「glory」の歌詞について
──次は、歌詞についてもうかがっていきますね。ファン目線としては、サビの“the whole wide world”など、前作「DOMINATION」などと共通してBAND-MAIDの「世界を意識した目線」が前面に出ているなぁと感じたのですが…、全体としてはどのような点を意識されましたか?
小鳩ミク:今回は、「遊☆戯☆王VRAINS」さんからタイアップのお話を頂いてから、曲も作り始めて、その後に歌詞を作ったんです。そこで、歌詞の部分でも、「遊☆戯☆王VRAINS」さんの世界観を意識して書きましたっぽ。
──「世界観」といいますと。
小鳩ミク:「遊☆戯☆王VRAINS」の内容の大きなテーマが「AIと人間の共存」な
ので、そのテーマに寄り添うかたちを意識して書きました。たとえば、歌詞にも出てくる“Singularity(シンギュラリティ)”というのは、AI用語で「技術特異点」という意味なんですっぽ。
※Singularity(技術特異点)とは…AI(人工知能)が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念のこと。
──よくお調べになったんですね…!
小鳩ミク:その一方で、「一緒に歌えるかどうか?」というところも追及しましたっぽ。というのも、「遊☆戯☆王VRAINS」は小さな子から大人の方まで、幅広い年代の方が視聴する作品なので、「AIの世界に寄り添いながらも、難しすぎる英語などは使わない」と、歌いやすさを意識して、書きましたっぽ。
──なるほど。サビのフレーズの“glory”なんかも、比較的ゆっくりした節回しですよね。
小鳩ミク:歌いやすさとか、語呂の合わせというのはきれいにはまった実感がありますっぽ。また、「glory」という単語自体が、そこからすごく耳に残るワードだと思うので、歌詞が完成したあとにタイトルも「glory」にしました。
──彩姫さんは、「glory」の中で、ご主人様・お嬢様と一緒にライブで盛り上がりたいなぁという「推しフレーズ」はありますか?
彩姫:gloryは最近のお給仕でも演奏しているのですが…やっぱり、英語の部分は一緒に盛り上がってほしいですね。たとえば、サビ頭の英語“the whole wide world”は一緒に歌って欲しいですし、あと、“only glory”/“over and over!”もぜひ一緒に歌って欲しいです。それから、“calling, calling, calling, now.”は2回目から小鳩が入ってきて、テンションがあがるところだと思うので、みんなで合唱できたらなぁと思います。
──「calling, calling, calling, now.」で一気に曲のテンションが上がりますよね!
彩姫:一気にここで跳ね上がる感じがあるので…
──それから、最後のサビに追っかけがありますよね。
小鳩ミク:っぽ。
彩姫:その部分も、めちゃくちゃ盛り上がってくれていますね!メイン側と追っかけ側のどっちを言うか?と迷っているご主人様とお嬢様もいて(笑)
小鳩ミク:ちょうど半分ずつくらいですっぽ。
彩姫:追いかけ側を歌ってくれるご主人様・お嬢様の姿を見て、「なるほど、追っかけたい側なんだなぁ~」と、客席を嬉しく見ています。
──カップリング曲の「hide-and-seek」はgloryとは雰囲気がガラっと変わりますが、もともとカップリング曲にしよう!と制作をしたんですか?
彩姫:「hide-and-seek」は、デモの時点のストックの中から選びました。アレンジを進めていくなかで、gloryと相性が良くなるように進化させていったんです。
小鳩ミク:メロディ、大まかなテンポとかは変わってないですっぽね。
──楽曲のコントラストが良いなぁと思いました。シングル2枚を通して聴くと、ミニアルバム並みの満足度がありますよね。
小鳩ミク:そう思ってもらえたら嬉しいっぽ。
──「hide-and-seek」について、こだわっている歌詞があれば教えてもらえますか?
小鳩ミク:リズム感が良い曲なので、リズムを大事にしたいという想いがありましたっぽ。そこで、サビに入れる単語を選ぶにあたって、「bang/clash/clown/alone」など、母音の「a」をすごく意識しました。今回は、母音という軸をもって、言葉遊びをしましたっぽ。
──タイトルはどのように決めたのでしょうか。
小鳩ミク:前から歌詞を書き溜めたり、思いついたことを書いたり、英語を調べている中で、「hide-and-seek」という言葉が「かくれんぼ」という意味だと知ったんですっぽ。そこで、「hide-and-seekってカッコイイっぽ!絶対に使いたいっぽ!」と思っていたんです。そして、カップリング曲を作るタイミングで、「いまこそがhide-and-seekの使いどころっぽ~~!!」と思って決めたんですっぽ。
──楽曲自体への思い入れはいかほどでしょうか?
小鳩ミク:そうっぽね…。どちらかといえば、KANAMIがデモを何曲も作ってくれたのがあって、以前から聞いていた曲だから、いつか使えるといいね…と思ってストックしていたものだったのですっぽ……だから……
彩姫:曲の入り口としての思い入れは…(笑)
──あははは(笑)その正直なところ、好きです!
彩姫:キッカケは「glory」に合うな、という視点で選んだものなのですが、これから活動していく中で、思い入れを積み重ねていきたいと思います。
小鳩と彩姫の世界観が重なってきたんです
──次に5thシングル「Bubble」のリード曲のBubbleですが、ABC/テレビ朝日ドラマ「パーフェクトクライム」のタイアップが決まっていますよね。地上波ドラマ初のタイアップ、おめでとうございます!小鳩ミク:ありがとうございますっぽ!
彩姫:ありがとうございます!
──もともと原作をお読みになられていたんですよね。
彩姫:マンガのほうをみんな読んでいたので、タイアップのお話が来てビックリしました!
──マンガも読んだのですが…わりと…
彩姫:マンガだと絵のポップさもあるのですが、小説だと文章だけなので、過激なね…展開も速くて…ドロドロした感じもあり…「エグさ」が際立つと思います。
小鳩ミク:文章になると、直接的ですっぽ。
彩姫:そんなエグいストーリーに合うサビ感だと思います。
──お二人の推しフレーズはありますか?
彩姫:サビ感が好きです。高低差がある感じとかが、耳につきますし、ドラマのパーフェクトクライムの主題歌にも合うなぁと思います。
──最後の方で、急に拍子が変わる英語の台詞のところなどが斬新ですよね。
彩姫:ギターのKANAMIが「台詞の感じをいつか曲に入れたいなぁ」と思っていたそうで、小鳩にそう伝えていたそうなんです。
小鳩ミク:デモが上がってきた時点では、ちょっとメロディがついているようなセリフだったんですが、楽曲的にもうちょっとかっこよい雰囲気にしたいなぁと思って。そこで、リズムに乗る感じではなく、スピードなどを意識しないような英語のセリフになればかっこよいと思ったんですっぽ。
彩姫:小鳩の推しフレーズはどう?
小鳩ミク:一番最後の“Wake me up!”のところですっぽね。メインのボーカルには(ほら)が入ってないんですけど、コーラスは(ほら)が入って呼びかけをしているんですが、それはこれまでのBAND-MAIDに無かった要素なんですっぽ。
彩姫:「目立つ・長めの・フェイク」みたいな。
小鳩ミク:なので、ぜひ(ほら)のところを聴いてもらいたいですっぽ。
──ちなみに、以前のUtatenのインタビューで、「歌詞にしっくりこないときは彩姫さんがツッコミを入れる」というエピソードもあったじゃないですか。今回はいかがですか?
彩姫:もう最近はないですね。
小鳩ミク:すっかりなくなりましたっぽ。
──彩姫さんと小鳩さんの間で、世界観の共有ができてきたのでしょうか?
彩姫:BAND-MAIDとして、固まってきた感があります。私としても、小鳩が書きたい内容を理解できるようになってきたということもありますし、小鳩が私の言い回しに近いものを書いてきてくれるようになったというのがあります。
──一緒に過ごしていく中で。
小鳩ミク:「こういう風に歌ったほうが彩ちゃんなら歌いやすいだろうなぁ」「語尾はこっちがいいだろうなぁ」とイメージしながら書くことができるようになりましたっぽ。今までのことがあったからこそですっぽ。
──バンドとしての一体感が増しているということですね。
小鳩ミク:そうですっぽ!!自然とすり合わせができてきたのかもしれませんっぽ。