4th single『▶START』 (通常版)
魔法少女になり隊の色
――カップリングの『変幻自在のスパーキングZ』は『▶START』と似ているテーマ性ですよね。火寺バジル:そうですね。背中を押す前向きな曲は私たちには多いです。
――歌詞の2行目に「お城の中にも無いかもしれない」とありますが、この「お城」は皆さんの中で、何かの例えだったりするのでしょうか?
火寺バジル:RPGをコンセプトにしているバンドなので、「お城」とかを書くとファンタジーらしさが出てゲームっぽい感じの要素になるんです。それのおかげで魔法少女になり隊の色が出てくるので、入れています。
――「カラフルにピープル変換混ぜ重ねてSO SWEET BLACK」とありますが、これはどういった意味になるのでしょうか?
gari:ここはシャウトの歌詞なんですけど、基本的に僕が作るシャウトって一番最後なんです。色の話を結構いろんな所でしてたりとかしているので、ちょっと色で攻めようかなっていうパートを気持ちよくハメた感じです。
――音の響きでいれた感じなんですね。
gari:音と言葉の持つ意味で決めた感じです。その時に当てはまった言葉です。類似語とかめっちゃ調べるんですよ。あと、テレビでアニメ見たりして色んな情報を入れたりして。それで出てきたのがたまたまこれだったんです。
火寺バジル:gariさんの初のラップなんですよ。
gari:そうなんです。ずっとシャウトしかやってなくて、この曲のテーマではシャウトを封印してみようっていう事になって。
火寺バジル:他の曲は新しいことをやっているけど、これは一番私たちらしいというか王道な楽曲なので。
gari:シャウトを封印したら、まずラップじゃね?っていう話になったんです。
ウイ・ビトン:前回のアルバムの曲では、火寺がラップにチャレンジしたので、じゃあ今度はgariさんがチャレンジしてみましょうよっていう流れがあったので。
――とても気持ちの良いラップですよね。
gari:ありがとうございます。ラップのスタイルも色々試したんですけど、全然しっくりこなくて。自分の思うようにやっていったらこれが一番良いよね!っていう風になりました。
――今後もラップの曲はありますか?
火寺バジル:あると思います。ちなみに『シェキナゴン』の歌詞は、全てgariさんが書いたんですよ。私とgariさんでは歌詞を書いたことはあるけど、gariさんだけっていうのは今回初めてなんです。
――そうなんですね。どのように出来た歌詞なんでしょうか?
gari:この曲は夏フェスなどでタオルを振ってもらうために作りました。で、まず曲タイトルから出来たんです。タオルを振るっていう意味の「シェイクイットアップ」、それにドラクエのベギラゴンっていう全体に炎で攻撃するっていう呪文を混ぜてみたら「シェキナゴン」っていうタイトルが出てきて、そのあとに歌詞を考えていった感じです。
――面白いタイトルの生まれ方ですね。
ウイ・ビトン:タイトルに全て意味を込めた感じだよね。
gari:意味というか、造語だけどね。
ウイ・ビトン:でも楽しい曲だろうなっていうのは伝わる。
gari:曲が持っているリズム、メロディーに合う単語をツギハギでやっていって。言葉さえ出てきちゃえばあとはテンポよく出来ちゃうんですよね。
カップリングで好きなフレーズ
――『シェキナゴン』、『ミッドナイトシンドローム』、『変幻自在のスパーキングZ』の中からお気に入りのフレーズを教えてください。火寺バジル:私は『ミッドナイトシンドローム』です。深夜って暗い気持ちになっちゃう事ってあるんですけど、そういうのって私だけじゃないんだろうなって思うんです。
私たち前向きな曲も多いけど、ネガティブな部分が見える曲も出してみたいって思っていたので、そういう気持ちの詞を書いてみました。でも、ただネガティブな曲を書いてしまうと私たちの世界観とは変わってきちゃうから、ファンタジーっぽくやってみたくて。
歌詞を書いた結果、ウイさんが急にラストにAメロを追加して、もう一回頭に戻って締めくくった方がお話っぽくなるんじゃない?って言ってくれたので、最後Aメロで終わっているんです。続きが気になる感じにしたかったから「月が笑う夜には魔女が狙っているわ ねえ、そこのお嬢さん早くお逃げなさいっ。」にして。これは森のくまさんからもらったんですけど。ホラーな感じができたから、気に入っていますね。
――ナイスアイデアですね!
火寺バジル:ウイさんがやりたかったこととマッチした歌詞が書けたんじゃないかなって思います。歌い方もここ何回も録りなおして、ちょっと怪しい感じのする歌い方にしています。そこに注目してくれたら嬉しいです。
ウイ・ビトン:僕は『ミッドナイトシンドローム』の「歩きはじめるわ」とか「囁いているわ」とかが好きです。昔ながらの女の人の言葉づかいが聴いていて凄く良くて。普段会話している中で、女性特有の独特の言葉づかいの人って今いなくなっているなって思っていて。それを歌で使うとより物語感が出ていていいなって感じました。なのでここは気に入っています。
gari:僕は『シェキナゴン』の「レッツパリラ空はサンサ(ン)アンチタイフーン」が好きです。なんかバカすぎて(笑)この二行だけで、すげーイメージ浮かぶなって。パリピ感というか、ビーチでうえーいみたいなね。こういう表現がしたかったんですけど、出来すぎていたので、今改めてみると、このフレーズやばいなって。
――では明治さんのお気に入りのフレーズを教えてください。
明治:『変幻自在のスパーキングZ』の「乗算オーバレイ差の絶対値ディザスクリーン」が好きです。見ればあの用語ねってなると思うんですけど、知らない人は全く知らないと思うんですよね。そういう絶妙なラインを歌詞にしている人って、私は見たことがない。(笑)この歌を聴いて、「俺は知ってるんだよね、この言葉!」みたいな感じになってほしいって思います。
――最後に6月5日からスタートする自主企画ライブイベント『魔法少女になりな祭』に対しての意気込みをお願いします。
火寺バジル:自主企画をそもそもそんなに、やったことがなかったし、リリースしてからレコ発イベントもやったことがなかったんです。自分たちの曲をリリースを記念してのお祭りは初めてだから、そこで初披露の曲もいっぱいあると思うし、生で聴ける新鮮があると思います。
ライブはみんながワクワクしている気持ちを超えていきたいと思っています。音源を聴いてくれたみんなのワクワクがピークの状態でお祭り騒ぎができたら嬉しいです。
TEXT:愛香
PHOTO:橋本美波
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