藤原さくらの音楽と感性
今までの日本のポップスシーンで、藤原さくらのような音楽性のシンガーソングライターがここまで大々的に注目を浴びたのは珍しいのではないでしょうか?彼女が現在のように多くのファンを魅了し続けている理由は、誰もが納得する絶対的なその才能にあるようです。
デビュー前の藤原さくら
1995年12月30日に福岡県福岡市で生まれた藤原は、ベーシストの父親から10歳の頃にギターをもらい、弾きはじめました。
小学生の時から趣味で曲を作りはじめていましたが、誰に公表するというわけではなく、作曲することが日常的なことになっていたようです。
本気で音楽を志したいと思ったのは高校1年生の頃で、友人がドラムやタップダンスをやっているのを知ったのがきっかけでした。
それから地元の音楽スクールVOATに通いはじめています。
当時のスクールのオーディションにて、藤原が現在所属しているアミューズにスカウトされました。
この時スカウトした人物は後の藤原のマネージャーで「さくらさんがおばあちゃんになっても、音楽を続けられるようにしたい」と話し、藤原は感銘を受けています。
このエピソードは、ファンの間でも有名な話のようです。
藤原が高校3年生だった2014年3月に、初のアルバム『full bloom』をインディーズとしてリリースしました。
高校を卒業すると地元福岡から東京へ上京し、ワンマンライブやシンガポールでの初の海外ライブ、同事務所所属の先輩グループSkoop On Somebodyのオープニングアクトをつとめ、2015年3月18日に待望のメジャーデビューを果たします。
藤原さくらの音楽性
藤原さくらの音楽性はベーシストだった父親の影響が、大きくあるようです。
幼い頃から聴いていたのはThe Beatlesで、最も尊敬しているミュージシャンにもポール・マッカートニーをあげています。
他にはフランスに生まれイスラエルで育ったシンガーソングライターYael Naimや、YUIなどを尊敬しているそうです。
はじめはギタリストになろうと思っていた藤原がシンガーソングライターに憧れを抱くようになったのも、YUIが影響しているそうです。
他にも様々な音楽に触れていたようで、世界の民族音楽を聴いていました。特にジプシー・スウィングを好んでいるといわれています。
主に使用しているギターは、自身の声に合うという理由でナイロン弦のクラシックギターです。
ストローク弾きよりも指弾きが基本で、尊敬しているギタリストに、ジャズミュージシャンでありギタリストのジャンゴ・ラインハルトをあげているのも納得の、柔らかく繊細なサウンドでファンを魅了しています。
藤原の楽曲は低音・中音域の歌声が中心で、高い声が出ない自分の声が嫌いだった時期もあったそうです。
ですが、通っていたスクールの講師に歌声を褒められたことから、自分の声を認められるようになったというエピソードがあります。
ドラマ「ラヴソング」で女優デビュー
2016年に放送されたフジテレビ系の人気ドラマ「ラヴソング」で、藤原は俳優でありシンガーソングライターである福山雅治のヒロイン役を演じています。
これが藤原さくらの女優デビューとなりました。
このドラマで藤原の名前と音楽は全国に知れ渡りました。
そのドラマで彼女がみせた堂々たる演技により同年7月の「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」にて新人賞を受賞しています。
表現者としての鋭い洞察力と強い感性を持っている藤原は、音楽の才能のみならず演技の才能も持っていたのです。
その後は舞台なども含め女優業と音楽活動を並行しています。
藤原さくらの楽曲でおすすめ3選
藤原さくらの作曲方法は大きくわけて「テーマを決めて作るパターン」「メロディ・リズムから作るパターン」の2つあるそうです。テーマを決めて作る場合は自然と日本語の歌詞になり、メロディやリズムから作る場合は英語の歌詞になります。
各楽曲がどのように作られていったのか想像しながら、彼女の曲を聴くとより面白いかもしれません。
ここからは、藤原さくらのおすすめの楽曲を3曲、厳選して紹介します。
「Just one girl」
2016年3月18日にリリースされたデビュー・ミニアルバム『à la carte』の4曲目に『Just one girl』が収録されています。
作曲は藤原さくら、作詞は藤原さくらとイギリスの詩人catherine fisherの共作で、編曲はシンガーソングライターでありベーシストのCurly Giraffeが手掛けました。
多彩であり多ジャンルな音楽シーンで活躍するプロデューサー陣を迎えて作られたアルバム『à la carte』の中でも、藤原のスモーキーなファルセットボイスが特に心地よい1曲です。
リリース日を前に、2016年1月に日本テレビ系のドラマ「学校のカイダン」の挿入歌として起用されています。
当時の彼女は19歳で、世の中に衝撃をあたえました。
「Walking on the clouds」
こちらもデビュー・ミニアルバム『à la carte』に収録されており、作詞作曲は藤原さくらが、編曲はジャムバンドSPECIAL OTHERSのYagi&Ryotaが担当しました。
歌声・リズムともに心地のよい楽曲で、カフェに合うようなジャズ・ポップスを思わせます。
ギターよりも鍵盤の音が目立っていますが、アダルトでクールなギターアプローチが楽曲をより味わい深いものにしているようです。
MVは雨上がりの人が少ない街を、傘を持って歩く藤原の姿がい印象的な映像です。
監督はASIAN KUNG-FU GENERATIONや竹内まりやなどのMVも手掛ける大喜多正毅が担当しています。
なお、この楽曲は北海道テレビの番組「キラキラ」のテーマソングにも起用されました。
「Ami」
『Twilight』と同時リリース曲として2020年2月12日に発売された楽曲です。
藤原さくらが作ったデモ音源をサポートメンバーが聴き、藤原を中心に譜面ではなく口頭で楽曲を作っていくヘッドアレンジでできました。
当初は、配信限定シングルとしてリリースされましたが、4月22日には7インチシングルの発売も予定されています。
YouTubeで公開された『Ami』の映像は、2019年の秋から開催したライブハウスツアーのサポートメンバーが出演しており、そのツアーのライブやリハーサル映像とインタビュー映像なども収録されました。
いわゆるオルタナティブなインディ・ロックな楽曲を目指してできた1曲で、YouTubeの動画にある通り藤原には珍しいエレキギターにエフェクターを踏むスタイルで演奏しています。
テレビ東京のドラマ「100文字アイデアをドラマにした!」の主題歌にも起用されました。
今後の藤原さくらの音楽的活躍に注目!
音楽活動のみならず女優としても活躍している藤原さくらの、絶対的な才能と魅力が伝わったのではないでしょうか。
若いながらしっかりした土台があった上でデビューした彼女の音楽的挑戦に、期待を高めているファンも多いようです。
藤原さくらの、今後の活躍から目が離せません。
TEXT Imahashimiwa