全員:ありがとうございます。
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▲『前作を超えた!』と本人が語るドラマストアの新曲「白紙台本」は一体どこが凄いのか?
10/18リリースシングル「ラストダイアリー」
左から鳥山昂(Guitar & Piano)・長谷川海(Vocal & Guitar)・松本和也(Drums & Chorus)
──「ラストダイアリー」、リリースおめでとうございます。今回のシングルのテーマや聴きどころについて教えてください。
長谷川:特にリード曲の「ラストダイアリー」がめちゃくちゃ難産でした。今まで以上にメンバーで密な時間を過ごしたというか、たった3曲やけれども、過去を振り返る回顧感とそれを含めて新しいことに挑戦している感じがすごく幅広く現れた1枚だと思うので、ミニアルバムと比べても遜色なく聴きごたえがあると思います。
──「ラストダイアリー」のMusic VidoeがYouTubeで公開されて1カ月経たずに再生回数が2万3千回超えていますね。楽曲だけでなくMusic Vidoeも素敵です。
全員:ありがとうございます。
──UtaTenは歌詞サイトなので今回のシングル「ラストダイアリー」歌詞も掲載しています。今回の収録曲の中で、特に歌詞に注目してほしい曲やフレーズがあれば教えてください。
長谷川:「ハロー彗星」は初期からあった曲なので、心の中で当時の自分に問いかけてみてみないと難しい部分がありました。今回1番すんなり書けたというかすごく満足度が高かったのは、やっぱり「あさきゆめみし」ですね。もうこれは完全にホームランやったよな。
松本:よかったね。いい意味で“らしくない”感じが。
長谷川:挑戦感ありつつの1曲になったんですけど、ドラマストアって結構しっかり歌詞の中で起承転結があったり、曲中でドラマが展開する曲が多いのです。その中で「あさきゆめみし」はAメロBメロに込めた歌詞の割合というか内容っていうのが、今時の言葉軽視のノリ大事みたいなニーズにあっていますね。そういうところは僕の中での挑戦やったんですよ。
僕の敬愛するシナリオアートさんが「アオイコドク」っていう曲を出されたときに、サビに『ラル』っていう言葉を繰り返すんですけど、それが実は全く意味のない言葉の羅列を並べてるだけやったんです。「その意味のないことに意味をつけるのも僕らの仕事」ってボーカルのコウスケさんがおっしゃっていて、それを思い返しながら、僕が書かないような歌詞の中にみんながどういった意味を汲み取ってくれるのか楽しみです。特にAメロBメロの歌詞はそれを意識して書きましたね。逆にそこを我慢した分もうサビは超キャッチーなメロディーに超言いたいこと詰めれて、メンバー納得のすごくいいレスポンスが来た曲でした。
──そうですね。「あさきゆめみし」はドラマストアっぽくないように感じました。
長谷川:全然ぽくないと思います。だけど、前作「白紙台本」含めてもさすがに鳥(鳥山 昂)のピアノとかそういう音楽観的な部分での幅は、ファンの方々も受けとめてくれたと思うので、「え?ドラマストアぶれ始めた?」とはならないと信じてます。
僕らは僕らとしてある軸っていうのは、曲作りの中でも和也くん(松本 和也)が率先して作ってくれてるので。「変わったな」とか「そっち系行ってもうたか」っていうニュアンスじゃなくて、あ、これも新しいドラマストアの一面として受け取ってもらえる確信を持っての挑戦でしたね。だから、作っているときも面白かったですね。これに関して言えば一瞬やった。「ラストダイアリー」はやりたいことが多すぎた。
松本:こだわりが強くなって時間かかったなぁ。「白紙台本」を作ったときに、作れば作るほどなかなか満足せんくて。これはあかん、これはあかん、これはあかんみたいのが増えてきて、その間をつくのが大変でしたね。リード曲っていうのも意識して作らなあかんし。
長谷川:しんどかった。「あさきゆめみし」はもうスタートが今までと違う挑戦やから、逆に言うと超自由。「ソロ回しする?」とか(笑)「じゃあメロ、ラスサビまで気持ちいいメロ置いといて1番メロぐっと2番に向けて下げてみる?」とか、僕のメロディーに関するところまでみんなで話し合いながら、いい空気感というか、かなりスピーディーに曲の通り駆け抜けれた曲やなって感じがしたんで、気持ちよかったですね。
──ありがとうございます。3曲ともそれぞれ雰囲気が違って人気が出そうな感じですね。
長谷川:「ハロー彗星」は寄り添う感じ、「ラストダイアリー」は背中を押される感じなのは僕らがやりたいこと、やってきたことストレートど真ん中やと思います。「あさきゆめみし」のカーブボールに対してお客さんがどういう反応を示すのかっていうのはこれからすごく楽しみですね。
「スイミー」とアコースティックワンマンの裏話
──ドラマストアの楽曲だと「スイミー」が好きなんです。ドラマストアの中であの曲の位置づけとはどんなものだったのでしょうか長谷川:オケから先に作った曲なんですよ。当時の僕らの中では、無い感じというか、テンポも速いし。ザ・ライブ感みたいな。
で、和也くんは曲作り中に「これ、ドラマストアっぽいか?これ海くん楽しいんか?」みたいな。でも曲は進むから、「やるけど」って感じでした。一方、僕の頭の中では絶対余裕やわって感じやったんですよ。
そうしたら、スタジオが終わってから和也くんからLINE来て。「大丈夫?あれ。いややったら全然リード変えていいで」って。「大丈夫やで。ありがとう」って。時間かかっちゃうときはかかっちゃうんですけど、ほんまに筆が止まることなく、多分消しゴム1回も使わへんかったんじゃないかなぐらいで書いて、「できたぁ、送ったぁ」って連絡しました。
松本:そうそう、「あ、来た」ってヘッドフォンで聴いてみたら、「めっちゃええやん」
長谷川:「天才やな」って。僕もすごくやったった感があったんですよ。当時、いろんな関係者の方やメジャーで戦ってる先輩方々から「やりたいことやってるだけの音楽やとやっぱりしんどいときは来る」って話を聞くことが多くて、ポップスやからポップス、ギターロックやからギターロックのお客さんを捕まえるためだけの音楽やと限界が来るぞって。
つまり振り幅はアーティストとして必要っていう話をされてたときにこの曲ができて。
実際「スイミー」をリリースしたあとの、今まで僕らとは関わりがなかったようなギターロック界隈のファンの方の目がぐっと向いた感覚があって、「あ、先輩方々がおっしゃってたのはこれか」と。これが違うフィールドで戦うって言ってる意味か、っていう実感がバンドとしても出てきました。今ではライブでもフェスでも重宝する曲です。多分作ってから1回もライブで外してないよなぁ。
松本:外してないなぁ。
長谷川:アコースティックでもやってるぐらい。
──では、その9月に行われたアコースティック東名阪ワンマンツアーの話もお願いします。
長谷川:この人(松本)が入院するからってことで2人でぐるっと回ったんですけど、またしたいなと思えるほど、かなり有意義な3日間になりました。
鳥山: 楽しかったですね。カバーとかやったんですけど、やっぱり思い出深いですし、いい意味で不思議な空間でした。あれは。
長谷川:緊張感のなさというか。ある種アーティストとファンという壁をしっかり取り払えた僕ららしいライブでした。しかもあんな垣根なしに。「飲んでる?何飲んでんの?カシスオレンジ?」みたいな感じでした。
松本:僕は最後の大阪のときは退院してたんで、ちょっとこいつらに内緒で行こうって言って。
長谷川:来えへんって聞いてたんですよ。僕ら残念やなって言うとってなぁ。
松本:マネージャーからは、MCで僕のことでデブいじりしてるとか聞いてたんです、「あ、こんなMCしてんねや」って。それで、最終日アンコールで僕ぱぁんと飛び出していって「おまえ誰がデブやねん!」って「え?なんで聞いてたん?」っていうくだりをしようと思ってたんですよ。
でも、最後の曲の前に「和也くんもみんなに会いたいと思ってるし、やっぱりあいつおらんと…」とか真面目なMCをしてくれていて、そのあと僕、普通にステージ行って「うわぁ恥ずかしい」って(笑)
長谷川:そう。メンバー愛ちょっと語っちゃってんなぁ。
松本:何しゃべろうかなっていっぱい考えとったんですよ。僕、耳手術したんですけど「デブ」言われて「ああ、もう耳痛いわぁ」とか考えとったのに「え?なんでおんの?じゃあアンコール行きま~す」みたいな感じですぐ最後の曲行きよって。おまえ俺のサプライズなんや思てんねん…。
長谷川:(笑)