口ずさみたくなる魔法の言葉「ドラゲナイ」
2014年の紅白歌合戦に出場したことで一躍その名を広めたセカオワ。その人気を確かめるべく2015年1月17日に行なわれた代々木公園フリーライブに向かいました。
予想はしていましたが、やはりすごい人だかり。客層の多くは10代~20代の人ですが、紅白に出た直後のタイミングだけありもっと上の世代の人もたくさん見受けられました。
さらに特筆すべきは子供の多さ。明らかに小学校低学年くらいの子が男女問わずたくさんいました。小さい子が「どらげなーい♪どらげなーい♪」と歌っているのはほほえましい光景でしたね。もちろん、コスプレもたくさんいました。皆、この楽曲でメンバーが着ているようなグリーンのコートを着ていましたね。
「ドラゲナイ」は「やばい!ドラゲナイ!」「おさない、かけない、ドラゲナイ!」というように使えます。言葉の響きが発音しやすく「だるい」「やばい」などと同じような感覚で使いやすいのです。これがこの「ドラゲナイ」という単語が独り歩きして人気が出た所以だと思います。
【特集】ファンタジーな音楽の世界へようこそ!国境を超えて人気を博するSEKAI NO OWARIの魅力
●『DRAGON NIGHT』MV
ビジュアルイメージを大切に
セカオワは2014年5月に行なわれた国立競技場ラストイベントにも出演しています。フリーライブでも国立でも共通していたことは、このバンドはビジュアルイメージを非常に重視しているということです。たとえばDJ LOVEがいるDJ卓に「SEKAI NO OWARI」のロゴがありますが、それも本来ならいらない。Nakajinが叩く大太鼓に模様が描いてありますが、それも本来ならいらないのです。
でもそこをやるのがセカオワです。セカオワは凝ったビジュアルイメージが楽曲と同様に重視されることを理解しているのです。
だから富士急ハイランドの自主企画イベントではドラゴンや巨大なツリーを出現させます。観客にはコスプレ参加を促して、徹底的にファンタジー世界を作ることにこだわるのです。
「」のもつ、深い意味とは
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今宵は百万年に一度太陽が沈んで夜が訪れる日
終わりの来ないような戦いも今宵は休戦して祝杯をあげる
人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないのかも知れない
だけど僕の嫌いな「彼」も彼なりの理由があるとおもうんだ
≪Dragon Night 歌詞より抜粋≫
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『DRAGON NIGHT』が人気曲になったのは楽曲の力はもちろんありますが、旗を持ちながらトランシーバーで歌うというあのビジュアルイメージの印象が強く残ったからだと言えます。ジェスチャーゲームでも真似しやすいようなイメージの力があったのです。
2014年の年末、阿佐ヶ谷で「松永天馬の歌詞深読みゼミ忘年会」というイベントが開かれました。トラウマテクノポップバンドのボーカル・作詞家である松永天馬が開催したイベントで、この『DRAGON NIGHT』の歌詞が扱われました。
この曲は「正義」や「彼」「終わる」といった単語に「 」がついています。松永天馬いわく、この歌詞で「 」がついているところが「自分は本当はそう思っていない」ところである、いうことです。
たしかに誰かにとっての「正義」は正義でなく、戦いは「終わる」と歌っても実際は続いているのを知っている、というのはあると思います。
この楽曲は第一次世界大戦の「クリスマス休戦」をもとにつくられたと言われています。これは第一次世界大戦中の1914年に、イギリス軍とドイツ軍がクリスマスを祝う為に1日だけ休戦した出来事です。セカオワはこの楽曲を通して、世にある数々の争いを終わらせたいというメッセージをこめているのです。
これからのファンタジーな世界に期待
セカオワは7月に日産スタジアム公演を予定しています。そのライブの座席名が「ゲテモノ横丁」「銀河街」「とまと区」とユニークなものになっているのも話題を集めています。次はどんなファンタジーを見せてくれるのか楽しみですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)
SEKAI NO OWARI オフィシャルサイト
https://sekainoowari.jp/mob/index.php?site=S&ima=49082010年、突如音楽シーンに現れた4人組バンド「SEKAI NO OWARI」。 同年1stアルバム「EARTH」をリリース後、2011年にメジャーデビュー。 圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感、テーマパークの様な世界観溢れるライブ演出で、子供から大人まで幅広いリスナーに浸透し、「セカオワ現象」とも···