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ゆずの『夏色』が「ゆっくりゆっくり」どころか全力疾走な理由

ゆずの代表曲『夏色』。1998年の曲でゆずの代表作となっています。

ゆずの代表曲『夏色』


この楽曲は、1998年に発売された楽曲でゆずの代表作となっています。亀田誠治が司会をつとめたNHK教育の番組「亀田音楽専門学校」でも取り上げられた曲。岩沢と北川のパートわけで進む歌いだし。

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駐車場のネコは
アクビをしながら
今日も一日を過ごしてゆく
何も変わらない
おだやかな街並
≪夏色 歌詞より抜粋≫
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と夏の風景を見せつつ、歌い分けることで、「声」でメンバーの自己紹介をしています。

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みんな夏が来たって
浮かれ気分なのに
君は一人さえない
顔してるネ
≪夏色 歌詞より抜粋≫
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ポイントは「ネ」?


この「顔してるネ」の「ネ」をカタカナにしているのがポイント。この「ネ」がカタカナになっていることで照れ、親しみを表現しています。こういったところに表れるゆずの親しみやすさ。

「そうだ君に見せたい物があるんだ」のすぐ後、間髪を入れずに4分の2で「大きな五時半の夕やけ」が入ってきます。ここだけイレギュラーなリズム。

なぜ「大きな五時半の夕やけ」を間髪入れずに突っ込んで、わざわざ4分の2拍子にして歌いだす必要があったのでしょうか?

これは観客に足を止めてもらう為の工夫です。ゆずはストリートで歌っていました。街角では次々人が通り過ぎてなかなか足を止めて音楽を聴いてもらえない。間奏が長いと、それだけで観客が離れていく…。

この為「間奏を少しでも短くしてお客さんの足を止める」という必死の思いがこの間髪を入れない「大きな」に込められているのです。ストリートライブで観客の足をとめるため、というのがストリート出身のこのデュオらしい工夫ですね。

そもそもサビで「ゆっくりゆっくり下ってく」と歌うこの曲。なぜ「ゆっくり」という歌詞なのにも関わらずやたらと速いテンポで歌っているのでしょうか?

ホントはもっとスローテンポな歌だった!?

ゆず アーティスト写真
実はこの曲はもともとはゆったりしたテンポの曲として生まれていたのです。フォークソングのように、歌詞の世界どおりにゆっくりのテンポで歌っていたこの曲。演奏するうちにどんどん速くなっていき、さらに間奏まで短くなったのでした。

歌詞の中の主人公が「君に見せたい物があるんだ」と言うとおり、ゆず本人達も自分達の音楽を見せたい、聴かせたい思いがあったんですね。その熱い思いがやたら速いテンポ、高いテンションを生んでいます。

この曲は今や、一度演奏が終わったら観客が「もう1回!」コールをして、北川が「バカヤロー!」と叫んでまた演奏するところまでセットになっています。

今やテレビ披露でもこのかたちでやるゆず。夏色はその色をどんどん変えてきたんですね。

TEXT:改訂木魚 (じゃぶけん東京本部)

▷ゆず北川悠仁 公式インスタグラム ▷公式サイト

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