世界的スターTaylor Swift
Taylor Swift(テイラースウィフト)という名前にみなさんはどんなイメージをもっていますか?彼女は、いわずと知れたポップミュージックの女王であり、セレブな交友関係が話題になるファッションアイコン。人気番組『テラスハウス』のテーマソングで知った人も多いと思います。
カントリーからポップミュージックのスターへ。世代や性別を超えて支持されるテイラーの生き方とは?そんなスーパースターの素顔に迫ります。
インスタフォロワー1億人超のスーパースター
Taylor Swiftは1989年12月13日生まれ。これまでに6枚のアルバムを発表し、全世界で4,000万枚を超えるセールスを記録。女性シンガーとして史上初となる2度のグラミー賞最優秀アルバム賞に輝きました。
最新アルバム『レピュテーション』は2017年のもっとも売れたアルバムとなり、2018年も全米ビルボードのトップアルバムに選ばれるなど、人気、実力ともにトップクラス!
2018年にはTwitterでもっとも影響力のある人物にテイラーは選ばれ、インスタグラムのフォロワーは1億人超。
地球規模で一挙手一投足が注目を集める存在。それがテイラー・スウィフト(Taylor Swift)です。
クールなルックスと音楽性で男女を問わず支持されているテイラー。なにが彼女をこれほどの人気者にしているのでしょうか?
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鮮烈な10代でデビュー
幼いころからアーティストを目指していたテイラー。さまざまな試行錯誤を続けながらデビューのチャンスをつかんだのは16歳のとき。デビューアルバム『テイラー・スウィフト(Taylor Swift)』からの1stシングルが『ティム・マックグロウ(TIM MCGRAW)』です。
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he said the way my blue eyes shined
put those georgia stars to shame that night
I said, that's a lie
≪TIM MCGRAW 歌詞より抜粋≫
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<和訳>
君の青い瞳の輝きはジョージア州の星空も恥ずかしがるくらいって彼が言うから、私は嘘つきって答えたの。
「ティムのことを考えるときは私が大好きだった曲のことも思い出して」と歌うこの曲。のちにレーベルの先輩になるカントリー界のスターに託して自身を売り込む名刺代わりの1曲は、新しい世代の登場を強く印象づけました。
すでにこの時点で現在にも通じる男性への辛口な目線が確立されていることは驚きです。
カントリーのイメージを塗り替えたテイラーの言葉
2008年に発表した2ndアルバム『フィアレス(FEARLESS)』でグラミー賞最優秀アルバム賞を最年少で受賞!順調に国民的スターへの階段を上っていくTaylor Swift。ですが、人気が上がるにつれ私生活がマスコミの標的になっていきます。
しかし、そこは一枚上手のテイラー。
デビュー当初から恋愛エピソードを歌詞にしてきたテイラーでしたが、ここでも逆転の発想でゴシップを次々と曲にしていきます。
噂になったジョナス・ブラザーズのジョー・ジョナスに向けて書かれた『フォーエヴァー&オールウェイズ(FOREVER & ALWAYS)』をはじめ、ジョン・メイヤーに対して書かれたそのものズバリの『ディア・ジョン(DEAR JOHN)』など、ゴシップを創作意欲に変えて進んでいきます。
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You paint me a blue sky
And go back and turn it to rain
And I lived in your chess game
But you changed the rules everyday
≪DEAR JOHN 歌詞より抜粋≫
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<和訳>
あなたは青い空を描いて すぐにそれを雨に変えてしまった。私が暮らしていたのは 毎日ルールが変わるあなたのチェスゲームの中だった…。
『ディア・ジョン(DEAR JOHN)』が収録された3rdアルバム『スピークナウ(Speak Now)』は、1人の女性として輝きを増すTaylor Swiftの姿を映したドキュメントといえる作品。
同作でテイラーは2作連続の全米1位を獲得します。
テイラーのルーツはカントリーミュージックです。
それまでのカントリーが悲しみを淡々と受け止める作風が主流だったことに対して、テイラーが発するウィットに富んだ言葉はカントリーのイメージを覆すものでした。
同時にそれは男性優位社会での女性に対する固定観念を打ち破るものでした。そのことはTaylor Swiftとして次に進むべき道も示していたのです。
男女を超えて支持される存在に
テイラーの新たな舞台は全世界のポップチャート!アップテンポなビートで幕を開ける4thアルバム『レッド(RED)』に収録された『私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない(We Are Never Ever Getting Back Together)』。
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Huh, he calls me up and he's like, I still love you
彼は私に電話で「まだ愛してるんだ」って言ってくるけど
And i'm like, i'm just, I mean This is exhausting, you know
私は、「ちょっとおかしいんじゃない?」って感じるの。分かるでしょ?
≪We Are Never Ever Getting Back Together 歌詞より抜粋≫
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ダメンズへの本音がさく裂するこの曲にはおもしろいエピソードがあります。
あるときスタジオに遊びに来た元カレの友人に「君は彼とヨリを戻すよ」と言われたテイラー。すぐさま「絶対にない!」と否定しましたが、その様子を見ていたプロデューサーのマックス・マーティンは「いまのを歌にしてみたら?」と提案。
こうして生まれた1曲はテイラーにとって初の全米シングルチャート1位、ライブでは大合唱が起きる定番ナンバーになりました。日本でも人気番組『テラスハウス』のテーマソングとして知られています。
EDM調の『トラブル(I KNEW YOU WERE TROUBLE.)』やエド・シーランと共作した『エヴリシング・ハズ・チェンジド(EVERTYTHING HAS CHANGED)』を含む『レッド(RED)』は全世界で600万枚以上を売り上げ、テイラーは男性だけでなく女性からも熱烈な支持を集めるシンボリックな存在になっていきます。
“クイーン・オブ・ポップ”テイラー
2014年にリリースされた待望の5thアルバム『1989』でテイラーは2度目のグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞します!これは女性として史上初の快挙でした。
同作からは『シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!(SHAKE IT OFF)』をはじめ、『ブランク・スペース(BLANK SPACE)』、ケンドリック・ラマーをフィーチャーした『バッド・ブラッド(BAD BLOOD)』など3曲の全米ナンバー1ヒットが誕生!
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Got a long list of ex lovers
They'll tell you I'm insane
But I got a blank space, baby...
And I'll write your name
≪Blank Space 歌詞より抜粋≫
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<和訳>
元カレたちの長いリストがあるの。彼たちは私を正気じゃないっていうけど…でもまだ余白があるから、あなたの名前を書いてあげる。
開き直ったような歌詞がユーモラスな『ブランク~』の主人公はテイラー自身の姿でもあり、自身を標的にする人びとに堂々と切り返す様子は余裕すら感じさせます。
全世界で1,000万枚を売り上げた『1989』。
実力を疑問視するカニエ・ウェストにも結果でリベンジし、テイラーは“クイーン・オブ・ポップ”としての地位を不動のものとしました。
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『レピュテーション』~次なるステージへ
最新作となる6thアルバム『レピュテーション(reputation)』はテイラーの次なるステージを示した作品です。自身のゴシップ記事のアルバムジャケットや、1stシングル『ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ~私にこんなマネ、させるなんて(Look What You Made Me Do)』のMVからは、過去の自分を冷静に見つめるスタンスが伝わってきます。
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Honey, I rose up from the dead, I do it all the time
I've got a list of names and yours is in red, underlined
I check it once, then I check it twice, oh!
≪Look What You Made Me Do 歌詞より抜粋≫
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<和訳>
ハニー、私は死の淵から蘇った いつだって復活するわ。私のリストであなたの名前には赤いアンダーラインが引いてあるの。私は何度でもそれをチェックするわ。
おどろおどろしいムードを目にして、一瞬、テイラーもダークサイドに堕ちたかと思いますが、そうではありません!
「ありのままの私を好きになって」と歌う『デリケート(Delicate)』など深みを増した楽曲が並ぶ『レピュテーション』には、表面的ではないコミュニケーションを求めるテイラーの意思が込められています。
『レピュテーション』に収録された楽曲からは、一面だけ誇張してゆがめられたイメージを叩き壊し、真実に目を向けようというメッセージが伝わってきます。
そこには、メディアとの関係に一石を投じながら、アーティストとしての新境地を開こうとするテイラーの決意が垣間見えます。
これからのテイラーの話をしよう
いかがでしたか?逆風に負けず、セルフイメージを更新しながら、ポップミュージックの世界を変えてきたテイラー。
その軌跡はまさにSNS世代の“クイーン・オブ・ポップ”そのものです。
自由奔放に見えるTaylor Swiftですが、自分を変えることを恐れず、そのためならあえて戦うことも避けない。夢や仕事のために自分の幸せをあきらめたりもしない。
その姿に勇気づけられる人も多いのではないでしょうか?
大ヒットした『レピュテーション』につづく作品は?
そして、テイラーの恋の行方は…?
これからもTaylor Swiftから目が離せません!
TEXT 石河コウヘイ
Photo by BETH GARRABRANT 1989年12月13日生まれ、28歳。グラミー賞を10度受賞。また、グラミー賞史上グラミー賞で最も栄誉のある「年間最優秀アルバム賞」を最年少(20歳)で受賞し、「年間最優秀アルバム賞」を2度受賞歴のあるテイラーは、女性ソロアーティストとしては史上初。 過去の作品の···