝撃的な歌詞とラウドサウンドで世間から注目をあつめているミオヤマザキ。“死にたい”と連呼する「メンヘラ」や、“不倫は犯罪です”という歌い出しが特徴的な「民法第709条」などが話題となっている。
4人組バンドとして2013年に活動を始めて以来、代表曲を用いたゲームアプリの開発や、twitterドラマの配信など、斬新な方法で注目を集めてきたミオヤマザキ。その魅力は楽曲だけでなく、独特のコールアンドレスポンスが繰り広げられるバンドのライブシーンでも評価されている。

ミオヤマザキ バンドマン

ミオヤマザキの楽曲でよく描かれるのが不倫、浮気、失恋などの男女のこじれだというイメージがあるが、それだけではない。好きなことを追いかけている人に是非聴いていただきたいのが「バンドマン」だ。


一度耳にすると癖になるメロディーと、バンドマンを客観的に見たリアリティーな歌詞が目立つ一曲。この楽曲発表のときにミオヤマザキが「付き合うならバンドマンはやめとけ」と発言しており、一見バンドマンという職種を否定的しているようにも聞こえる。しかし、そこにはバンドを続ける難しさ、夢をおい続ける時に誰しもが共感できる苦しみや葛藤が歌われているのだ。


付き合うならバンドマンはやめとけ



「バンドマンが解散するたび しょうもない呟きが増える
バンドは永遠に続くものじゃない だからライブに行こう CD買おう
その気持ちは分かるよ でもさ 誰かの解散に託けて 責任意識なんかかすなよ
そもそも 好きで続けてるんだろ」



バンドマンあるあるともいえる冒頭。たしかに知り合いのバンドが解散したときは、ツイッターなどにバンドの持続性のはかなさを伝えることはよくあるだろう。それに対し「誰かの解散に託けて責任意識なんて かすなよ」という歌詞だ。結局”解散”という事実を 自分の集客に利用しているだけであり、そもそもバンドなんて好きで続けているんだから状況に甘えるなと言っているようだ。

ひとまとめにバンドマンと言っても、色々な人がいて当たり前だ。ただ大きな目標を大口たたいて掲げていても、言葉通り実行できる人も少ない。ましてや売れて結果を出すことは到底難しい。“それでも戦い続けていけるのか”問いかけているのが「バンドマン」という曲なのだ。

上手くいかなかった理由を探せば、全て言い訳

「金がなく 時間もなくて
自分のキャパに限界を知って
やめる理由が何にせよ
好きでこえられなくなったんなら
それは好きじゃなくなったってこと
ただ単にそれだけの事 そうでしょ?」



上手くいかなかった理由を探せば、全て言い訳でしかなかった。“そんな程度ならやめれば良いじゃん”という歌詞。しかし「やめる」という選択肢は簡単なようで難しいのかもしれない。

やめるにあたってどのような理由をつけても、中途半端なままでは今までしてきた事を否定してしまうことになる気がして。だからといってこの先続けていったところで報われるという保証もない世界なのだ。

「どうすりゃいいの?迷ってるの?
誰のためにたたかってるの?
やりたいようにやったらいいじゃん
どうせ三年後は誰も覚えちゃ
いねーよ いねーよ」



音楽の流行はすぐに変わる。一度売れてから三年間もてば十分だという声もあるだろう。大きな希望を抱いて初めたことでも、誰のためにやっているのか、何がしたかったのか、分からなくなるのだ。

「それでも何かに縋って頼って未来に憧れてるの?
辞めたいんだったら辞めればいいじゃん
理想のハッピーエンドなんかありゃしねーよ しねーよ
不貞腐れてる暇あったら 本気で追いかけて掴んでみろ なあ」



それでもどこかで未来に希望を持っていたいのだ。なら本気で追いかけるしかない。もう逃げずに現実と向き合って受け入れる事。不安をなくす方法はこの1つしかないのだ。

音楽とは一体なんなのだろう

「No music No Life
いやいや 音楽はなくても生きていける
ただ音楽があった方が生きたいと思える
だから音楽はなくならない」



音楽とは一体なんなのだろう。絶対に必要なものなのか、それとも娯楽なのか。古くから沢山の定義が考えられていた。ただ小学校などで子供の時から教えられてきた『音を楽しむ=音楽』という定義は大人になると信じにくくなる。音楽は楽しいものばかりではないからだ。

それでもどうしようもなくて、生き辛い状況を歌い上げ、共に戦う勇気をくれるのがミオヤマザキの音楽なのだろう。“生きたくない世の中”を“生きたいと思える世の中”に変えてくれるのだ。

「何が正解だか分かんないし、一人じゃ不安で
特にやりたい事がある訳じゃなくて
でもあれはあれで これはこれで
だけど でも だって あの その つまり」



バンドマンで歌われている苦しみは、音楽をしている人だけにあてはまるものではない。音楽活動とは結果が全てで“売れたバンドがしてきた事が正しかった”と評価されるのだ。何人の心をどれだけ動かしたかなんて、音楽ビジネスには関係がないからだ。だから正解が分からなくて、誰かに肯定してもらわないと不安になる。音楽だけでない。

他の仕事や勉強、恋愛において同じであろう。勉強時間などは関係なく、試験に受かった人だけが優秀な学歴を手に入れることができる。どれだけ相手を想っているなども関係なく、選ばれた人だけがその人と幸せになれるのだ。「でも過程で得れたものだってあるし、、だけど、、あの、、。」言いたいことはたくさんあるはずなのに上手く言葉にできない。

「大丈夫 きっと みんな そんなもんだよ」


この歌詞での“みんな”にはミオヤマザキも含まれているのだろう。バンドマンという曲をつくっているミオヤマザキ自信もバンドマンで、たくさんの苦労を重ねているのだ。残酷な世界で生き残っていくには音楽を本気で続けていくしかないのだ。

客観的な歌詞だが、本当は自身の決意も込められた歌なのかもしれない。







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mio(Vo.)、taka(G.)、Shunkichi(B.)、Hang-Chang(Dr.)からなる4人組ロックバンド。 2013年、東京で結成。Vo.のmioによる、”男性は心拍数が上がり、女性は皆共感する”恋愛の陰を描いた歌詞と、圧倒的なライブパフォーマンスにより「ミオラー」と呼ばれる熱狂的なファンを獲得。更に、ミオヤマザキ···

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