10/23から「ラストダイアリーツアー」がスタート
──アコースティックの東名阪ツアーが終わって、リリースをはさんで10/23の神戸から「ラストダイアリーツアー」が始まりましたね。どのようなツアーになるのでしょうか?
長谷川:前回「白紙台本」で行ったところにまた帰れる喜びは結構ひとしおです。やっぱりツアーじゃないと帰りづらい地方とか、あんまり足延ばしにくい地域とかもあると思うんですけど、前回はそういうところでもしっかり待ってくれている方がいらっしゃったんですよ。それがすごくうれしかったので、その子たちに「また帰ってきたで。ただいま」って言えるのは、胸が熱くなります。
初めましてももちろん大事やと思うんですけど、2度目まして3度目ましてで、沁みて繋がっていくような曲が僕らの神髄かなと思うので。一聴き惚れもうれしいんですけど、その先があるっていうのが更にうれしいですね。
──ツアーで特に楽しみな場所はどこですか?
松本:いやぁ…順位つけるわけでもないけど…。
長谷川:ごめんやけど即答で北海道や。
松本:北海道ですわ(笑)
長谷川:めっちゃ楽しかったんですよ。人生で初めて行って、こないだのツアーでなあ。
松本:ジンギスカン食べて、お寿司食べて。
長谷川:あと、北海道にシメパフェっていう文化があるんですよ。夜中2、3時ぐらいまでバーがお酒とかドリンクとセットでパフェを出してる店が多くて。12時1時まで飲んでそのまま。
鳥山:もう閉まるよって言われましたけどね(笑)
松本:パフェをぐわぁ?食うのいややな。
長谷川:でも楽しかった。やっぱり北海道かな。
関西のバンドシーンについて
──次に、ドラマストアさんがまだ関西にお住まいということで。駆け抜けてこられた今までの関西のバンドシーンはいかがでしたか?長谷川:結成から今まで、まあいろいろあったからね。
松本:あったけど、まだ3年目なんです、僕ら。この先輩らとやりたいなってここに勝ちたいなって思ってた人らが、最近メジャーデビューとかでパッてみんな行きはって、いなくなって。僕らより上がいなくなったっていうのもちょっとおかしいけど、やれそうでやれない、ここ目指してっていうのが、「あ、いない?」ってなって…ぐらい行きはったから。でもこれは逆いうと天下とるチャンスやなとは思っています。だからこれまでっていうと難しいなぁ。
鳥山:僕から見たらドラマストアは売れてた。だからこそ、僕はサポートとして参加するのに少しの恐怖と期待がありましたね。
松本:今はメンバーなんですけどね。
長谷川:それこそ脱退があったり、和也くんの手術があったりも含めて、駆け抜けてきた中でもすり減ってしまったものも大きかったです。それをファンの方々に隠してしまうようなバンドでも人間性でもないかなと。そういう意味では心配かけたことも少なくはなかったかなとは思います。
ただ走ってきた中で得られたもの、例えばすり減ったがゆえに残った真ん中の核であったり、理想が大きくふくらんだモチベーションやビジョンであったり。そういう部分が確実に、走ってきたコケてきた、すりむいてきたからこそ、今僕らが僕らとして持ててることだと思うんです。
そこに惹かれて鳥が正式加入してくれた。それを涙しながら受け入れてくれたお客さんたちの前で今もなおライブができている。その積み重ねが僕らの音楽は間違ってなかったっという自信に繋がっています。
だから走ってきた中で、僕らから見る見え方が変わったところが大きいんやと思います。例えば、有名になっていくのし上がり方やベーシックな戦略、売れているバンドの先輩方の話とかそういう外的要因をどんどん吸収するがゆえに、今まで見えてた景色を違う見方ができるようになった。
実は、あまり周りの景色は変わっていなくて。やっぱり僕らの考え方1つで、もっとおいしくなるというか、もっとうまく料理ができるような環境が全国的にはもちろんですし関西にも僕らまだまだやり残してることがあると思っています。
──みなさんの内面の変化があって、モノの見え方が変わった。真ん中がぶれていないからそうなんですね。東京へ拠点を移そうとは思わないのでしょうか。
長谷川:まだまだ僕らお世話になった大阪に返せていないです。もっと大阪のおいしいところ見つけて、僕らがしっかりそこ狙っていけたらなみたいな。
──大阪はバンドの数自体も増えたので、埋もれてしまうバンドさんが多いですよね。もうちょっと、みんなが上に上がれるような環境になればいいなって思います。
松本:いや、みんな上来られたらちょっと困りますけど(笑)後輩増えてきたなぁ。
長谷川:でもそれは僕らとか先輩方が作ってきたシーンがよかったんじゃない?夢与えられてる証拠なんじゃないんかな。理想言うたら「おまえめっちゃいいねんから」って言ってるやつ同士で売れたら1番いいですね。
──先輩・後輩の話でいうと、今年の見放題のときに、アイビーカラーとスノーマンとニアフレンズに取材をさせてもらいました。自分が応援しているバンドを取材させてもらって、そのときに3組とも「先輩バンドでお世話になったバンドさん、尊敬するバンドさんはいますか」って訊いたらドラマストアの名前を挙げられたんですよ。
長谷川:そんなことあるん? うれしいうれしい。それはほんまに後輩のそういう中で名前が挙がるっていうのはマジで先輩冥利につきますけどね。
鳥山:僕からしたら先輩ですからね。この方々。(笑)
長谷川:ほんまや。でもほんまにうれしいです。みんなそれぞれおもしろいこと考えて、特にニアフレンズは僕らが逆に尊敬するところこそあれ、「おまえらまだまだだめやろ」なんてことは多分言えないです。
松本:ちょっとうかうかしてたらね。
長谷川:自分たちの音楽に触れる前に、自分たちに振り向いてもらおう。そっから勝負みたいなその泥臭い姿勢が若さゆえにできることですよね。今傷ついても治り早いやろみたいな。そういうところとかは尊敬していますけどね。ニアフレンズに関してはちょっと僕らがよしよしできる感じじゃないかなとは僕は個人的に思っています。
松本:まあ負けないですけどね。
長谷川:負けへんけど。
松本:でもすごいね。がんばってる。
長谷川:その姿勢は完全に見習うべきところはあります。だから名前挙げてもらってるのはうれしいですけどね。ネクストカミングは多分まちがいないでしょうし。