過去を懐かしむ心情
過去に関わった人達で、今はもう会えない人というのは少なくない。
会えないけれど、過去を想い出した時にその人達と過ごした日々のことが懐かしく、不意に会いたくなる時がある。
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「また会えるよね?」
なんて君が言うから
想い出がふいに溢れ出して
止まらなくなる
≪THE GIFT 歌詞より抜粋≫
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人との別れの際に、歌詞中にもあるような「また会えるよね?」という言葉は、言われた方は先のことはまだ分からないので“会える”と明言しにくい場合もある。もう会えないかもしれない程の距離ができるとお互いに分かってはいても、再会できる少しの希望を持って言っているこの一言が、胸に刺さる。
信じるものだけに贈られる贈り物とは
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共に過ごした日々の記憶 優しい風のように
(Just like the wind from the land)
背中押した 旅立ちの季節
忘れないよ
僕らが重ねた運命は
同じ空 同じ星の下で
輝いている
(A gift from the moon)
忘れないで
僕らが出会えたキセキを
そしてキセキは信じるものだけに
贈られるモノ
This is a gift from the moon
This is a gift from the moon
≪THE GIFT 歌詞より抜粋≫
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映画では、のび太が“月にうさぎがいる”とずっと信じていたことで、月の世界に住む人々に出逢えた。そのことを歌詞中でも表現されていて、信じていればキセキは起こる“ということを読み取ることができる。
例えば、治らないと言われていた病気でも、必ず回復すると信じて闘病した結果、症状が良くなったり、絶対自分にはできないと思ったことでも、努力してできるようになっていったりということがある。映画の中のことだけではなく、現実世界でも、信じ続けた人に贈られるキセキはあるのだ。
タイトルに込められた意味とは
贈り物であれば、“タイトルは『PRESENT』としても良かったのでは?”と思う人もいると思うが、『GIFT』には価値のある贈り物という意味がある。『PRESENT』よりも深い意味合いのある贈り物にしたいという意図で、このタイトルが付けられたのではないだろうか。
歌詞の前半では、“また会える”ということが名言されていなかったが、後半で「出会えて良かった」となっている。“もう会えないかもしれない”と思っていたのに、再会という1つのキセキが歌詞の中でも起こっているのだ。
【インタビュー】主題歌「THE GIFT」を歌う平井 大が欲しいドラえもんの道具は?
TEXT 蓮実 あこ