SPICY CHOCOLATEの究極ラブソングベスト発売！ 本人コメントで収録曲を振り返る〜CHOCOLATE編

今回のアルバムは、「今年の始めに出したかった」と語られるくらい、ファンのみならずスパイシーチョコレート本人にとっても待望のアルバムだ。今までの楽曲を広く捉え、新たに構成することによって、より一層ひとつひとつの曲が魅力を増している。きっと聴きながら新たな発見もあるかもしれない。

前編のSPICY編に引き続いて、曲についてみていこう。
SPICY CHOCOLATEの究極ラブソングベスト発売！ 本人コメントで収録曲を振り返る〜SPICY編

▽5『うれし涙 feat.シェネル & MACO』

2014年、結成20周年の際の発表第一弾だった曲。
失恋ソングとも少し違う、けれど歌詞の中にも曲調にも歌い方にも、たくさんのせつなさを隠しきれていない、奥行きのある楽曲だ。「涙」という単語が出てくる曲は失恋だったり悲しみを歌ったものが多いが、「涙の理由はありがとう」というテーマを掲げているのも素敵な印象だ。

言葉じゃ表せない　想いを歌うよ
あたしの頬を流れる涙は
あなたに伝えたかった
「ありがとう」


少し歌詞をひもといてみると、なんだか「ありがとう」は切なさや弱さを押し隠すためのカモフラージュのようにも思えてくる。けれど強がりとは少し違う、「あなた」を想ってこそのカモフラージュだ。
歌詞の主人公の隣りには、もう「あなた」はいないのかもしれない。「言葉じゃ表せない想い」はきっと美しいものだろう。「ありがとう」という想いで流す涙は美しい。
ジャケット起用の今井華はフジテレビ系TV番組『テラスハウス』にも出演する人気モデル。快活そうな女の子の切なげな瞳が印象に残る。

～KATSUYUKIさんコメント

歌詞の特に好きなフレーズは、「見えない愛情が優しく包むよ」というところですね。
愛情っていうのはやっぱり分かりづらいモノだから。「見える愛情」と「見えない愛情」ってあると思うんですけど、その見えない愛情が優しく包んでくれる、それが愛なんじゃないかな、と思います。ジャケットは今井華ちゃんですね。当時、新ギャル語として一躍人気を集めた「バイブス」の火付け役ですね。SPICY CHOCOLATEらしい人選にもなっていると思うし、華ちゃんにナチュラルメイクにしてもらって普段見せない表情を見せてもらいました。

▽11『ミスキャスト feat.大橋卓弥（スキマスイッチ）& 奇妙礼太朗』

スキマスイッチの大橋卓弥と、話題のロックミュージシャン奇妙礼太朗のコラボという、なかなか思いつかないような、ちょっと興味深いコラボ。
切なくメロディアスな曲調で、自分の恋の状況を「フィクションであればいい」と歌ってしまう歌だ。

本当の気持ちなど　やっぱり言えないから
精一杯ひねり出した言葉が　君に届けばいい
君の幸せをこれ以上願えない
あぁ　さよなら　元気でね
どうか僕を嫌いになっておくれ　さよなら　愛する人

歌詞を読みながら曲を聴いてみると、主人公が恋している女の子はずいぶんひどい女の子だなぁ、と思う。そして主人公の男の子はちょっとピュアすぎるようだ。「どうか僕を嫌いになっておくれ」という部分が特に心をえぐってくる。どんなに好きでも叶わないなら嫌ってくれ、なんていうのは恋愛ならではのエゴでもあるし、優しすぎる故の想いでもあるだろう。
確かに好きな女の子の彼氏になれない立場なら、その状況は「ミスキャスト」だ。状況をぶっ壊せないのは決して弱さではない。「精一杯ひねり出した言葉」が一体どんな言葉だったのか、創造力がはたらく一曲だ。
ジャケット起用の市川紗椰はハーフの人気モデル。矢沢永吉や忌野清志朗、桑田圭祐など、男性ロックミュージシャンのファンとしても有名のようだ。そんな彼女が今回のジャケット起用というのは頷ける話。

～KATSUYUKIさんコメント

この曲はやっぱり、「本当の気持ちなどやっぱり言えないから」というところが僕は好きですね。言いたいけどいえない、このもどかしさ。男の恋愛感情で告白したいんだけど、できないというもどかしさがこのフレーズにも表れていると思います。ジャケット写真は、市川紗椰ちゃん。人気モデルでしたけど、今じゃニュースキャスターだから、時は流れますよね。

▽12『二人で feat.西内まりや & YU-A』

芥川受賞作・又吉直樹の小説『火花』原作のドラマ挿入歌として発表された。シングルとしても発売されている。夢に向かってひたむきな心を表現した恋愛ソングだ。
ピアノの旋律が印象に残る。ここまで取り上げた他の楽曲とは少し雰囲気が違い、ピアノに加えてヴァイオリンの音色など、壮大で美しい音楽に仕上がっている。

ひたむきに傷つき　つまずく時には　um…
いつでも　いつまでも　君の一番の味方でいるから
涙こらえ　空を見上げ　平気だって笑う横顔
その痛みが伝わるたびに　君の分まで泣きたくなるよ

優しさに包まれるような、他の楽曲の持つせつなさと少し印象の違うせつなさが含まれている。「ひたむきに傷つき」という言葉から、相手に対する信頼や愛情が見え隠れしている。傷つくことにすらひたむきだと、そっと見守ってくれているようだ。
「君の分まで泣きたくなるよ」という部分は聴き手にも気持ちがダイレクトに伝わる。誰かのために泣けることがどれだけ優しい行為なのか、歌詞の主人公に伝えたくなる。
ジャケット起用はこの曲を歌っている西内まりやとYU-A。
今までモデルの起用が多かったジャケットにおいて、実際に歌っている人が起用されているのは珍しいだろう。そのことからも、この曲に込められた想いが伝わるようだ。

～KATSUYUKIさんコメント

これは、Netflixのオリジナルドラマ『火花』の挿入歌になってた曲ですね。この曲の好きなフレーズは、「願いが叶う日まで そのときまで そっと...」という箇所です。一番最後のところ。叶わない夢もある。けれど、願いが叶う日まで、その願いが叶うように夢を追いかけるヒトを女性目線で応援している楽曲です。配信シングル用のジャケットには、歌っていただいたお二人ににお願いしました。

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SPICY CHOCOLATEの究極ラブソングベストについて、いかがでしたでしょうか？

前編、【SPICY編】もお楽しみください！

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