もうちょっと大人になりたいフジムラ
──7月で誕生日を迎えられるというフジムラさん。まずは次の歳に向けての抱負をお願いします。フジムラ:もうちょっと大人になりたいですね(笑)
Yurin:見た目だけね、年取っているよね(笑)
フジムラ:中身だけ変わってない(笑)
Yurin:確かに(笑)
▲フジムラ
──フジムラさんが思う大人ってどういうものでしょうか?
フジムラ:自分の意見をしっかり言える人ですかね。
Yurin:それ、人間としての大前提じゃん(笑)
──なかなかアーティストさんとしては珍しいような(笑)。
知:しっかりしないとね (笑)
──是非意見の言える大人になってください!
新譜「クローバー」は異色な曲順で…!?
──それでは楽曲のお話しに行きます。7月3日にリリースされる『クローバー』には、『ハートビート』『寿司』といったナンバーも収録されています。曲順を見ても異色な感じがしますが、この3つが収録された経緯を教えてください。
Yurin:シングルのテーマが、「応援歌」や「鼓舞して」「激励する」というものがきっかけで、作り始めまして。それで、『クローバー』と『ハートビート』はそのテーマが決まってから作り始めたんですけど、『寿司』は1年半ぐらい前に全部録り終っていて。今回のシングルのテーマに合うからという理由で入れました。
──3曲並んだ時に『寿司』ってだいぶインパクトのある字面です。しかも歌詞にも「寿司」というワードは出てこないという…(笑)
Yurin:そうですね(笑)
──テーマがありきで『クローバー』と『ハートビート』は作られたという事でしたけど、ドラマのエンディングとして使われるというのは、ある程度イメージありきで制作されたんでしょうか。
Yurin:そうですね。ドラマに使われるという事を意識して、頭サビから始めようかなというアイデアを用いて制作しました。
ドラマがちょっと特殊な学園モノなので、その青春時代とかに思っている不自由さや、葛藤、大人になってから想うモノとの比較だったりをイメージして歌詞を作りました。
▲Yurin
──このドラマの内容ありきで今のイメージに落ち着いたのは、どういった所からだったのでしょうか。
Yurin:ドラマ「都立水商!~令和~」は、水商売に関する専門教育を行う都立高校が舞台なんですけど、我々の持つイメージとか、作る楽曲では水商売の曲は書けないなと思って。それで、どっちかっていうと学生や青春、若い頃の感情にフォーカスをあてて書くことができれば!と思って、こういった所に決まりました。
──皆さんの学生時代といえば数年前だと思いますが、そのときの自分に重ねてという所は大きかったですか?
Yurin:ドラマでは学生も主役ですけど、先生の方も主役なんですね。なので、学生の頃の自分だったりとか、今大人になっての自分が重なる部分を反映させた感じです。
──Yurinさんから曲を受け取ったときの印象は、お二人いかがでしたか?
フジムラ:Yurinが作る曲ってジェットコースターみたいな曲が多いんですけど、すごくシンプルに攻めてきたなっていうのが、一番強い印象でした。転調とかが全くなくて、J-POPの王道の構成に近いなと思いました。
逆にこういうのをYurinが作るのが珍しかったので、新鮮だった気持ちが強かったと思います。
──その時点でアレンジのイメージも湧いてくるようなものだったり?
フジムラ:このシンプルなメロディーにベーシストとして寄り添っていけば良いのか、と悩んではいたんですけど、シンプルさに力強さを与えるようなフレーズは弾けたんじゃないかと思いました。
──間奏のメロディーでは、お二人とも暴れているような感じがしました(笑)
知:そうですね。僕もフジムラと一緒で他にもデモがあったんですけど、一番わかりやすかったというのを含めて、応援歌と、夏にサイダーガールが出すシングルという事を考えてみて、自分たちらしいのがこの楽曲でした。サビとかはちゃんと歌を聴かせるようにというので、出来るだけシンプルにして、その分イントロやギターソロはちょっと暴れるように仕上げてみました。
──『クローバー』の出だしの歌詞では、「この息苦しい見せかけの自由」とありますが、このようなことはご自身の生活の中のどういった場面で、感じた事なのでしょうか。
Yurin:今の時代背景というか、ネットやSNSとかで意見を自由に発言できるように見えても、たいしてそうじゃなかったりもするし。今の若い子とかは特に、SNSに縛られてしまったりもするし、そういうネットの中での繋がりが、良くも悪くも大事になってきているというか。
学生の頃は大人になったらもっと自由にできるだろう?と思っていたけれど、いざ大人になってみると、仕事だったりとか、色々やらないといけない事が沢山あるし、やっちゃいけない事も出てくる。意外と思った程自由になれないとか、そういう息苦しさがありますね。
──学生の頃って世界が狭いから大人になったら、環境や周りが変わるものだと思うんですけど実際はそういう訳ではなくて。自分が強くならないといけなかったりするんですよね。そんな中で、「君だけは敵にならないで」という歌詞があって、ここはすごく強くて温かいワードだと思いました。
Yurin:実はこの歌詞、一人称が出てきていなくて。「君」っていうのは、受け取り手が思った解釈で聴いて欲しいなって思っています。