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【インタビュー】LUNA SEA、J「自分の経験だけが情報」ニューアルバムで証明した『Limitless』 (1/3)

4年ぶりのソロアルバム『Limitless』をリリースしたLUNA SEAのベーシストJ。そのタイトル通り、音楽家としても一人の人間としても限界を感じさせないJが、アルバムに込めた思いや、限界のない人生観を語ってくれました。若い世代にも読んでもらいたいインタビューとなっております!

大人が"限界はない"と発信し実現すること

──まずは4年ぶりのニューアルバムということで、アルバムリリースおめでとうございます。これ、すごいのが22年前に出されたファーストアルバムと同じ日にリリースということで。

J:ありがとうございます。そうなんですよ、スタッフに言われて気がつきました。


──ファーストアルバムと同じ日にリリースというところは意識していなくて?

J:全く意識していなかったですね。07年に初めてのソロアルバムを出してから僕のソロ活動がスタートしているんです。

97年にLUNA SEAをやっているとき、みんなそれぞれがソロをやるタイミングがあって、その時のファーストアルバムの発売日と同じ日という。


──奇跡的!そういう意味でのコンセプトもありきで制作をされたのかと思ったので、意外でした。

J:今回で11作目になるんですが、前回のアルバムで10作目という節目を迎えて。

自分自身にとっての音楽とかバンドとか、もちろんそういったものを全部自分の中でもう1度考え直すようなタイミングだったことは確かなんですよ。

そういう意味では11作目になる今回は新しいスタートだと思っていて、その当時のファーストアルバムのスタートと重なるところはすごくあるなと思っているんですよね。


──なるようになるというか、そんな偶然って必然のように起きるものですね。

J:不思議と自分自身に突き付けられるというか、メッセージのようなものを感じることはありますね。


──アルバムのタイトルが『Limitless』、限界はないという意味ですね。このアルバムタイトルは初めに決めて、タイトルに沿ったテーマありきで楽曲制作は進められていったんですか?

J:最初はアルバムのタイトルは全然頭の中になくて。この4年間の制作期間のいろいろなタイミングで曲を書いてきているんですけれども、先ほど言った通り10作目を終えてからいろいろなライブ、いろいろな活動をする中で自分自身の音楽に対する思いとか、これからに対する夢というものを考えたときに、やはり限界っていうのは物理的な限界は存在するけれども、考えたりイメージすることの限界というのは実はないんではないかと。

限界を決めているのは実は本人だけで、そういう意味ではやはりリミットなく自分たちの好きなものを追い求めていくような情熱的なアルバムを作りたいなと、まさに自分が今作っているものはそういうものなんじゃないかというところで、いいタイトルが付けられたと思います。


──まさにそういうことを言ってくれているような曲がたくさん入っていましたよね。しかも大人が"限界はない"ということを言ってくれることって、どの世代もすごく勇気が湧くのではないかと思います。

J:そうですね。ともすればいろいろなことを経験して、何となくこれはこうなっちゃうんだよね、ああなっちゃうんだよねって、簡単にその考えや、その場所には行けるじゃないですか。でも本当は大人だからこそそういうことをぶっ壊してほしいですよね。

こんな生き方もあるんだとか、こんな考え方もあるんだという、そういったものを大人には作ってほしい。

世間的に言うと僕らみたいなミュージシャンとかは、もしかしたら社会性みたいなところで言うと外れているのかもしれない、だけれども僕の周りには確かにいろいろなものをぶち壊していろいろなものを作って新しい世界を見せてくれるやつはたくさんいるので、実はすごく自然なことだったりもして。

だから僕自身が子供の頃にロックミュージックに出会ったとき、俺もなれるかも、俺もなりたい、みたいな思いを持てて、それがずっと今も続いているんですよね。

ロックミュージックのすごさって、誰にでもそうなるチャンスを与えてくれるところだと思っていて。全然、かっこつけてそういうことを言っているわけでもなくて実体験としてあるので、みんなの刺激に変わっていくような音楽や活動ができたら面白いなとは思いますね。


──カッコいい…貴重なお話をありがとうございます。


音楽シーンは変わっても揺るがない"アルバム"の持つ意味

──あと気になったのがアルバムの曲順です。歌詞の関連性を感じるような曲順で収録されているような印象だったんですが、曲順に関して何かこだわられた点はありますか?

J:今は配信などがあるから、簡単に音楽を聴ける時代じゃないですか、いい意味で。僕らは実はアナログ最後の世代なんです。

言い方はたくさんあるけど、アナログ、ビニール、バイナル、LPなど。アルバムって知ってる?僕らは貸レコード屋さんとかあった時代だったから、針を落として音楽を聴くという世代だったんですよ。

で、盤にはA面とB面があるから、その中に物語があって、途中で盤をひっくり返さなきゃいけないから、イメージのまま行かなきゃいけないことがあったり、1曲目から最後までの物語がすごい起伏がついているものが多かったので、やはりヒット曲を入れたら他はいいやみたいな作りはちょっと気持ち悪いのね。

最後まで聴いたときに感じる気持ちみたいなものも僕らは作っていく責任があると思っていて。当然1曲1曲、よしって思ってもらえるものもなければいけないと思っているんだけれども、そういう作り方をしているので。


──そこはアルバムを何作作ろうが、時代が変わろうが、変わらないところなんですね。

J:いまだにけっこう洋楽のロックバンドとかはそういった作りをしているバンドがけっこう多いですよね。

アルバムずっと聴いて最後にこういうことだったのか!とか、まるでライブを1曲目から最後まで見たような、映画を見たような感覚になるようなバンドも多いので。


──今は配信で音楽を聴くことがほどんどって時代で、よくアーティストさんが言うのが、曲間が一定だから曲と曲の間に持たせる"間"が自分たちの好きに出来ない、と。

J:そうだよね。曲間ってけっこう大事だからね。勢いつくし勢いを止められるし。そういう間を感じられなくなった子たちは…言ってしまえばかわいそうだよね。

しかも配信ってジャケットもいらないんだもん。


──今は画面のこんな小さいジャケット写真1枚だけですもんね。ジャケットの話が出たので、、、Jさんの今回のジャケットはかなりシンプルで、且つエレガントな感じですね。

▲11thアルバム『Limitless』のジャケット写真

J:ずっとこのアルバムには白いイメージがあったんですよね。いつもだとアルバムのジャケットを作る時に何かキーワードになることが自分の中に降りてくるんですけれども、今回はずっと白いジャケットがいいなってすごく思っていたんです。

さっきの話、新しいスタートという意味もあったのか、印象をつけるのは聴いてくれたみんなであったら嬉しいなというか。最初に何か絶対的なイメージをこっちから提供したくないという感じだったんですよね。


──それでこれだけシンプルに真っ白なジャケットに。

J:極端ですよね。前作はベースが燃えてましたからね(笑)

▲10thアルバム『eternal flames』のジャケット写真


──極端ですね(笑)そしてアーティスト写真もまたかっこいいですね!

J:いつもずっと作品を作ってくれるカメラマンさんとセッションみたいな感じで作っていました。

けっこうずっと一緒にとやっているので。自分自身の変化みたいなものも分かったりして面白いですね。僕自身、写真もすごく好きなので。


次ページ : アルバムOPの『the Beginning』とMVがたまらない『Now And Forever』

この特集へのレビュー

女性

2019/09/06 13:31

歌詞のバックボーンは案外なかなか出てこないインタビューなのでうれしい。Jさんの歌詞は、いろんな人にうんうんと思わせる汎性がありながら「ああこれは自分のことだな」とフッとふところに降りてくる言葉が沢山あるのは、こういうご自分の感じた経験したことの結晶からだからなんだな、という感じ。軽やかでいい切り口のライターさんだ。突き放された感じ、というのはそれこそ「ジェーイ!カムバッーク!(馬上の背中に向かって)」という、良すぎる余韻のことではないかな?分かる。ライターさんの世代的に出てこない例えかもしれないんだけど。

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