1. グロテスクの裏に込められた愛のカタチ「五月の蝿/RADWIMPS」

グロテスクの裏に込められた愛のカタチ「五月の蝿/RADWIMPS」

今やRADWIMPSという名は世代を超えてたくさんの人に知られている。昨年社会現象にもなった映画「君の名は。」の主題歌「前前前世」で注目を集め、国民的人気バンドになった。時空を超えて出会った2人のラブソングでありながらも映画の世界観とリンクする神秘性を秘めた一曲。

2018年1月12日


この記事の目次
  1. ・RADWIMPSの「五月の蝿」
  2. ・グロテスクな表現に隠されたメッセージとは
  3. ・「究極の愛」から生まれた「憎しみ」
  4. ・憎しみを込めたグロテスクな言葉の裏に込められた究極の愛
  5. ・RADWIMPS 最新情報
  6. ・リリース情報
  7. ・RADWIMPS Profile
RADWIMPSのラブソングでは「好き」や「愛してる」という言葉はあまり使われない。

それでも心を締め付けられるような愛が伝わってくるのだ。

逆の意味で胸が締め付けられるのが2013年に発売され、リスナーに衝撃を与えたシングルが「五月の蝿」だ。

RADWIMPSは繊細でストレートな歌詞を書くイメージが強いが、以外にもこの曲はグロテスクで憎しみが溢れた恋の終わりを歌っている。

ただその裏には深いメッセージが込められているのだ。

RADWIMPSの「五月の蝿」



「僕は君を許さないよ
 何があっても許さないよ
 君が襲われ 身ぐるみ剥がされ
 レイプされポイッてされ途方に暮れたとて
 その横を満面の笑みでスキップでもしながら鼻唄口ずさむんだ
 僕は君を許さない もう許さない もう許さないから」


緊張感のある歌いだしと冒頭の「僕は君を許さない」というフレーズの繰り返しから“憎しみ”の強さが伝わる。

ギターの特徴的なリフが圧倒的な存在感をだしており、どこか切ないサウンドが特徴だ。

二人の間に何があったのかとリスナーの興味をそそるような歌いだしである。

グロテスクな表現に隠されたメッセージとは

「哀しみや憂いの影の一つも宿さず
 かわいいと言われ慣れて 醜く腐ったその表情
 もうフォークを突き立てたいよ
 あぁ 死体 死体になった君を見たい」


“僕”からみた“君”の人間像が伺える。

明るくてかわいいと言われ慣れている“君”が、傷つけたいくらい憎い存在であるのだ。

“殺したい”ではなく“死体になった君を見たい”という表現もRADWIMPSらしい。

人間としてのカタチは残りながらも、温もりが消えて生きている人間ではなくなった死体という姿が見たいのであろう。

またリスナーが驚いてしまうほどグロテスクな表現が続く。

「君にあげた僕の言葉達よ 成仏せよ
 その身体に解き放った 愛しの僕の精液を
 お願いよ 取り返したいの
 かわいそう かわいそうで 泣きそう」


憎しみに加え、まるで愛し合った日々を悔やんでいるようだ。

しかしここからグロテスクの裏にかくされた本当のメッセージが垣間見える。

“その身体に解き放った愛しの僕の精液をとりかえしたいの”という表現はこの後歌われる“君の愛する我が子”と関連つけて考えれる。

おそらく“僕”は“君”を妊娠させてしまい、本当は大きな罪悪感を抱いていたのだ。

その大きな責任や彼女への愛情がぐちゃぐちゃになり、生まれたのがグロテスクな表現なのだ。

「究極の愛」から生まれた「憎しみ」

「空が蒼いように 華が散るように 君が嫌い 他に説明は不可
 君が主演の映画の中で 僕はそう最強最悪の悪役」


そしてここから物語が急に紐解けてくる。

ヒステリックな表現が続いていたが、ここでは当たり前に起こる自然現象のように“君が嫌い”といっている。

なんとも残酷で美しい。そして“君が主演の映画の中で最強最悪の悪役”という歌詞から、君を苦しめる存在でありたいことが分かる。

もしも本当“僕”がかわいそうであるならば、“君”が悪役でもいいのではないか。

本当は彼女のことを深く思っているから、恐怖すらも感じさせるストレートな歌詞を用いて完全でサイコパスな悪役になりきっているのだ。

「激動のはてにやっと辿り着いた
 僕にもできた絶対的な存在
 そうやって人は生きてくんでしょ?
 生まれてはじめての宗教が君です」


本当は僕にとって君は絶対的な存在であったのだ。

毎日頭を下げてなんとか生きていた僕が君と出会って恋をして強くなれたように、君は僕を変えてくれる世界に一つだけの宗教であった。

今まで“僕”と“君”の独特の二人だけの世界が歌われてきたが、“そうやって人は生きてくんでしょ”と人間の生き方が問いかけられている。

カタチを変えてしまった“許さない”という憎しみは、生きて行く上で人間が必要としていた“究極の愛”から生まれたものであったのだ。

憎しみを込めたグロテスクな言葉の裏に込められた究極の愛

「僕は君を許さないよ 何があっても許さないよ
 君の愛する我が子がいつか物心つくと
 こう言って喚き出すんだ
 “お母さんなんで私を生んだのよ”
 “母さんの子になんて生まれなきゃよかった”」


悪役として君が一番傷つくような復讐したいのであろうか。

我が子というのは母親にとって最愛の存在であり、ニ人の愛の証でもあるのだ。

そのニ人の愛の証が物心ついたころから“生まれなきゃよかった”という様子はなんとも残酷である。

「そこへ僕が颯爽と現れて両の腕で
 彼女をそっとだきしめるんだ
 君は何も悪くないよ 悪くないよ 悪くないから」


その愛の証でもある子供をそっと抱きしめるという終り方だ。

“君は何も悪くない”というのは二人が愛し合ったことは罪なんかではなかったと言っているようにも思える。

僕が君を許せないのと同じくらいに、君とずっと一緒にいれなかった僕自身も許せなかったのではないか。

TEXT:松原 千紘

RADWIMPS 最新情報

リリース情報

『RADWIMPS LIVE Blu-ray&DVD 「Human Bloom Tour 2017」』
Blu-ray&DVD
◇完全生産限定盤(Blu-ray&CD / DVD&CD)
A4サイズ三方背ケース仕様 / 64P豪華写真集付属
Blu-ray+2CD+ 64P Photobook  ¥12,500(+ tax)/ UPXH-29014   
2DVD+2CD+64P Photobook  ¥11,500(+ tax)/ UPBH-29064
内容:4/30さいたまスーパーアリーナ公演ライブ映像+アンコール集+写真集+ライブアルバム (CD2枚組)
※ライブアルバム(CD)はプレイパス対応です。(ダウンロード有効期限:2018年3月31日まで)

◇通常盤(Blu-ray / DVD)
Blu-ray ¥6,300(+ tax) / UPXH-20057
DVD ¥5,800(+ tax) / UPBH-20193
内容:4/30さいたまスーパーアリーナ公演ライブ映像

『RADWIMPS LIVE ALBUM 「Human Bloom Tour 2017」』
CD&ミュージックカード
◇ライブアルバム(CD / ミュージックカード)
2CD ¥3,500(+ tax)/ UPCH-29266/7
※2017年12月31日までの出荷限定商品
※ライブアルバム(CD)はプレイパス対応です。(ダウンロード有効期限:2018年3月31日まで)

ミュージックカード(CDサイズ紙ジャケットに封入) ¥3,000(+ tax)/ UPZH-29002
※初回生産限定商品
※CDと共通のブックレット付属
※ダウンロード有効期限2018年3月31日まで
内容:4/30さいたまスーパーアリーナ公演ライブ音源 (生産限定盤のライブアルバムと同内容を収録予定)

◆RADWIMPS 「Human Bloom Tour 2017」 Digest

RADWIMPS Profile

<RADWIMPS  BIOGRAPHY>
野田洋次郎(vo/gt/pf), 桑原 彰(gt), 武田祐介(ba)
(Dr 山口智史は持病の悪化のため活動休止中)

2001年結成、2005年メジャーデビュー。
ロック・ジャズ・ヒップホップから民族音楽まで縦横無尽に織りこまれ、「ジャンル」という既存の枠組にとらわれない音楽性。恋愛から死生観まで、哲学的、時にロマンティックに描き出した歌詞。大きなメディア露出がなかったにもかかわらず、ライブと口コミで着実に広がり、シングル「オーダーメイド」「DADA」ではオリコン・ウィークリー・チャート1位を獲得、思春期を過ごす世代を中心に大きな支持を受けている。

メジャーデビュー10周年を迎えた2015年は、次なる大きな飛躍を感じさせる一年と成った。ボーカル・ギターの野田洋次郎は、初となるエッセイ「ラリルレ論」(文藝春秋社)を上梓し、ベストセラーとなる。また、初出演・主演を務めた映画「トイレのピエタ」では毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し多彩な才能を発揮した。

バンドとしては、秋に初となるヨーロッパツアー(パリ/ケルン/ベルリン/ロンドン)と二度目のアジアツアー(ソウル、台北)を敢行 (同時期にDr.山口智史が持病の悪化により活動を休止)。帰国後は敬愛するアーティスト(米津玄師/きのこ帝国/plenty/LOVE PSYCHEDELICO/ゲスの極み乙女。/ハナレグミ/クリープハイプ/Spitz/いきものがかり/ONE OK ROCK/Mr.Children)を迎えて、こちらも初となる対バンツアーを実施。

年末には幕張メッセでワンマンライブを行い、3万人強のオーディエンスを熱狂させた。これらのツアーを追ったドキュメンタリー映画「RADWIMPSのHESONOO」を2週間限定劇場公開し話題となった。

2016年夏公開となった長編アニメーション映画「君の名は。」の音楽全般を担当し、バンドサウンドのみならず劇伴音楽でも多彩な作曲性を発揮し、非常に高い評価を得る。同年11月には早くもニューアルバム「人間開花」をリリース、年末には「第67回 NHK紅白歌合戦」へ出演。

2017年2月22日に映画『君の名は。』主題歌4曲を英語詞で新たに書き下ろした「君の名は。English edition」をリリース。

2月25日のマリンメッセ福岡公演からスタートし全国12ヶ所21公演を敢行した全国ツアー「Human Bloom Tour 2017」は、その後6月から7月にかけて6か国・地域8公演のアジアツアーに発展。大成功をおさめる。

5月10日に最新シングル「サイハテアイニ / 洗脳」をリリース、今夏はFUJI ROCK FESTIVALをはじめとする数々のフェスへの出演し、各地を沸かせた。

<RADWIMPS Official HP>
http://radwimps.jp/

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