希望と涙の割合が、私はちょうどいい「Early Days」
──新曲についておうかがいしたいと思います。「Early Days」は、雰囲気として「大人になった瞬間」の印象を描いたもの、という向きがあるのかな、という感じがあります。例えば暁月さんもこの詞の世界観を強く感じることもあるかと思いますが、この世界観のような実感を実際に経験したことはありますか?
凛:それは死ぬほどあります(笑)。まあ大人になる年齢層って、普通の方々でいえば、就活や新社会人、大学卒業をするとか結婚される方とか、いろんな方がおられると思いますが、同時にこの時期はいろんな生活、人生が次のステップに上がる段階だとも思うんです。
だから私自身ももちろんですけど、いろいろ大人になっていくということに対して、もちろん楽しさもあり、悲しい時もある。その意味では、この歌詞はすごく共感したし、悲しい部分があって、希望の部分があるというところは、私自身の道のりに似ている。だからそういう部分が伝わるといいなと思っています。
──よく考えると、先程言われた“ひねくれた考え”を持たれている時点で、実はもっと若い時期からこのような詞で描かれているシチュエーションを受けられているという印象もありますね。
凛:確かに。年齢だけではないんですが…実は私は、中国の出身なんですが、子供の頃はそこでそういうことを考え過ぎるタイプの人間でした。普通の人では辿らない人生を歩もうとしたんです。
12歳くらいの頃から、将来は通訳になるというもう一つの夢も持って、日本語も学んでいました。私自身は、何か思いついたらすぐやろうというタイプの人間なので、それなりに無駄なことをする一方で、それなりに成長もあったりとか、もっと早い段階に成長した部分も沢山あります。
──そうでしたか。でも「普通ではない人生を歩みたい」と考える人は、意外に沢山いるような気もします。そんな中で、今のこの時点で成長できたか、という部分ではいかがでしょうか?
凛:デビュー2年目での生活を通じて、いろいろに勉強になったところは、確かにありますで、で、これから3年目に入るけど、今はすごく大きな時期だとも思っています。だって演歌にも「3年目の浮気」っていう曲がありますよね?(笑)。3年という時期。私もいろいろ自分に期待もしているし、希望もあるし。
──なるほど。今回はこれまでも作詞作曲を担当された湊貴大さんですね。
凛:そうですね。私は小さい頃から湊さんの曲から好きで、すごく崇拝しているんです、神として(笑)。基本的に私は湊さんの曲は全部大好きで、例えば今回の曲でも「私がこういう曲が好きとか」先に伝えて無くても、ある程度通じているんじゃないかと思うくらい。
今回は希望があふれている曲になったけど、普通はそういうタイプの曲って、もっとストレートに希望の部分が多かったりすると思うんです。でもこの楽曲のAメロ、Bメロの部分には、闇や涙の部分がある。この曲で表現されている希望と涙の割合が、私はちょうどいいと思っているんです。
──なるほど。すごく春らしく爽やかな感じの曲なのに、歌詞にはなんと切ないことか…と思わせる感じがあります。アニメ『実験品家族 -クリーチャーズ・ファミリー・デイズ-』のほうは、既に放送を開始しましたが、こちらはいかがでしょう?もともと原作も読まれていたのでしょうか?
凛:読んでいます!アニメでも描かれていますが、すごく普通じゃない家庭というか。
──確かに。私も第一話から観ましたが、スタートから登場人物が、切なさを感じさせますよね。
凛:そうなんです。私は子供の頃からアニメの世界に憧れていて、自分が普通であることに対してすごく不満だったんですけど、このアニメが面白いと思ったのは、逆に普通じゃない家族の生き方を描いていること。それもそれでつらいことがあって、成長しなければいけないところがあるなんて、面白い。
もう一つは、私はタニス(物語の中心となる家族の、一番末の息子で、唯一実験台にならなかった子供)とすごく共感できているんです。私は12歳から「子供のオッサン」みたいな生意気な感じで(笑)、タニスも大人ぶっているところもあって、兄弟の中で一番しっかりしているかもしれないけど、やはりまだ子供。子供だけど大人という、すごく人物像が豊富というか、立体的だなと思いました。だからすごく共感しました。
──私も“この家族は、将来幸せになるといいな…”と思いながら見ていました。もう一つの、ゲームアプリ『ワイルドアームズ ミリオンメモリーズ』の主題歌「Million Memories」ですが…ちなみに暁月さんはゲームはやられますか?
凛:ゲームは余りやらないですね。でも今回はこの曲の世界観を見てカッコいいな、と。
──「Early Days」と比較すると、かなりハードな感じですよね。暁月さんとしては、どちらかというと「Million Memories」の世界観のほうが得意なほうですか?
凛:確かにハード。まあ私は基本的にオタクで(笑)、子供の頃から幻想的な世界観が好きだったんです。「Early Days」はちょっと現実的な部分があるし、一般の方にも人生と重なる部分があると思うんですけど、この詞に描かれているように“荒野の果て”に流れることは余り無い…その果てで口笛を吹くことは無いので(笑)。その意味では、これは対照的にファンタジーな世界観だと思います。得意というか、慣れているほう。本当に子供の頃から、こういう幻想的な世界観が好きだったので。
人の心に棲みつくようになることが、一番の欲望
──なるほど。ではここで、それぞれの曲のピックアップフレーズを教えていただけますでしょうか?まず、「Early Days」ですが…凛:一番ピンと来たのは、サビの「迷って立ち止まって 繰り返していく 涙流しながら 笑って生きていこう」という部分が、私は一番かと思います。一番の中心的なところだと。
──表現が時代劇『水戸黄門』の主題歌的ですね(笑)
凛:(笑)。でもこれが言いたくて、この歌詞があると思います。どれだけ覚悟しても、将来は絶対いつか涙を流すこと、唇をかみ締めて、泣いて震えることもあります。それを知った上で、前に進むと決める気持ち。それを表したこの部分が、曲の中で一番のところだと思います。
──確かに、一番響くところですね。「Million Memories」のほうはいかがでしょう?
凛:こちらもサビの部分ですが「いつだって答えは 自分の内(なか)にある 信じよう 張り裂ける衝動」のところです。
──なるほど。何か「Early Days」のお気に入り部分と、印象がダブる感じがありますね。
凛:大学で文学を勉強しているからでもあるんですが、私は一番核心に近いフレーズを探すのが好きなんです。2曲とも一番言いたいことに近いフレーズとなると、この2箇所だと思う。「いつだって〜」という部分は、自分のこと、自分の思いを信じる勇気の物語だと思うんですよね。
──なるほど。では、こういうイメージの詞を書いていきたい、「いつかやってやる!」という感じで(笑)
凛:そうですね!いつか本当に書いてみたいです。
──またそんなご自身の創作を含め、将来的にはどのように活動していきたいと考えられていますか?
凛:人の心に棲みつくようになることが、一番の欲望じゃないかなと思っています。人の心に棲みついたり、人の心を動かせる、しかもそれが絶対100%良いキャラクターじゃなくて、何か象徴的な人物、例えば『新世紀エヴァンゲリオン』でいう、リリスみたいな存在になりたい(笑)
人の心に棲みつく、ずっと覚えてもらえるような存在になりたいです。例えば別に大きなステージでなくても、小さなステージで歌っていてもかまわない。私はまだ作曲ができないんですけど、作詞は頑張って、歌ももちろん頑張り続けて…と、そういうことを通じて、人の心により大きな存在になれるようになりたいですね。
──自分の気持ちの中には、“アニメ”“アニソン”が棲みついたので、そういう気持ちともオーバーラップしているという感じでしょうかね。自分も同じようになっていきたいと…
凛:まさしく。私は子供の時からいろいろひねくれた考えを持っていたけど、その時に救いになったのがアニソンでした。「私はバカじゃない!美しい世界に憧れているから、こんな人と違うことを考えているだけで、私は絶対化け物でもなんでもない!」という確信ができたんです、アニソンのおかげで。
だから私は、もっとアニソンの世界の一員になって、今でも同じ悩みを抱えている子供や、そして大人の方もそうですが、そういう方の一つの支えというか、大きな存在になれたらと思っています。それが例えば私の中では、タイムスリップして、自分のことを救ったことになるとも思うし。
Text:桂伸也
Photo:愛香
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