Fukaseの経験から生まれたバンド名
バンド名の由来はVo.Fukaseが過去に世界が終わったと思うような壮絶な人生を体験したことから「終わりから始めてみよう」という意味を込めて「世界の終わり」というバンド名と命名されたそうです。「世界の終わり」から「SEKAI NO OWARI」に変更した理由
メジャーデビューすると同時にバンド名を改名した理由は特に明かされていません。
しかし、「SEKAI NO OWARI」をNOだけを英語の意味で考えると、『世界 NO 終わり』となります。世界の終わりではなく、「世界は終わらない」という全く逆の意味が隠れているのでは?といわれています。
また、「SEKAI NO OWARI」から「SEKAOWA」を抜くとINORI(祈り)となります。メジャーデビューした年に発表したシングル名が『INORI』だった事。そしてインディーズは特に、世界平和や命についてなどメッセージ性の強い楽曲が多かったSEKAI NO OWARI。
【歌詞コラム】SEKAI NO OWARI『Hey Ho』が伝えてくれるボランティアのありかた
私たちの住む世界では戦争や自然災害、いじめ・自殺など様々な悲しい出来事と隣合わせで生きています。「SEKAI NO OWARI」に変えた事で音楽を通して祈りを届けるという意味示しているのかもしれません。
SEKAI NO OWARIの軌跡
SEKAI NO OWARIが結成されるまで
高校を中退したFukaseはアメリカンスクールに行き、NYに2年間の留学予定でした。しかし、言葉と文化の違い、精神的な不安が爆発してしまったようです。2週間あまりで帰国する事になってしまいました。その後、Fukaseは入院することに・・・。治療薬を飲み、病気と戦う日々を送ります。
退院後、自分と同じ病で悩んでいる人の役に立つ仕事をしようと前向きになり、真剣に勉強し始めます。しかし、強い治療薬が影響してしまい勉強したことをすべて忘れてしまいます。ついには帰り道も分からなくなってしまいます。
この出来事がきっかけで学歴も自分の強みも夢も何もないFukaseは、自分に何が残っているのか考える事に。出た答えが「仲間と音楽と強い治療薬」だったそうです。
そこから「世界の終わり」が始まりました。その後、Fukaseは仲間と共に自分たちの手でつくったライブハウス「club EARTH」から幼馴染のSaori・同級生のNakajin・DJLOVEの4人で始動を開始。
インディーズからメジャーデビューへ
インディーズ時代から音楽好きの間で人気を集めていました。デビューからたった10ヶ月後の2010年11月にリリースされたシングル『天使と悪魔』がドラマの主題歌として使用され注目を集めました。
その後レーベルをトイズファクトリーに移し、メジャーデビューすると同時にバンド名を「SEKAI NO OWARI」に表記を変更しました。デビューから約3ヶ月という早さで日本武道館を満員御礼にしライブは大成功をおさめます。
SEKAI NO OWARIの快進撃は止まらず、2013年には「End of the World」というバンド名で初の海外ライブを行い、海外進出します。その後『RPG』、『炎と森のカーニバル』や『Dragon Night』などを発表。カリスマ性やメッセージ性の強い楽曲で中高生を中心にどんどん人気が高まっていきます。
2013年の10月には富士急ハイランドで野外ライブ「炎と森のカーニバル」を開催。このライブはメンバーがセルフプロデュースし、その壮大なスケールの大きさとエンターテイメント性の高いファンタジーな世界感が話題となりました。
ドキュメンタリー映画「TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI」が公開や初の紅白出場など勢いの止まらないSEKAI NO OWARI。2017年にはアニメ映画「メアリと魔女の花」の主題歌『RAIN』をリリースし、国民的人気を博するバンドグループとなりました。
SEKAI NO OWARIの楽曲の変化
インディーズ時代とデビュー後の楽曲の変化をご紹介します。特に歌詞に注目して解説!インディーズ時代の楽曲・メッセージ性
インディーズの頃に発表された曲はポップなサウンドと攻撃的な歌詞の楽曲が多く、世間に対する疑念や不信感など強いメッセージ性が魅力でした。----------------
花に声があるなら何を叫ぶのだろう
「自由の解放」の歌を世界に響かせているだろう
平和に耳があるなら何が聴こえるだろう
偽物の自由の歌が爆音で聴こえるだろう
花が叫ぶ愛の世界で僕等は平和を歌っている
鳥籠の中で終わりを迎えた「自由」は僕になんて言うだろう
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
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争いごとの無い「平和な世界」この平和な世界とは一体何を基準にしているのだろう?
この世界にある命は人間だけではない。動物も自然も虫も数えきれないほどの命が存在していて、共に暮らしています。
しゃべることの出来ないたくさんの命の想いや願い、叫びをこの曲は代弁してくれているような気がしました。「もしも自分が花や虫だったら」そんな風に考えると怖さと人間の身勝手さを嫌なほど痛感します。本当の平和な世界の意味を考えるきっかけをくれる楽曲です。
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「いじめは正義だから 悪をこらしめているんだぞ」
そんな風に子供に教えたのは 僕らなんだよ
大人VS大人の正解・不正解のバトル
TVで子供らに教える「ダレが“間違って”るか」
正義のヒーローは悪党を倒すものだと
子供はTVをみて思う「悪は滅ぼさなきゃね」
もし僕が正しくて君らが間違いなら
僕らは戦う運命にあるの?
≪天使と悪魔 歌詞より抜粋≫
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子供の頃は分からない事ばかりで、「なんでだろう?」とよく考えていましたが、大人になると、疑問に思っていた事がいつの間にか当たり前になって、考えることも少なくなりますよね。
「正義」・「悪」に「正解」も「不正解」本当は存在していなくて、人がそれぞれの価値観で作り出した「正義感」から生まれたもので、正しいと思ってやった事が他の誰かを傷つけているかもしれません。この曲は今までの当たり前を壊して、疑問を持つことの大事さや自分が変わるきっかけをくれる曲です.
メジャーデビュー後の楽曲・メッセージ性
インディーズ時代の楽曲は世の中への疑問など問いかけるような楽曲が多くありましたが、デビュー後は、優しく背中を押してくれるような応援ソングやファンタジーな世界観溢れる楽曲が多くエンターテイメント色が強い楽曲が多いです。----------------
空は青く澄み渡り 海を目指して歩く
怖いものなんてない 僕らはもう一人じゃない
大切な何かが壊れたあの夜に
僕は星を探して一人で歩いていた
ペルセウス座流星群 君も見てただろうか
僕は元気でやってるよ 君は今「ドコ」にいるの?
≪RPG 歌詞より抜粋≫
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この曲は、映画「クレヨンしんちゃん」の主題歌です。同じゴールを目指す仲間と冒険を通して共に戦い、時には本気でぶつかりながら絆を深めていくという映画の内容とリンクしています。
曲始まりにバスドラがドンッと刻む音とFukaseの澄み渡った明快な歌声。「大丈夫!1人じゃない」と聞いてる人の背中を押してくれる応援歌となっています。
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YOKOHAMAにある遊園地の「コスモパニック」の非常口が
このパーティーのエントランス
扉を開けたらそこは
巨大な樹が支配する、会場の名は"ツリーランド"
君はここでは大スター
ほら、鐘がなった パーティーが始まる
炎と森のカーニバル
≪炎と森のカーニバル 歌詞より抜粋≫
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鐘の音が鳴り響いて始まる。そこには人間はいなくて、楽しそうに踊るミイラ男や魔女たちがいるパーティー。
この曲はSEKAI NO OWARIが作り出すファンタジーの世界感がぎゅっと濃縮された楽曲です。2013年10月に行われた野外ライブ「炎と森のカーニバル」でこの曲の世界観を忠実に再現し話題となりました。
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魔法は いつか解けると 僕らは知ってる
月が咲いて太陽が今枯れた
傘を差し出す君に映る僕は濡れてない
水たまりに映る僕は雨に濡れてた
幸せなような 涙が出そうな
この気持ちはなんて言うんだろう
≪RAIN 歌詞より抜粋≫
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アニメ映画「メアリと魔女の花」の主題歌として子供から大人まで人気を得た楽曲です。
ささやくようなFukaseの優しい歌声とSaoriのピアノの伴奏からはじまるこの曲。ノスタルジックなメロディーと淡く切ない歌詞の中に見える希望。
聞いている人の心を落ち着かせてくれます。そっと寄り添い、前向きな気持ちにしてくれるそんな楽曲です。
予測できないSEKAI NO OWARIのこれからに注目!
絶対に妥協する事の無いメンバーのストイックさで作り出すSEKAI NO OWARIワールド。次はどんな世界へ連れていってくれるのかわくわくしますね!今年の春から始まる「SEKAI NO OWARI ツアー2019」や初の「ファンクラブツアー」も開催。バンドとして、さらに変化し続けるSEKAI NO OWARIから目が離せません!
TEXT:aoi
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2010年、突如音楽シーンに現れた4人組バンド「SEKAI NO OWARI」。 同年1stアルバム「EARTH」をリリース後、2011年にメジャーデビュー。 圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感、テーマパークの様な世界観溢れるライブ演出で、子供から大人まで幅広いリスナーに浸透し、「セカオワ現象」とも···