コヤリっていう言葉をどうしても使いたくて。
――『▶START』はTVアニメ『パズドラ』のEDテーマにもなっており、楽曲にもパズドラの連鎖の音を取り入れていますね。ウイ・ビトン:あれは、『パズドラ』のタイアップが決まったっていう話を聞いてから、どうしても入れたいなって。それで『パズドラ』の方に、「あの音を使ってもいいですか?」という確認をとって、見事「いいですよ」と言って頂いたんです。
――全編通して元になっているのは、「アルプス一万尺」なのでしょうか?
ウイ・ビトン:元にしてますね。
――歌詞に「魔ショ」っていうワードが出てきますが、これは普段の楽曲でも加えたりしているのでしょうか?
火寺バジル:使ったことがなかったんです。「アルプス一万尺」には、「さぁ踊りましょ」っていうワードがあるので、それにかけて入れています。
――『▶START』は皆さんで歌詞を書かれているのでしょうか?
火寺バジル:基本的に色々分担していて、『▶START』は私と元メンバーのあだるとゆうくんがメインで書いています。
――出だしの歌詞はカタカタですが、ここで発言している内容はカッコいいフレーズですね。コヤリっていうワードも入っていますし…。
gari:(笑)ここはシャウトなんですけど、コヤリっていう言葉をどうしても使いたくて。「アルプス一万尺」でコヤリの上でっていう所があると思うんですけど、あのワードが昔から凄く気になっていたんです。それで、コヤリを調べたら山のてっぺん部分だという事を知っていって。コヤリ先行で、この歌詞が出来ていきましたね。
――『▶START』の歌詞を書く上で、こだわったポイントを教えてください。
火寺バジル:アニメらしさみたいなものも入れつつ、私たちらしさもちゃんと入れたかったんです。私たちも何か目標があって、頑張っていくぞという想いがある、そしてアニメの主人公にもプロゲーマーになるぞっていう目標がある、そういう夢に向かっていく所は一緒だと思ったので、上手く私たちらしく出来たらいいなって。
子供も大人も楽しめる曲にしたいという気持ちがあったので、わかりやすくてキャッチーな曲に寄せました。あと運動会で使ってくれたらいいなって思いましたね。
――皆さん、『パズドラ』のゲームはやられていますか?
ウイ・ビトン:今回、『パズドラ』のタイアップが決まってから僕はインストールして。まずどういうゲームかっていう所を知りたかったので、やってみて。そしたら連鎖の音が気持ちのいいっていう印象もあって、これだけは入れようっていうのはゲームをやってから決めましたね。
――お気に入りのキャラクターはいますか?
ウイ・ビトン:僕がやっていたとき、自分が好きな『ザ・キング・オブ・ファイターズ』っていう格闘ゲームとコラボしていたんですよ。それで、その主人公を当てたいって思っていたんですけど、全然主人公が当たんなくて。チクショーっていうのはありましたね。(笑)
『▶START』でお気に入りのフレーズ
――『▶START』の中からお気に入りのフレーズを教えてください。火寺バジル:私は「泣いたり笑ったり凹んだりどんな日も」っていう所がメロディーと凄く、マッチしていて。キャッチ―に歌詞が書けたから凄く嬉しかったんです。「~したり」っていうのは幼稚な表現なんですけど、そこがむしろ子供っぽくて良いかなって思って、自分の中でお気に入りです。
gari:やっぱり「コヤリ」だね~(笑)「コヤリアルプスイッツマイジョーク」が好きです。基本、歌詞はほぼ作ってからレコーディングにのぞみますが、レコーディング現場で歌詞を変えちゃったりもするんですよ。
レコーディングスタジオにバジルさんもいたとき、歌詞をどうしようかっていう話をしていて、最後の一行を変えて英語を入れたいって言ったんですよ。それで簡単な英語を見ていく内に、「イッツマイジョーク」っていうフレーズが出てきたんです。しかもそれが「アルプス一万尺」の「一万尺」に聴こえるじゃんってなって盛り上がって。「イッツマイジョーク」っていう意味も、「一万尺」って歌ってる上での「イッツマイジョーク」だから、ダブルミーニング的でいいなって。
まあ、とにかくコヤリを出せた事が一番嬉しいですね。あと、この箇所が、カタカタで書いてある理由は、英語がばーって書いてあると、僕が小学生だったら嫌かなって。アニメのOPのテロップで歌詞とか出ると思うんですけど、そこに英語で書いていたら読めないだろうし。だからカタカナなんです。
ウイ・ビトン:僕は「ドン!」が好きですね。あとは、「ゴールはあと少しだよ!両手を上げてみんなで掴もう大勝利✌(ピース)」とかです。仮歌で歌っていたりするんですけど、その時に歌っていて、すごく気持ちよかった響きがここだったんです。
明治:同じ箇所になってしまうんですけれど、大勝利のあとにくる「✌(ピース)」が好きです。私、前向きな曲って押しつけがましく感じちゃったりするんです。「気持ちは嬉しいよ。でも今はそれじゃない、そっとしておいて」って思う事ってあるじゃないですか?
それをこの✌があることによって、「そんな深く考えなくてもいいよ」って言ってくれている所が、凄く軽くなっている気がして。こんなに励ましてくれている歌詞なのに、最後「それかよ」みたいな(笑)その軽さが出ていて好きですね。
――歌詞に「めちゃくちゃ怖いステージも」という部分があるので、これにちなんでこの4年間で怖いなとか、びびったステージってありますか?
火寺バジル:私は、一昨年の『KNOTFEST』が一番緊張しました。オープニングアクトで出させてもらったんですけど、私たちの事を見たことがない人が凄く多いし、海外アーティストも多い中だったんです。
gari:Slipknotっていう外国のバンドが主催しているメタルのお祭りみたいなフェスで。
火寺バジル:そういう耳も目も肥えたお客さんたちが、私たちを見てどう思うのかな?って思っていて。Slipknotも怖いお面とかを付けているし、強そうな感じが凄いしたんです。でも、『おジャ魔女どれみ』のOP曲「おジャ魔女カーニバル!!」のカバーをやったときに、そこでハートがキャッチできたんです。「こんな所でアニソンのカバーを聴けるなんて!なんて最高にロックなんだ!」みたいな形で受け入れてくれたんですよ。それで楽しくできました。自分の中でも伝説になっていますね。
ウイ・ビトン:あのとき、自分らの可能性を感じた所はあったよね。
火寺バジル:でも私なりのめちゃくちゃ怖いステージでしたね。