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Hi-STANDARDからの贈り物「The Gift」その真意とは

Hi-STANDARDの18年ぶりのニューアルバムである「The Gift」。その中からタイトルチューンとなっているThe Giftの歌詞を読み解くとともに、“ギフト”の真意について考察していく。

ハイスタが「The Gift」に込めた想い

90年代前半。エッジの効いたサウンドで世の中を虜にし、パンクブームを巻き起こしたHi-STANDARD(ハイスタ)。

そんな彼らが18年ぶりにリリースした待望のニューアルバム「The Gift」。タイトルチューンにもなっているTHE GIFTの歌詞を読み解き考察をしていく。

さらに、18年ぶりのアルバムリリースに込められた“ハイスタからの贈り物”の真意とはなにか。年齢を重ねても変わらない遊び心満載のハイスタならではの“ギフト“がそこにはあった。

ますは、「The Gift」の歌詞を紹介しよう。

みんな悩み苦しんでいる



ハイスタはいつでも悩める人たちの傍に寄り添い、そのストレートな歌詞や独特の茶目っ気で、多くの人たちの力を与えてくれる。

「The Gift」でも、そんなハイスタらしさが歌詞でも音でも全面に表現されている。
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Always resent yourself
wondering why life sucks so much
And what others possess
Tend to look good to you
≪The Gift 歌詞より抜粋≫
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<対訳>
いつもお前は煮詰まっている
なんで自分の人生は こんなに最低なんだと
でも他のものは
良く見えるもんさ

自分の心の中は、いつも一人ぼっちだ、とにかく寂しい、自分と人はちがう。そんな風に、人は皆孤独で悩みを抱えているのかもしれない。

そして、自分と人を比べてしまって“自分には何も才能がない。なぜ自分以外のみんなはとても優れているのだろうと…苦しんでしまう。

そんな風に、考えれば考えるほど劣等感は高まってゆく。さらに自分が嫌になってしまう負のスパイラルに陥る。

どん底にいるときほど、答えを見いだせなくなりがちである。

大事なのは、いつだってどうやって前に進んでいくかなのに…。

そんな思いを詞にのせたこの歌詞。これは、まさに、悩み苦しんでいた当時のハイスタメンバー3人の心模様を象徴するようにも捉えられる歌詞ともいえる。

2000年に活動を休止して以来、ハイスタのメンバーは3人バラバラで活動をしてきた。関係性は良いといえるものではなく、お互いを尊重することも出来ず、歩みをともに出来ない期間が長くあったのだ。だからこそ、この歌詞がうまれたともいえる。

そんなどん底から抜け出すために、彼らは一体何を大切だと訴えるのだろうか?先の歌詞をよみすすめてゆく。

前に進むためには自分自身を見つめ直すことが必要



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It's true that everyone
has their own gift given to them
One others can't obtain
No matter how they try
≪The Gift 歌詞より抜粋≫
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<対訳>
人には誰でも
その人にだけ贈られた ギフトがある
他の人がどんなに欲しても
それは決して手に入らない

自分にはなにもにない。自分に自信のない者はそう思うだろう。

だがしかし、なにもない人間なんかこの世には存在しない。その人にしかない魅力が必ず備わっているのである。そしてそれは世界で一つしかない素晴らしい魅力なのである。

自分自身を見つめ直し、自身の持つ魅力に気がつき受け入れることが出来なければ新たなステージに進むことは出来ない。そしてそれを尊重しあえてこそ、新たなスタートを切ることができる。ハイスタの中にもそんな葛藤があったに違いない。

誰でもない お前自身になるんだ



----------------
Na Na, Don't try to be someone
Na Na, Be "you" and no one else
Na Na, Take a look at yourself
Na Na, You'll find a gift given to you
≪The Gift 歌詞より抜粋≫
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<対訳>
誰かになろうとなんてするな
誰でもない お前自身になるんだ
よく自分を見てみろよ
お前だけに贈られたギフトを見つけるはずさ

お前はお前であり、世界で唯一無二の存在であり、変わりの効かない存在である。自信をもって突き進め。そうすれば自ずと自分にしかない“ギフト”に出会えるはずだ。

ハイスタならではのどストレートであたたかい、そんな応援メッセージがサビには込められている。

ここでまた、ハイスタメンバーが歩んだ道のりと歌詞での主張がリンクしてくるのだ。
別々の道を歩み続けてきたハイスタの3人の道を少しだけ紹介したい。

横山健(Gt/Vo)はKen Yokoyamaとして、バンドとしての歩みを止めずパンクロックを絶えず世に出し続け、さらにはハイスタが所属していたレコード会社“PIZZA OF DEATH”の社長としても会社を守り続けてきた。

難波章浩(Vo/Ba)は様々なジャンルの音楽にトライした後、現在のバンドであるNAMBA69を結成し、パンクサウンドを世に送り出している。

恒岡章(Dr)は様々なバンドのサポートに積極的に参加し経験値を積み続けた。

それぞれ別々の活動を進めていく中で、自分自身を見つめ直し、新たに唯一無二の魅力を新たに見出した。

そんな3人が再びともに歩みをはじめ、辿り着いた境地がこの「The Gift」なのである。

新生ハイスタの象徴ともいえる一曲になっている。

ここからは、歌詞や曲ではなく…。彼らが行動で伝えたい「The Gift」の真意にせまっていく。

「The Gift」に込められた本当の“贈り物”



今回のアルバムのタイトル「The Gift」。日本語の意味は贈り物だ。ハイスタはこの作品を通して何を贈りたかったのだろうか?その真意を汲み取りつつ、ハイスタならではの遊び心にも注目しながら、考察をし真意を明らかにしていく。

突如巨大バンドスコアが登場



事前情報なしに「The Gift」の巨大バンドスコアが、東京・渋谷駅および大阪・梅田駅の壁一面に張り出されたのである。「これは君へのギフト。」というHi-STANDARDからのメッセージが書かれていた。

インターネットで簡単に情報収集が出来てしまう昨今で、情報がどこからも漏れずに突如現れた巨大バンドスコアにファンは驚かされた。

単なる告知ポスターではなく“バンドスコア”という形で張り出されたところが、ハイスタからの“ギフト”としての大きな意味あった。当時ハイスタに憧れてバンドを始めた多くのファンが、挙ってこの曲をコピーをしYOUTUBEにも多くの“弾いてみた動画”が溢れファンを熱く盛り上げてくれた。

今だからこそ、あえてアナログな方法で贈る



ニューアルバム購入者先着で「The Gift CD」と題した無料配付CD(The Gift 1曲収録)を配付。

裏ジャケットには「あなたの大切な人にこのCDを渡して下さい。家族や恋人、学校の友人、会社の同僚、あのころ一緒にHi-STANDARDのライブに行っていた仲間、そしてHi-STANDARDの事を知らない人、大切な人とあなたの気持ちをシェアする為のギフトとしてこのCDを活用してください。」と記されている。

CDが売れないこの時代。音楽も簡単にネットで聞けたり、SNSで簡単に情報共有も出来てしまう現代だからこそ、実際の“CD”を大切なひとに手渡しすることで、気持ちを共有してほしいというハイスタからの贈り物がそこにあった。

新しいCDを手にする喜び、CDを通じて素晴らしい音楽と出会える喜び。ハイスタが第一線で活躍していた90年代には当たり前だった光景を蘇らせてくれるような仕掛けである。

告知なしでAIRJAM2000のDVDをThe Giftと同時発売



AIR JAM2000を最後に一時活動を休止してしまった彼ら。その映像作品が17年ぶりのニューアルバム「The Gift」とともに告知なしで店頭に並ばれたのである。

歩みを止めた2000年から再びリリースされたニューアルバム「The Gift」。そして、その歩みはもう止まることはなく、これからもファンとともに歩み続ける。そんなことを象徴する彼らからの“ギフト”であった。

ハイスタからの“ギフト”はまだまだ続く



Hi-STANDARDのあるライブで横山健が「ハイスタは二度と畳まない。」と語ったことがある。この言葉を聞けてファンはとても嬉しかった。

90年代パンクシーンを牽引し続け、いつでもファンたちにとって“道標”でありの“スーパースター”だった彼ら。そんな彼らが現代でも活動していること、そして今後も活動を続けると断言してくれたこと。それ自体がファンにとっては彼らからの最大の“ギフト”なのである。

お互いの“ギフト”を認め合い、尊重し合うこと最高のパフォーマンスを発揮しているHi-STANDARD。その勢いは衰えることを知らず、90年代の勢いを凌駕するほどのものである。今後も歩みを止めることのない彼らのオリジナリティ溢れる動きに注目していきたい。


TEXT みなみかわ

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1992年9月にかつてのヴォーカルが脱退。 現在のスリーピースになる。3rdフルアルバム『MAKING THE ROAD』では、インディーズとしては類を見ない100万枚を超えるセールスを記録。 しかし、2000年に開催された『AIR JAM 2000』を最後に突然の活動休止。 もう活動再開はないと噂される中、201···

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