THE BLUE HEARTS「青空」
運転手さんそのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先なら
どこでもいい
こんなはずじゃ
なかっただろ?
「生まれた所や皮膚や目の色でいったいこの僕の何がわかるというのだろう」というフレーズが有名な、ブルーハーツの「青空」。
人種や障害が起因して、繰り返されてきた差別の歴史。そんな現状から逃げ出したいという気持ちから、「バス」が登場しています。
何もかも嫌になってしまった。どこでもいいから、僕をどこか遠くへ連れて行ってほしい。
バスのどこまでも移動していくイメージが、歌詞の表現とマッチしています。
BUMP OF CHIKEN「乗車権」
排気ガスを吐いて 腹ぺこのバスが来る
夢の先に連れてってくれんだ どうだろう
強く望む事を 書いた紙があれば
それがそのまま乗車券として 使えるらしい 使えるらしいんだ
バンプの「乗車権」。アルバム「ユグドラシル」のなかの1曲です。
夢の先へと連れて行ってくれるバス。それには人数制限があり、ある程度まで進むと、途中で引き返せなくなります。
まるで夢を追う人生を、一台のバスに例えているようです。
夢を叶える第一歩、それは強く望むこと。情に流されて脱落する人。途中で夢を見失ってしまう人。
夢を叶えるのにやっきになり、人間らしい気持ちを失ってしまう人。
そんな熾烈な競争を勝ち抜いてきたけど、結局は自分が望んでいたのはこんなことではないと気付く人。
そして最後に、また強く望むことが欲しくなる…。そういう人間の性(さが)を、バスを題材にして描き切った名曲です。
ゆず「サヨナラバス」
サヨナラバスは
もうすぐ
君を迎えに来て
僕の知る事のできない明日へ
君を連れ去って行く
「バス」といえば、この曲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ゆずの「サヨナラバス」です。このバスに乗れば、恋人がもう手の届かない遠くへ行ってしまう。
引き留めたいけれど、少しの言葉も出ないままに、恋人はバスにのって行ってしまいます。
気付けば僕は、ひとりぼっちで立ち尽くすだけ。恋人との楽しかった時間が、思い出のなかに映し出されるのを感じながら…。
「別れ」の場面を、バスを小道具として使うことで、臨場感のある曲になっています。
タイトル「サヨナラバス」も、この曲の歌詞にぴったりですよね。
いかがでしたでしょうか。一口にバスといっても、その使われ方はさまざま。
けれど、どの曲も、バスの持つ特性をうまく利用して、物語性のある仕上がりになっていますね。
歌手のみなさんの創作意欲を掻きたてる「バス」という乗り物。
今度はあなたが、音楽プレイヤーを片手に、バスにのってみるのもいいかもしれませんね♪
TEXT:毛布