「Beautiful days」
『Beautiful days』は、二宮主演ドラマ「流星の絆」の主題歌です。
ドラマ自体は両親を殺した犯人を捜すという決して明るくないテーマでしたが、錦戸亮や戸田恵梨香が二宮の兄弟役で登場し、豪華キャストにも注目のドラマでした。
話の内容に対して優しく、どこかかわいらしい雰囲気のある楽曲ですが、曲の雰囲気が作品の重さを中和し、希望を与えてくれます。
テレビなどで披露される時には、ダンスやフォーメーションなどの大きな動きはなく、じっくりと耳を傾けるタイプの楽曲になっています。
5人のハーモニーや空気感を楽しみながら聴きたい楽曲といえるでしょう。
「Believe」
『Believe』は、櫻井主演の映画「ヤッターマン」の主題歌で、大野主演ドラマ主題歌『曇りのち、快晴』との両A面シングルです。
竜の子プロダクション作品ということで、PVではメンバー5人がタイムボカンシリーズのヒーローとして登場。
普段の嵐とはまったく異なる世界観を楽しむことができる、貴重なPVになっています。
軽やかなダンスやソロパートが魅力的な楽曲なので、ライブ映像も必見。
ぜひPVとライブ映像、それぞれチェックしてみてください。
「明日の記憶」
『明日の記憶』もドラマ主題歌で、櫻井翔主演の「ザ・クイズショウ」の世界観、ストーリーとリンクした楽曲になっています。
心に傷を負い、過去に苦しみながらも最終的には前を向いていくストーリーと『明日の記憶』に漂う、もの悲しい世界観が見事にマッチ。
切ないけれど、悲しみの先にある光を歌った、嵐らしい楽曲になっています。
ドラマをまだ見たことがないという人は、見てから改めて聴くと、違った印象で楽しむことができると思いますよ。
「Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」
シングル『明日の記憶』に収録されたこの曲は、コーセー「エスプリーク・プレシャス」のCMソングです。
切ない印象の『明日の記憶』とは対照的に、非常にテンポがよく、イントロからテンションが上がり、アイドルとしての嵐のかっこよさに魅了される一曲。
メンバーの中でも男前ぶりを発揮する松本のささやき声が、女性ファンを虜にします。
PV撮影は幕張メッセで行われ、アイドルらしい華やかでキレのあるダンスを楽しむことができる曲ともいえるでしょう。
自由気ままで掴めない女性に心奪われ、翻弄される男心が母性をくすぐります。
「Everything」
『Everything』は、何気ない日常を切り取りながらも、変わりゆく毎日にどこか切なさを感じる一曲です。
二度と同じ日は来ないし、後戻りもできない。
そんな切なさを抱えながら、人は時に迷いながら前に進んでいくものです。
この曲は、メンバーが出演するauのCM「去年と違う夏。」にも使用されていて、変わり続ける自分や、周りへの戸惑い、ためらい、そして少しの力強さを感じられる曲。
足早に過ぎていく日々の中でふと立ち止まった時、そっと背中を押してくれるような、寄り添ってくれるような、そんな優しい歌詞が印象的です。
嵐の曲の中では比較的落ち着いた曲ですが、だからこそじっくりと耳を傾けたくなりますね。
「truth」で見せた嵐の変化
Disc2は、初期の嵐に漂っていた、元気さ、男臭さ、かわいさから脱却し、大人の雰囲気をまといはじめた、嵐の変化が見て取れる内容になっています。
『サクラ咲ケ』から始まり『One Love』まではポップさやかわいらしさ、アイドルらしい華やかさのある曲が目立ちますが、『truth』で一皮剥け、大人の階段を一段上がった雰囲気を感じさせます。
『風の向こうへ』以降は、元気さやかわいさよりも、心にそっと寄り添う曲や、痛み、悩みなど、誰もが抱える思いを歌い上げるしっとりとした曲が多くなっていますね。
テンポのよい『Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~』にしても、これまでの嵐よりも大人の色気を感じさせ、アイドルとしての成長を感じさせます。
嵐がいかにして国民的アイドルになっていったのか?その軌跡を追うことができる、非常に面白いアルバムだといえるでしょう。
TEXT 岡野ケイ