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MONKEY MAJIKが捉えた、眠らない光の森、東京。そして、日本とは…。【インタビュー】

3月21日に最新アルバム『enigma』を発売するMONKEY MAJIK。彼らの新境地を開いた作品について、4人にじっくり話を伺った。

2018年3月21日

Interview

長澤智典


この記事の目次
  1. ・日本という国は、とても神秘的で不思議な国というイメージ
  2. ・東京は、日本の中心。それを僕らは"光の森"と例えました
  3. ・80年代の日本の音楽と言えば、僕の大好きな松田聖子
  4. ・MONKEY MAJIKはバランスを持てないバンド
  5. ・たっぷりサイズだから、行楽用のお弁当箱としても使えるように
  6. ・各地にラーメンが待っているから、ぜんぜん大丈夫(笑)
  7. ・プレゼント応募について
  8. ・MONKEY MAJIK 最新情報
  9. ・ツアー情報
  10. ・MONKEY MAJIK Profile


日本という国は、とても神秘的で不思議な国というイメージ

──まずは、アルバム『enigma』を作るに当たっての狙いから教えてください。


『enigmaーエニグマー』

Maynard:アルバム制作へ入る前から、すでに何曲か楽曲は出来ていたんだけど。それらの楽曲を並べたときに感じたのが、「どれも、何となく日本を意識した楽曲だなぁ」ということ。そこから、メンバー内で「今回のアルバムは、何かしら日本を感じさせる楽曲を作ろう」という話になり、そのうえで、いろんな角度から日本を捉え、それらを曲にしていこうとなりました。
それは歌詞の世界はもちろん、使った楽器だったりも、そう。和楽器を使えば、ビンテージのシンセを使った遊び心も発揮。中には、アニメーションのタイアップ話から、MONKEY MAJIKなりに捉えたジャパニメーションという意識のもとインスパイアされた楽曲も作りながら、結果的にすごく神秘的なアルバムになりました。

──収録曲自体、とてもバリエーション豊か。それは狙ってのことですか?それとも、楽曲へ導かれた結果、そうなった形なのでしょうか??

Blaise:今回のアルバムでは1曲ごと、その曲の表情に合うサウンドスタイルや歌詞を求めたように、「曲のテーマごとにアタックした」形でした。加えて、先にアニメ「サイボーグ009」のタイアップ曲として流れていた『A.I. am Human』と『Is this love?』を並べて聴いたら、その流れがとても心地好かった。そこからもイメージが広がれば、その流れも含めた中で生まれた楽曲もあったりと、いろんなアプローチがありました。

──タイトルへ記した『enigma』を、みなさんは「enigma=神秘、謎、解き明かせないもの」と解釈しています。『enigma』というタイトルも、アルバム制作を行ううえで最初から決めていたものなのでしょうか?

Blaise:いや、『enigma』というタイトルは、アルバム曲がすべて並んだうえで、最後に決めています。というのも、収録曲を並べたときに、「とても日本らしいアルバムだなぁ」と思えた。何より日本という国は、海外から捉えた場合、とても神秘的で不思議な国というイメージがある。それは、重ねてきた歴史的な面からも言えること。僕ら自身、そのイメージからインスパイアされ楽曲を作った面もあるように、『enigma』というタイトルをこのアルバムのイメージと重ねあわせたとき、まさにパーフェクトな組み合わせだなと思い、それで名付けました。


東京は、日本の中心。それを僕らは"光の森"と例えました

──東京を舞台に描いた『Tokyo lights』の中、東京という都市を、歴史と先端文明の入り混じる象徴として捉えていません??


TAX:東京は、日本の中心。それを僕らは"光の森"と例えました。その光る森には、人間だけが行き交っているわけではなく、日本に棲むあらゆる生物が東京の日本橋を起点に行き交っている。

──えっ、日本橋が東京の起点なんですか??

TAX:日本橋には麒麟と獅子の像が設置してある。それを僕らは日本の象徴として捉え、そこから神秘的な世界を広げていけたらなぁと思い、その地を起点に据えました。言うなれば、日本に於けるグウランド・ゼロ。そこから、すべての物語が繋がっていきます。

Blaise:よくハイウェイの標識に、東京まであと何百キロと出てくるじゃない。そのゼロ地点。つまり、グラウンド・ゼロをこのアルバムでは日本橋にしたわけなんです。

──『Tokyo lights』には、外(海外)から観た日本という視点も入っていません??



Blaise:日本にはもう20年くらい住んでいるように、だいぶ日本人と同じ感覚にはなったけど。日本は、本当にモダンクラシックな面がすごいよね。とてもハイテクな家なのに、中に入ると、みんなこたつを囲んで団欒していたり。食事も、昔からの家庭料理が並んでたり。いくら文化が進化しようと、日本らしさを大切にしながら暮らしているなというのは、今でも感じること。

Maynard:海外の研究者や作家などが日本について語るとき、よく「enigma」という言葉を使って表現しているんですよ。それは、「神秘的な国」としてや、「過去をとても大切にしながらも、先端も追いかけている国」としてだったり。何より、「伝統文化と先端文明とのパラドックスが多い国だ」とよく評されている。
きっと、長く歴史を重ねた国であれば、それは何処の国にもあることだと思う。日本は、中でも東京は、そのパラドックスな面も含め、とても魅力を感じる場所なのは間違いないこと。

──今の日本は、確かに伝統と進化をミックスさせている面はあります。でも、一時期の日本は伝統をないがしろにしていた面もあったなとも感じてしまいますけどね。


Maynard:僕が好きで惹かれた日本は、80年代の日本。それこそ鉄腕アトムや機動戦士ガンダムじゃないけど、つねに未来へ向けて進化を求めてゆくのが日本人だと、輸入されたそれらを見ながら勝手なイメージを持っていました。だけど実際に日本へ来てみたら、じつはトラディッショナルな国で、とても過去の文化を大事にしていた。そこに新鮮さを覚えたんですよ。

僕ら(Maynard&Blaise)の生まれ故郷であるカナダは、まだまだ国としての歴史が短いから、過去へ視線を向けるよりも、つねに新しいものを追いかけ続けている。別の捉え方をするなら、自分たちのルーツがない。だから、みんな自分のルーツとなるものを探している。実際、カナダの人たちは「俺はアイルランド系のカナダ人」「俺はイタリア系のカナダ人」と自己紹介するんですよ。そこで、「あなたは二世代目ですか、三世代目ですか?」と聞くと、「いやいや、ひいおじいちゃんの、そのまたおじいちゃんが」と言うわけ。それくらい、かなり遠いルーツの話なんだけど。でも、そこへ自分のルーツやアイデンティティを求めたがる傾向がある。それは、カナダ自体が若い国だから。でも、日本人でそれを語る人っていないじゃないですか。何故なら、それを語る必要性がないくらい、日本という国に自分の精神が根づいているからなんですよ。



DICK:MONKEY MAJIKって日本(という存在)からいろんな影響を受けながら音楽を作ってはいるけど、住んでいるのはみんな仙台のように、これまで東京の先端にいるからというアプローチはしてこなかった。だけどあえて今回、東京へ視点を向けたのは面白いアプローチだなとは思うよね。


80年代の日本の音楽と言えば、僕の大好きな松田聖子

──『Venom』では、女性ヴォーカルも加え、とても和で雅な音楽的アプローチを施しましたよね。


Blaise:昔もMONKEY MAJIKはHIP HOPのビートの上にメロディアスな歌を乗せつつ、そこへR&Bと民謡をミックスした女性ヴォーカルを入れたアプローチで楽曲を作ったことがあるんだけど。『Venom』を作っている中、和要素の中へ、R&Bや演歌をミックスした女性ヴォーカルを入れたいと思い、そういう楽曲へチャレンジ。結果、世界が終わりそうなすっごい悲しい曲が生まれた。この歌、聞いていて涙がポロリとなりそうだからね。

──『Venom』の中から聞こえてくる女性の歌声は、胸にグッと突き刺さり、心揺らす衝撃がありました。

Blaise:とても美しいのに、今にも泣きそうな歌声だからね。あのアプローチは、演奏をしていてとても楽しかった。今回も、そう。違うジャンルの音楽とフュージョンしてゆく作業は、毎回難しいんだけど。結果的にやり甲斐があれば、制作自体とても面白いチャレンジでしたからね。 



──『enigma』へ収録した楽曲のどれもが、多彩な音楽ジャンルとのフュージョンみたいなものですからね。

Blaise:そうだね。洋楽と日本のトラディッショナルな音楽との融合。それこそが、このアルバムのテーマでもあったことだからね。

──このアルバム、曲順の流れも聞いていて心地好いですよね。

Blaise:こういう流れをと意識したわけじゃなかったけど、結果、はまるべくしてはまった綺麗な流れは出来たなと思っている。

Maynard:アルバム制作の中、最後に生まれたのが『Seiko』という曲なんだけど。僕の中では、日本と言えば80年代。きっかけは、バンクーバーで開催になった万博へ遊びに行ったときに訪れた日本のパビリオンを体験し、すごく感動したことから。あそこには、他のパビリオンとは明らかに違う感動や刺激があった。そこから日本を好きになったんだけど。

自分の中での80年代の音楽と言えばニューウェイブであり、海外から観た当時の日本のイメージと言えば、映画「ブレードランナー」的な世界。そこからインスパイアを受け、ビンテージシンセを使った楽曲をと思って作りあげたのが『Seiko』でした。しかも僕は、女の子の名前をタイトルにしたいと思っていた。最近でこそ、女の子の名前をタイトルにすることって見かけなくなったけど。80年代はよくあったじゃないですか80年代の日本の音楽と言えば、僕の大好きな松田聖子。そこから彼女へのオマージュソングとして誕生したのが、『Seiko』なんですよ。

──歌を聞いていても、とても愛おしい想いが伝わってきますからね。

Maynard:たとえばの話、誰かが「Maynard Maynard」と歌ってくれる楽曲があったら、僕はとても嬉しくなる。むしろ、そういう曲を作ってもらえることが一番の褒め言葉にも思えること。だから、そういう想いを持って、僕はこの『Seiko』を作っています。もちろん、歌詞だけではなく楽曲の面でも80年代を感じてもらえたらなと思ってる。



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