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【インタビュー】イメージを一転させた笹川美和の素顔、こだわりを貫く美の歌詞の秘訣 (3/3)


笹川美和が選ぶピックアップフレーズ!

――ありがとうございます。歌詞サイトなので、『蝉時雨』の中から、一番お気に入りのフレーズを教えていただきたいです!

笹川:迷うなあ…。「夏陰涼し 日傘の君」にしようかな。


――ここが一番良かった理由は?

笹川:ここも淡い思いを抱いている女性の感じなんですけれど。日傘をさしている女性って、おしとやかに見えてすごくいいなって。この現代でもそうなんですけど。当時の女性の人たちが日傘をさしているって、ちょっとハイソな方々なのかなというイメージがあるんです。暑いのにハイソな女性の人たち、ちょっと裕福なところの女性は、涼しそうに見える。この時代にもありません?綺麗な人って汗かかないのかなとか。

それをちょっと風流に言いたくて。この言い回しにしました。「日傘の君」って、なりたいよねというのもありますね。日本女性の美しさみたいなものも出したいなと思って入れていました。


――全体的に歌詞を見て思ったのですが、笹川さんは、歌詞の言葉の言い回しがすごく綺麗な言葉を並べられていますよね。

笹川:本当ですか?嬉しい。


――頭の中に入っている単語って、ストックがなくなることはないんですか。

笹川:私、すごく前に、お正月の季節と春夏秋冬のものすごく綺麗な日本語の単語集みたいなものを頂いたんですよね。1冊1万円くらいするんですけれど。私の祖父のお友達が、こういうお仕事をしているならぜひということで、オールカラーで季語とか写真とかも載っているものをくださったんです。私はそれを見ているのが好きなのと、本を読むことが本当にすごく好きなので。

割と、頭の中に好きな単語を入れていて。そのときに分からなくても、歌詞を作るときに出てきたりするんです。常日頃、本を読んでいるというのは、もしかしたら大きいかもしれないですね。あとリズムじゃないですけど。読んでいて気持ちの良いリズムを心掛けたりはするんですけど。歌詞だけを読んだときも、詞として読めるような歌詞にしたいというのが元々あるので。そこはあるかもしれないですね。

『真実の雫』は幸せな孤独

――『真実の雫』も新曲ですよね。歌詞を全部読ませていただいたときに、孤独と向き合う1人の登場人物が見えるなと、勝手に思ったのですけれど。実際のところはどうですか?

笹川:そうですね(笑)どうだろう。私、今、35歳なんですけれど。孤独だなと思うことはよくあって。でも、その孤独の時間が、本当に辛い孤独のときもあるんですけど。この孤独は良いなと思うときもあるんですよね。その孤独ってたぶん人の愛情や幸福を知るがゆえに知ってしまった孤独だと思うので。ある意味、反転してしまえば、きっと幸福を知っているからこそ孤独だと思える孤独の類なので。

また、孤独の独って、独創的な独なんですよね。しかも孤独なときって、割と頭がさえているときだったりするんですよ。なので、その時間は、私は悪くないなと思って。それは、私のことを大事に思ってくれる家族やスタッフさんとかがいると分かっているがゆえの幸せな孤独だとは思うんですけど。孤独の意味を知っているからこそ、幸せの意味も知れているかなという感じですね。

――『真実の雫』って、今の10代・20代の人にぜひ聴かせたいと、私は思ったんですよ。

笹川:響いてくださいますかね?

――響きます!

笹川:けっこう今の10代・20代の方は、常にアンテナを張り巡らせて、周りに新しいものが溢れていると思うんです。自然にアンテナを張り巡らせているから、もしかしたら私たちよりも色んなモノを敏感に察知するかもしれないですよね。でも、孤独なんてまだ10代とかは知らなくても良いと思うんですよ。そのうちどうせ知るし(笑)いろんなことを経ることは、決して無駄じゃないということもすごく歌いたかったので。

その先に見えるものは必ずあるし、それが、実はすごく単純だけど大事なものだったりすることはあると思うんです。10代・20代の頃は、私もまだ手探りなところはありましたけど。自然と見えてくると思いますね!



――タイトル『真実の雫』は、孤独とどう結びつけられているんですか?

笹川:これは比喩なんですけど。自分にとって大切なものの原石みたいなものという意味で、雫にしたんですよね。雫なので、決して大河ではないですし、一滴でしかないんですけど。ダイヤモンドも磨き上げればダイヤモンドだけど、原石のうちは、まだ。そういう意味で、まだ小さい。そこから広がるという。ここから広がるんだという。私の大事なものはこれかもしれないというものを表した比喩が雫になったという感じですね。

新曲の『高鳴り』は思春期の思い出を軸に

――新曲の『高鳴り』ですが、私は「笑い合うこの時も、 一秒後には過去になる 輝きは一瞬で、永遠ではない無情」が凄く好きで。この二つのフレーズだけで物語っていますよね。

笹川:本当ですか。実際、あのときはあったんですよね。自分たちも、その思春期と言われる時期って、悩みも本当にあったし不安もあったし。でも、なんか大丈夫だと思えたあの時代があって。楽しかったこともあって。でも、私の周りは歳的にもうお母さんになっている方が多くて。私、地元に海があるんですけど、夏休みの部活の帰りに、皆で一回家に帰ってごはんを食べてから、食べたいお菓子と飲み物を持って海に集合して。海の防波堤・テトラポットとかに1人ずつ座って、“誰々のことが好きなんだよね”とかって話していたこともあったんです。あのときの光景は、すっごく尊くて、愛しいものだなと。でもあのときって自分の人生の中では一瞬なんですよね。


――輝かしい時代は、一瞬って言いますしね。

笹川:このままが良いと思っても変わっていくし。でも、変わっていって、辛いことがある中でも、結局最後にたどり着くのは希望であってほしいと思うし。辛いことの先には必ずそれが報われるときがある。でも、この歳になっても、新しい曲の作り方をしたら新しい音に出会えるんだと思えたりとか、楽しかったり眩しいほうをまだ求めようとしてしまうというのがあります。でも、決して悪いことではないと思うんです。

子どもができた子どもたちは、きっとまたそこに希望を見出したり、眩しいものを見出すだろうし。明日に早くならないかなと思うものもあると思うし。そういうのを、この曲ですごく出したくて。留まらないからこそ、たぶん美しいものなんですよね、きっとね。


――昔の青春時代の、あのきれいな輝きが今ここで見える感じなんですね!

笹川:そうなんですよね。あの時代がずっと続いていたら、それは特別ではなくなってしまうので。やっぱり、特別というのは消え去っていくというか。一瞬だからこそきっと美しくて掴めなくて、というのが良くて。それを知っていて見たいがために、生きていっちゃうのかなというのもあるので。


――その考え素敵です。掛け軸にしたいほどいいフレーズだなって改めて思えます。

笹川:私、言葉数をあまり多くしないのが自分の中にあって。好みなんです。例えば動詞でも名詞に当てはめるとどんな名詞になるだろうとか。それをすごく言葉遊びとして楽しむところがあるので。これもそうなんですよね。


――この『高鳴り』の歌詞では、けっこう読点をつけられますよね。「雨の中、」とか。それも何か意図があるのでしょうか。



笹川:自分の中で、ここは一拍あけたいとか、ここは点がないほうがこの言葉が生きるかなとか。逆に点を入れたほうが言葉を見たときのリズムが良いかなとか、そういうことを考えて書くんですよね。だから一回書くときに、点を消したものも見ますし、点を入れたのも見たりします。曲を作っているときは、普通に板の上に紙を置いて、鉛筆でバーッと書くんですけど。できたときに送ったりもするので、パソコンに入れるときにどっちだろうと考えるんです。漢字じゃないほうが良いとか、その言葉遊びがすごく好きなんですよね。漢字にするか、平仮名にするか、一拍あけるかあけないか。


――すごく珍しい書き方をされているなと思っていました。あまり点をつける方はなかなかいらっしゃらないので!

笹川:そうなんですね。もしかしたら、詞として読めるときもあるのかも。あと、割りと、対になっているのが好きで、ワンコーラスめに読点を入れているんですよね。ツーコーラスめの同じ箇所に読点を入れないのも嫌なんです。見たときに、シンメトリーじゃないと嫌で。それで入れるのもありますかね。点を入れると、そこで一瞬、一回、間を置くじゃないですか。流して読んでほしい場合と、ちょっと一回そのままさらっといかないでほしいということもあるんですよね。


――最後に、笹川さんにとって、今回の『豊穣 -BEST ’03~’18-』をファンの方にどんなふうに聞いてほしいですか?

笹川:たぶん、10代・20代の方は初めて聞かれる方のほうが多いと思うんですけれども。ベストとは言っているのですが、今回作る上でのコンセプトとして一つの作品として作ろうというのもあったんです。ぜひ、普通に一つの作品として初めて手にとっていただいて、聞いていただけたら嬉しいかなと思います。気に入っていただけたら、また他の作品も聞いていただけたら良いんですけど。まずは、ベストというところをあまりこだわらずに聞いてもらえたら良いかなと思います。

TEXT:橋本美波
PHOTO:愛香

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