等身大の“春”を描いたアルバム
──お互いの曲から好きなフレーズを教えてください。田中:僕は『夕空小道』の「幼い頃とは少しだけ変わって見える」っていう所が好きです。ここはあるあるだなーって思うんです。たまーになんですけど、お世話になった先生とかに会いに通っていた小学校に行ったりすることがあるんですよ。その時に教室入るとこんなんだったっけ?ってすごい思ったりして。このフレーズにはそういう、時間は過ぎていくんだなっていうちょっと寂しい気持ちが感じられて好きです。あと、曲の最後の方に「気づいた時にはカラスはいなくなった」っていう所があるんですけど、その前の一番のBメロで「カラスはカーカーとおそろいで鳴いているし」っていう部分で伏線がはられていて。ちゃんと一つの時間軸として夕日が沈んでいく情景を上手い事表現しているっていうのが、すごいなーって。
髙田:田中さんの解説のおかげで改めて良い曲だなって思います。(笑)
田中:リアルに小説を読んでいるような言葉選びだったりするので、すごいなーって思いますね。
──では髙田さん『でぃすとーしょん』から好きな歌詞を教えてください。
髙田:『でぃすとーしょん』で一番好きな所はサビの「今日のところはひとまず撤退」っていう所ですね。ここがなければ、さくらしめじの反抗期ソングじゃないなって。ひとまず撤退をする事によって、らしさが出るというか。ここはいいなって思いました。反抗期じゃなくて、プチ反抗期なんですよ。そのプチの所がすごくわかりますね。
──『でぃすとーしょん』をひらがなにしているのもプチ反抗期感を出すためですね。
田中:そうですね。ちゃんと反抗出来ていない感じっていうのがあります。
──最後にアルバムの告知をそれぞれお願いします。
田中:今回のアルバム「ハルシメジ」は、このタイトルからもわかるように“春”を感じさせる一枚になっております。春って新しい出会いとか沢山あると思うんですけど、このアルバムでは僕たちの新しい部分が見える曲調だったり、自分たちの気持ちをそのままこめた歌詞だったり、また新しいさくらしめじが見える一枚になっているんじゃないかと思っていますので、皆さんにぜひ聴いて頂きたいです。
髙田:ファーストアルバムという事で、さくらしめじの事をこのアルバムから知る方も多いと思うんです。今までファンだった方にももちろん楽しんでいただきつつ、これからさくらしめじを知っていくよという人にも、さくらしめじってこういうアーティストなんだってわかってもらえるような一枚になっていると思います。
同じ曲でも人それぞれで捉え方が違うように、このアルバムを聴いてみなさんそれぞれの自分なりのハルシメジを育てていってほしいなと思います。
TEXT:愛香
PHOTO:片山拓
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