君越しに見える景色はどんな景色?
──『registry』の歌詞で、すごい表現だなって思ったのが「君越しに見える景色は僕の未来なんだって想えるから」。感覚的にはわかりますが、このフレーズってどういうイメージで描かれたのか気になりました。ZYUN.:今までありがたい事にインタビューを沢山してもらってきましたけど、ここまで歌詞の中のストーリーを聴いてもらったことはないので、ちょっとびっくりしているんですけどめっちゃ嬉しいです!(笑)
──嬉しいです!歌詞サイトなので!!(笑)
ZYUN.:僕のファン、歌詞の事を知りたがってくれる事が多いのでとても嬉しいと思います!
2番のAメロで「一途な敗北」という歌詞がありますが、一途って良い言葉だけど一途な人程敗北をしてしまう社会だったりするんですよね。「普通じゃない正論」という歌詞も、普通と正論の間にじゃないが入っていることでまた意味が違うものがある。
正論は一般的なものかもしれないけど、この状況で人の気持ちを考えるとそれって普通じゃないんじゃないかなって。そういうのに辛い想いをしている子も多いと思うけど、実は人生って思う程悪くないんじゃないかと思うんです。自分の考えや見方一つで景色が凄く変わるので。
──ありますよね、そういうこと。
ZYUN.:例えばLINEの一行にとっても、自分の感覚が寂しいときは句読点がついていない事もすごく気にしちゃう。相手はそんな想いではないのに、“(笑)”って文字まで辛く感じることってあるじゃないですか?
でもよくよく考えてみると大したことないことばっかで、思う程悪くなくない?ってなるんですよ。僕が思う程悪くなくないって思えるのは、歌詞の中に出てくる「君」という人がポイントになっています。「君越しに見える景色」っていうのは、傍に君がいてくれるところと、実際体が側にいなくても僕が見る景色には君がいるから。それってすごく幸せなんだよって事なんです。
──とても素敵ですねっ!!
ZYUN.:嬉しいです。ありがとうございます。カラオケで男性陣は好きな女性と、結婚している人は日頃の感謝や愛情を歌で表現してくれたらいいなって思います。
ZYUN.が選ぶピックアップフレーズ!!
──アルバム『registry』の中で、特にピックアップしたいたい歌詞のフレーズや表現についてお話を聞かせてください。ZYUN.:4曲目の『no way』って曲は、実はメロディーを僕の制作アシスタントと共作していて。洋楽に寄せているので、今までの自分にとっては挑戦的なもので。歌詞の意味というよりは、音に乗る言葉のハメとか、サウンドにハマる情景言葉をのっけているので、他の歌詞とは違う部分があるんです。英語の繰り返しが多かったりするし、情景が変わっていないことを何度も繰り返したり。歌詞の「…」の数とかもすごく気にするんですよ。例えば『no way』の「オヤスミ‥」は点々があるんですけど、この点々は納得が言っていないという意味なんです。
──ああ!なんとなくその感覚、わかります!
ZYUN.:本当は「オヤスミ」って言いたくないけど、「オヤスミ」って仕方なく言うみたいなね。
あと、『registry』の一番最後の歌詞に点々がありますが、これは先が続く場合なんですよ。
また丸の点々(・)も使ったりもするし。
──『雨の日に逢いたくなるのはいつも君だけ』の「・・・来年の桜も一緒に見てくれますか?」の所ですか?
ZYUN.:そうですね。そういうのにも意味があります。あと、『Sensational baby』の「。。。走り出そう!」とかもそうですね。終わりというものが3つ続く点々の場合は、すごく決意をしてよし、行くぞ!っていう準備をした後の言葉を表現しています。
「一緒に行こう」を「生こう」という字にもしていたりしますね。最近は配信などで多くの音楽が飛び交って、気軽に音楽が聴ける時代になりましたよね。でもやっぱりCDや歌詞サイトさんに載っている歌詞を、僕のファンは読みたいっていうんですよ。だから漢字一つで意味が変わってきたり、『registry』の「おはようおやすみごめんねありがとう」とか、『ミカヅキ』の「ねー ゆるして みとめて あいして ゆるすよ みとめてるよ あいしているよ」とかは漢字が一つも入っていないんですが、これは小学生でも伝わるものっていう意味合いがあります。
僕の曲は、とてつもなく歌詞が大事になってくるんですよね。
──カタカナやひらがなを使い分けていらっしゃるので、とても意味が気になりました。
ZYUN.:間違えたのかな?っていう使い方に見られたりもしますが、誤字脱字はございません!(笑)
ざっくり言うと『ミカヅキ』という曲は、ファンに向けて書きました。自分が歌っている中で、ファンに伝えたい事もあったし。
──「かってにひとりにならないで」という歌詞はとても心強い言葉ですね!誰かに言われたいなって思います!
ZYUN.:相手を想えば思うほど、夢が大きければ大きいほど、絶対勝手に一人になる子がいるんですよね。ファンの子は僕を応援しているが故に、ファンの人が増えれば喜んでくれるけど、その反面自分なんて必要ないのかな?って思ってしまう。それがファンの人の深い心情なんです。そういう所が繊細な部分だなって思うので否定はしたくなくて、“そう思ったのなら言ってきて!
そのひとりひとりが大事で僕は歌を歌っているから”っていうのが全てなので。そういう意味も込めて、『ミカヅキ』は生きるのが嫌なら辞めちゃえばいい、それでも世の中は回るから。でも僕は君がいなくなったら歌えなくなるよ?っていう歌なんですよね。全体を通して、生きているだけで嬉しいよ!っていうアルバムです(笑)
──ご自身で歌詞も書かれて歌っていると、この言葉に責任を持たない訳にはいかないですね(笑)!
ZYUN.:そうですね!なので僕は「ずっと」とか「絶対」は言えないよと公言しているんです。ずっと僕は君たちの傍にいるよとか、ずっと俺は歌っているよとかは言ったことがないんですよ。一回バンドが解散してしまってファンを悲しませてしまったので、それは出来ないなと。だから自分の中で責任がとれることしか歌っていないです。
──すごくカッコいいです…。では、今度はアルバム『registry』の収録曲の中で、ZYUN.さんのお気に入りのフレーズを教えてください。
ZYUN.:『Re:PLAY』の「隠された全ての“武器”を今そっと“楽器”に変えて…!!」ですかね。単純に最後の一行の前のブロックは、この『Re:PLAY』の全てなんです。これを書いた当初、心の武器もそうですし、実際にある武器も全部楽器に変えちゃえばいいのになって思ったんですよ。
音楽をやっている理由は、子供たちが大人になったときにめっちゃ夢を見て、もっと楽しい世界だって思えて、生まれてきて良かったって思える将来を作りたくて音楽を書いています。すごく昔に書いたこの『Re:PLAY』のフレーズは、今でも変わらずあるので。
──最後の「LOVe YOU xxx」という歌詞の「e」だけが小文字なのにも何か意味があるんですか…?
ZYUN.:めっちゃ聞くな~!UtaTenすげーな(笑)。僕嘘つきですね(笑)。これは…最初にLOVEって書いたときに、変換ミスったんですよね…(笑)
──(笑)!!!まさかの!!
ZYUN.:僕は全てにおいて意味のあることをしてきたけど、この「e」の意味にファンもびっくりしていると思います(笑)。ちなみに、僕のファンは愛の最上級っていう意味で、ラビストっていうんですよ。ラビストって英語でestが小文字なんですよ。だから後付けで、ラビストに向けたLOVEなんだなっていうように言ってます(笑)!ただ始まりは変換ミスです(笑)!
──1番触れちゃいけないところに触れてしまったかもしれないですね(笑)。では最後になりますが、今後のライブの告知をお願いします!
ZYUN.:来年で3年目なので沢山みんなに会いたいと思い、詰め込んだLIVEが1月にあります。それが終わったあと、2月にこのアルバムを引っ提げた東名阪ツアーをやります。このワンマンツアーが終わったら、夏に大きな所でワンマンをやりたいなって思っていますが、これは個人的に思ったことです!!今ここで言いました(笑)
──(笑)ぜひ、みなさんに来ていただきたいですね!ありがとうございました!
ZYUN.:ありがとうございました!!
TEXT:愛香
PHOTO:片山拓
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