VOICE
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I'm the silent one
使い回された
言葉だけじゃ満たされないみたい
shooting stars fade away
見えなくなるまで
眺めてるそれだけで
≪VOICE 歌詞より抜粋≫
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冒頭はエレキのクラッピング、軽快な始まりの旋律に対比するメロウなJQの声。サウンドとヴォーカルのミスマッチが、現代のスタイルそのものといえる。
全体を通しての印象はR&Bをベースに、少しファンクの味付けがされているイメージを受ける。決してスローテンポではないが、JQのメロウな歌声がサウンドが走るのをいい感じに中和している。
----------------これからの自分はどちらに転ぶのか?知っている誰かがいるのなら聞いてみたいが、”迷走している”わけでもない。
tell me if I were you
何も知らない僕はcrying or smiling?
聞いてmy will
辿りついたその時にはまず
I'll come see you again
≪VOICE 歌詞より抜粋≫
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これから自分はどう変化するか分からないが、とりあえず今はなんとなく切り抜けていければいいんじゃない?題名である『VOICE』はこんな心の声ではないだろうか?
3枚目のアルバム「Blank Envelope」の2曲目に位置する『VOICE』。ヒートアップした脳みそをやんわりクールダウンしてくれる一曲。
Sweet and Sour
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I wish upon a star
世界は相変わらず
急ぎ足で run
追いつけないまだ
Pain と笑みで racing
答えはその先に
It's like tasting
a sweet and sour candy
言わないで
which is gonna win
≪Sweet and Sour 歌詞より抜粋≫
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イントロからポップに弾む。まるで晴天の日中に良い気分で散歩でもしているかのような爽快なサウンド。冒頭のリリックも実際には晴れている様子、でもそれはあくまで見た目の話。
”世知辛い”世の中、これをNulbarichは『Sweet and Sour』と表現する。お天気は晴れでも、対する実生活は”甘くて酸っぱい”よう…。
甘くて酸っぱいなんて、なんとなくファンタジックに感じるけれど、そういわないとやり切れない、やってられないのだろう。
くるくると変化する周りに一生懸命ついていく自分は傷だらけ。今はまだ品定めの途中だから、世知辛い世の中をそれでも楽しみたい。まぁ、明日に期待しましょう。
この楽曲には、妙な説得力がある。厳しい現実…明日がどうなるかも分からないのに、頑張り続けてる自分が切なくなってしまう。
だけど、結末が見えないからこそ人は頑張る、良い結末を期待して人は頑張るのではないだろうか?
そんな『Sweet and Sour』な毎日を、抜け感たっぷりにポップに歌ってくれるのがNulbarichなのだ。考えていてもしょうがない…一休みして火照った心を鎮めよう。
Ring Ring Ring
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余韻が彩る normal day
Cuz I had fun last weekend
I've lost all of my pain
浮かれた my brain
走らせた fountain pen
≪Ring Ring Ring 歌詞より抜粋≫
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R&Bとヒップホップが半分ずつ絡み合っているような『Ring Ring Ring』。サウンドアレンジが非常におもしろい一曲といえる。
メロディラインがぼんやりとしていて、ヴォーカルとは別々に曲が進行していく。この点においてはヒップホップの色が濃く感じられる。
だが曲を聴き進めていくと、ドラム…特にベースドラムの拍子がやっぱりR&Bなのだ。そしてメロウで気怠いJQの歌声がなんとも色っぽい。
そんなサウンドアレンジとJQの生々しい声だけで最高にクールな大人のラブソングのように思える。だがしかし、この楽曲は音とリリックの世界観にズレがあるからこそ面白い。
なぜなら、実際はそれほど甘いラブソングではないからだ。彼女の長電話に”勘弁してくれ”という男の気持ちが感じられる。
スラスラと仕事が調子よくこなせる時にかかってくる彼女からの電話。電話の主は分かっていても、”ごめん、今は出れないよ”と鳴り続ける電話に謝る男。カップルにはよくありがちな滑稽な一コマといえる。
リリックを解釈すればこんな感じになるのだろうけれど、色気漂うサウンドは本当に素敵。なるべく音を一定にし上下させないことで、その時が深い夜だということも手にとるようにわかる。ホットな恋人達にちょっぴりクールな刺激を与えてくれる一曲。
ain't on the map yet
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I'm never sober
Over and over
そばにいて oh please
With you 思うがままに
thats all I need
離さないで hang on tight
≪ain't on the map yet 歌詞より抜粋≫
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熱帯夜には少し似つかわしくないが…爽快感でいったらピカイチの『ain’t on the map yet』。Nulbarich2枚目のアルバム「H.O.T」の9曲目に位置する楽曲だ。
ここまで紹介した3曲の中では最もポップで、疾走感たっぷりの一曲といえる。サビの部分の「thats all Ineed」でボルテージが一気に上がるところがとても特徴的。
まだ地図にはない場所に作りたい僕の理想郷。それは砂の城のようにとても脆い。雨が降れば簡単に崩れてしまうかもしれない。だけど僕の願いは決してなくならない。
そこに君の想いがあれば、僕はなんだって頑張れるんだ…君のヒーローにはもう一歩だけどね。
リリックの世界観にぴったりなポップスではあるが、そこはやはりNulbarich。ただ軽快に夢を語るだけじゃない。
最後にはちゃんと「まだなれない your hero but I…」で閉じてくれる。自信たっぷりではないところがさすがの”抜け感”ではないだろうか。
アニメ映画「HELLO WORLD」の主題歌も担当
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9月20日公開のアニメ映画「HELLO WORLD」の主題歌にOKAMOTO'S・Official髭男dismと共にNulbarichが参加することに決定した。
OKAMOTO'SとOfficial髭男dismの両者は最新予告映像にてすでにその楽曲はお披露目済みであるが、Nulbarichはその楽曲の題名が「Lost Game」であることしか現時点ではまだ公表されていない。
この夏もNulbarichから目を離してはいけないし、なにより益々寝苦しくなる夜のお供になるに違いない。
TEXT 時雨