「青春フォトグラフ」歌詞の意味は？“思い出を撮る”卒業ソングを考察

日常に寄り添った"卒業ソング"

Little Glee Monsterは女子中高生で構成されるコーラスグループです。通称リトグリ。リトグリは昨今の若手女子中高生グループでは珍しく歌で勝負しているグループ。

そのリトグリが2015年3月に発表したこの曲は卒業ソング。卒業する思い出を写真に残そうという歌です。サビで「最高の顔でポーズ！(ポーズ)」「最高の顔でピース！(ピース)」と掛け合いをする構成。

卒業ソングは基本「旅立ち」を歌うものが多いです。今作もそんな「旅立ち」の瞬間を歌ってはいます。しかし、この曲の歌詞が良いのは「写真を撮る」という行為にフォーカスしているところ。あくまでも「日常」に寄り添うのです。

実は数々の卒業ソングの歌詞を見ても「写真を撮る行為」にスポットをあてた曲は意外とありません。これは携帯の普及で「写真を撮る」という行為が日常化してきたことの表れでもあります。

青春フォトグラフ

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ねえ いつもどおり ふざけた顔で
最後に写真を撮ろうよ
≪青春フォトグラフ 歌詞より抜粋≫
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この歌詞も価値が置かれているのは「いつもどおり」。

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ありふれた 毎日は 全部 記念日だった
≪青春フォトグラフ 歌詞より抜粋≫
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ありふれた毎日に重きを置きます。「日常」に寄り添い、日常的な行為であった「写真を撮る」ことで最後に思い出を作る内容。また良いのが、強がっている歌詞です。

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笑いすぎて涙が 出て来ただけ
ああ 寂しくなんかない マイ・フレンズ

可笑しすぎて 涙が出て来ただけ
ああ 笑わせないでよ マイ・フレンズ

平気なふりをさせてよ ねえ
最後まで強がらせて
教室を出た瞬間に
みんなに背中 向けて思いっきり泣くから
≪青春フォトグラフ 歌詞より抜粋≫
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共に強がっています。これも「卒業式は日常の延長だし寂しいことなんかない、けれどどうしても涙が出る」という微妙な気持ちを歌詞にしています。ここも「日常」に寄り添う気持ちの表れ。明るい曲調、疾走感のあるリズムがこの「強がり」や「日常」を強調します。

●青春フォトグラフ

銭湯で歌うバラードも！？

ちなみにこの曲は、銭湯でバラードアレンジで歌うバージョン『青春フォトグラフ バラード編』もあります。バラードアレンジだと歌のうまさがより際立ち、特にコーラスがきれいなことがよく分かりますね。

●青春フォトグラフ バラード編


ちなみにこの銭湯動画のメンバーの背後に謎の富士山型のゆるキャラがいます。微妙に歌に合わせてゆれているこのキャラは、お湯の富士という江戸川区浴場組合公式キャラ。「銭湯に入りに行くっすぅ～」という口調でしゃべります。

こういう面白キャラが『青春フォトグラフ』に映りました。これはMVとしては些細な日常。しかし、こういうちょっとした日常を積み重ねて良いグループになってほしいと思います。

このグループはまだ始まったばかり。より良い『青春フォトグラフ』を撮っていってほしいですね。

TEXT：改訂木魚（じゃぶけん東京本部）